「真実の口」1,436 マイクロプラスチック ・・・①

マイクロプラスチック

昨年あたりから、よく耳目に触れる言葉である。

かなり気になるニュースが飛び込んできたので、 SDGs を取り上げたこともあり、私なりに調べてみた。

マイクロプラスチックとは、環境中に存在する微小なプラスチックの粒子のことである。

一部の海洋研究者は、 1mm よりも小さい顕微鏡サイズの全てのプラスチック粒子と定義しているが、現場での採取に一般に使用されるニューストンネットのメッシュサイズが 333 μm ( 0.333mm ) であることから、多くは 5mm よりも小さい粒子と定義している研究者が多いようだ。

マイクロプラスチックの発生源と疑われているものは複数存在するようだ・・・。

1. 一次マイクロプラスチック

プラスチック製品を製造するための原料として使われる米粒大のプラスチック粒(レジンペレット)や洗顔料・ボディソープ・歯磨き粉などに使われるスクラブ剤には、小さなビーズ状のプラスチック原料が使用されており、これらを一次マイクロプラスチックという。

一次マイクロプラスチックは、微細なため回収が難しく、製品化した後の対策や自然環境中での回収は困難となり、誤飲によって生物・生態系への影響も懸念されている。

2. 二次マイクロプラスチック

環境中に流れ出たプラスチック製品が外的要因で劣化することで発生するものを二次マイクロプラスチックという。

使用済みプラスチックはポイ捨てやゴミ処理施設へ輸送される過程で環境中に出てしまったあと、雨で流されて最終的に海に流れ着き、海を漂流するプラスチックごみの多くは、長いあいだ太陽の紫外線によって劣化してもろくなり分解される。

また、プラスチック同士がぶつかったり、波の作用や岩・砂によってすり減らされたりと物理的な摩擦で砕けて小さくなっていく。

3. その他

家庭での衣類の洗濯による布からの合成繊維の脱落し下水道に流れ込んだマイクロプラスチック。

洗濯排水中のマイクロプラスチック粒子と環境中のマイクロプラスチックの組成との比較により、 1mm 未満の粒径のマイクロプラスチック汚染の大半が脱落した合成繊維から構成される可能性があることが示唆されている。

取り敢えず、プラスチック=合成樹脂の歴史を紐解いてみよう・・・!

プラスチックが発明される前までは、天然樹脂が使われていた。

数千年前の遺跡より漆器がきれいな状態で発掘されてもいる。

また、アカシヤ樹の寄生昆虫より抽出されたシェラックは、レコード盤の原料としても用いられていた。

プラスチックが初めて発明されたのは、 1835 年、フランスのルノーが、ポリ塩化ビニルの粉末を発明したが、製品化には至らなかったらしい。

初めて商業ベースに乗ったのは、 1869 年、アメリカの印刷工ジョン・ハイアットが偶然に薬液をこぼして硬化したもの(セルロイド)を発見し、実用プラスチックとして工業化された。

これは硝化綿に樟脳を加えたものであり、天然セルロースを使用するため「半合成プラスチック」と呼ばれることもある。

このセルロイドはもともと、アフリカゾウの乱獲による象牙の不足を受けたビリヤード・ボール会社の公募によって商品化されたものであり、ビリヤードボールをはじめフィルムやおもちゃなどに大量に使用されたが、非常に燃えやすく、また劣化しやすい性質があるため次第に使用されなくなったらしい・・・。

1872 年、ドイツのバイエルがフェノール樹脂を発明する。

本格的な合成樹脂第一号は、 1909 年、アメリカのレオ・ベークランドがフェノール樹脂をはじめて工業化し、「ベークライト(商品名)」として広まったものである。

1926 年、ドイツの化学者へルマン・スタウディンガーが、ポリマー(高分子)が長い鎖状分子から出来ているということを発見。

1930 年、ポリスチレンが工業化。

1934 年、アクリル樹脂が工業化。

1938 年、アメリカのカロザースらが、ポリアミド(商品名:ナイロン)を発明し、主要研究員 5 名のイニシャルから “ NYLON ”と命名され、 1941 年に工業化。

第二次大戦後、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリスチレン、ベークライトが生活に登場しだす。

日本では、 1960 年代以降、日用品に多く採用されるようになる。

1970 年代には、工業用部品として使用可能なエンジニアリングプラスチック(※注 1 )が開発。

(※注 1 ) 特に強度に優れ、耐熱性のような特定の機能を強化してあるプラスチックの一群を指す分類上の名称。略称、エンプレ。

1980 年代には、更に高度なスーパーエンジニアリングプラスチックが使用されるようになった。

合成樹脂は、主に石油を原料として製造され、金型などによる成形が簡単なため、大量生産される各種日用品や工業分野、医療分野の製品などの原材料となっている。

製品の使用目的や用途に合わせた特性・性能を有する樹脂の合成が可能であり、現代社会では、金属に代わる新たな素材として幅広く用いられている。

一般的な特徴としては・・・。

・電気を通さない(絶縁体)
・水に強く腐食しにくい。
・比較的熱に弱い。

・・・・等が挙げられる。

プラスチックの登場は画期的なもので、この数十年のあいだに、大量に生産され続けてきた。

以下、プラスチックを取り巻く国内外の状況-環境省-参照

世界のプラスチックの生産量は、 1950 年に 200 万トン(化学繊維含)だったものが、2015 年の総生産量は、 8 億 3,000 万トンに激増している。

1950年以降生産されたプラスチックは 83 億トンを超え、 63 億トンがごみとして廃棄されている。

回収されたプラスチックごみの 79% が埋立あるいは海洋投棄されている。

リサイクルされているプラスチックは 9% に過ぎない。

もし、現在の生産および廃棄物管理の傾向が続く場合、 2050 年までに、約 120 億トンのプラスチック廃棄物が埋立地または自然環境に蓄積されることになるという・・・ガ―――(((((∑(°Д° )))))―――ン

どぎゃんとせんばいかんばい!

CHANGE

次回へ・・・。