「真実の口」119 我々は何をすべきか?⑰

畜産業を憂う。

次の画像を見ていただきたい。

鳥インフルエンザ①

これは2006年に韓国で発生した鳥インフルエンザの処分法である。

鳥インフルエンザ②

そして処分に困った農家が川にそのまま放棄するといことも話題になった。

鳥インフルエンザ③

日本では、2004年に山口県で79年ぶりに確認され、大分、京都、茨城、埼玉、宮崎、岡山、愛知と数年に渡り、拡大を広げていった。

日本、韓国だけでなく、鳥インフルエンザの発生した国は、同様にビニールに詰め込み, 穴を掘って埋めるという処理を行っている。

当然、死んだ鳥ばかりではなく、活きている鳥も殺処分される。

その処分方法は、生きたままビニール袋に入れ、炭酸ガスで窒息させるというのが通常である。

また、テレビで、白い粉を撒いているシーンを見たことがあると思う。

あの白い粉は、消石灰というものである。

消石灰は、水酸化カルシウムといい、強アルカリの粉末で、工場汚水などで酸性化した川や土壌に汚染中和剤として撒かれることもある。

識者に言わせれば、鳥インフルエンザは消石灰に極端に弱く、埋めた土地が汚染されるということはなく、一緒に埋めた消石灰が殺菌し、中和してくれるらしい。

以下が、その処理法である。

http://www.jplime.com/shijyou_gijyutu/tori/20060417.html

また、インフルエンザウイルスはバクテリアと違って死んだ宿主では増えず、1週間程度で死滅するため安全と想定しているようである。

そして、3年間はその土地を掘りおこすことが出来ないと家畜伝染病予防法により決められている。

土に埋めておけば自然に帰るとでも言うのだろうか?

2004年に発生した山口県は、殺処分後3年が経過している。

その後、どうなったのかという報道を聞いた者はいないのではないだろうか?

実は、数年前、私の所には、ある自治体とそれに関わった業者から、鳥インフルエンザを処分した土地で困り果てているという相談が寄せられた。

自治体や業者名をあげると地域を特定されてしまうのであえて伏せるが・・・

鳥を殺処分した土地から、得体の知れない液体が漏れだし、悪臭がひどいばかりでなく、周囲の農地が大変なことになっているということなのだ。

現地主義の私は、すぐに現場を見せて欲しいと依頼したのだが、公に漏れると困るということで現地に行くことは出来なかった。

ただ、ビニールに入れた鳥は、土に変えるどころか、ドロドロに溶けたものや未だに原型を残しているものもあるということである。

また、これだけのものを全部掘り起こして、再処分するとなると莫大な費用がかかってしまうので、抗酸化の技術で何とかならないだろうかという、実に都合のいい話である。

まず、私は液の成分とガスの成分を調べてもらうことにした。

更に、どれだけの体積にどれだけの鳥を処分し、どのくらいの消石灰を入れたのかも教えてもらった。

考え得る限りの方法をお伝えして、実践していただいた。

その後、一度だけ連絡を頂いただけだが、取りあえず功を奏したようである。

何故、今回、このような鳥インフルエンザの話を持ち出したかというと、現在、宮崎県で口蹄疫により大打撃を受けているということに端を発する。

次回も、畜産業について触れたい。