「真実の口」121 我々は何をすべきか?⑲

以下を読んでいただきたい。

口蹄疫発覚後の赤松農林水産大臣の会見である。

4月20日

「・・・(省略)・・・今、10キロ(メートル)以内、20キロ(メートル)以内ということで、制限を付けまして、10キロ(メートル)以内は移動制限、それから、あと20キロ(メートル)以内は搬出制限区域ということの、そういう区切りをいたしまして、少なくとも、10キロ(メートル)以内については、殺処分、当然、この十何頭、16頭だったかな、いるわけですけれども、全て殺処分にしますが・・・(省略)・・・」

4月27日

「・・・(省略)・・・4月20日以降、これまで宮崎県の農場において、12例の口蹄疫の発生が確認されておりますが、現在、感染の拡大を防止するための移動制限や、迅速な殺処分等の防疫措置を実施をしてきております・・・(省略)・・・」

5月14日

「・・・(省略)・・・今の法律に、やっぱり、私ども従ってやらないといけないので、今の家畜伝染予防法では、そういう疑似患畜までは、そういうことを言ってますけれども、全く関係ない、ただ、その周辺で、そこに、何か緩衝地帯作ろうみたいなことで、健康な牛や豚を殺してしまうということは、どうなのかということですね。そこには、必ずお金がついて回るわけですね、所有者が、自分の意思で、勝手に殺すのは、全くそれは構わないのですけれど、殺したいという人は、「それで、5分の4ください」という話ですから、変なやり方をすると、今、裁判になっているBSEと同じようなことになってしまいますし・・・(省略)・・・」

5月18日

「・・・(省略)・・・だから、全頭処分と言って、それは、いくら超法規でも、今の家畜伝染(病)予防法では、疑似患畜、あるいは患畜のものしか、殺処分できないわけですから、これは、人の財産権を侵す話ですから、それは、人のものだけれど、「とにかく、お前のところもうつるかも知れないから、勝手に殺すぞ」と言って、それは処分するというわけにはいかないと思います。まあ、法律でも変えれば別ですけれども・・・(省略)・・・」

6月に新任となった山田農林水産大臣の会見である。

「患畜、疑似患畜は、あと5千頭ぐらいまでになりました。20日までに、全て殺処分終わる予定だったのですが、今日、閣議でも、20日までにできなかったことは申し上げておきましたが、それでも昨日は、9千頭、雨の中でも、埋却処分できまして、かなりのピッチで進んでおります。で、ワクチン接種の家畜は、3万9千ぐらいかな、今残っておりますが、合わせて4万4千ぐらいですか、そこまでに減ってまいりましたので、7月の上旬までには、全て埋却を終わりたいと申しておりましたが、もっと早く、ワクチン接種(家畜)も含めて終わるかも知れません。・・・(省略)・・・」

ざくっと、大臣の定例会見の一部を抜粋してみた。

いつから人間は他の種の生命をコントロール出来るようになったのであろうか?

おためごかしの動物保護団体のようなことを言うわけではない。

弊社にも年間に数件、”動物実験”に関する問い合わせがある。

それも、ほとんどが申し合わせたかが如く、以下のように同じ内容である。

『まず、貴社の製品を拝見し購入しようか迷い、購入にあたり気になる点があったので質問させて下さい。貴社で『動物実験』をしているかどうか?人や地球に優しい製品が多いですが、まだまだ、動物に優しい製品が少なく、選ぶのに大変苦労をしています。私が商品を購入するにあたり、一番気にしているのが、「動物実験をしているか、していないか」です。「動物実験をしていない」製品を購入したいので以下の質問に答えてくださいますようお願いいたします。』

1) 動物実験を行なっていないかどうか、または他機関へ委託していないかどうか

2) 製品の製造を委託している会社が動物実験を行なっていないかどうか

3) 原料を供給しているメーカーが貴社の製品原料について”現在”動物実験を行っていないかどうか

4) グループ会社が動物実験を行なっていないかどうか、他機関に委託していないかどうか

5) アレルギーテストはどのようにおこなっているのか

そして、お決まりのように、貴社の回答は、自身のブログで公開するので、是非、回答して欲しいというある種の脅しである。

私は、彼らにはあえて回答する気もない。

“木を見て森を見ず”

ただ、国の農業を担うトップである大臣であるから、病気の蔓延阻止を訴えたいのが解らないでもないが、生き物を生き物と見ていないような発言には違和感がある。

子供達は、大人の言動を見て、聞いて、生命の大切さを知るのではないだろうか?

鳥インフルエンザの時は殺処分をテレビやネットでは見ることが可能だった。

今度は、鶏舎でのブロイラーの飼育法とは違い、牛や豚と大きいから、殺処分方法がリアルすぎて、放送しづらいから放送しない?

では、牛や豚の方が鳥より命が重いのだろうか?

人より彼らの方が、命が軽いのだろうか?

我々は、多くの生命の犠牲の上に、命を繋がせてもらっている。

先ほど、例に出した動物保護の彼らにも言えることだが、動物の方が植物より種として上なのだろうか?

菜食主義者が菜食主義を主張するのは自由だが、菜食主義者も植物の生の上に命を繋がせてもらっているのである。

バクテリア、植物、動物は全て、食物連鎖という形で、命を繋げあっているのである。

鳥インフルエンザの防御法、鳥インフルエンザの対処法、口蹄疫の防御法、口蹄疫の対処法が皆無なら仕方がない。

もしかしたら、ここに回答があるかもしれない。

非常に残念である。