「真実の口」221 その住宅で大丈夫?⑳

今回は、帯電防止について寄稿する。

帯電とは、物体が電気を帯びる現象である。

別の物体から電子を奪った場合には負に帯電し、逆の場合は正に帯電する。

帯電には、主に次の4種類がある。

接触帯電・・・二つの物体が接触したときに、接触面をはさんで一方の物体からもう一方の物体へと電子が移動することで起こる帯電。

摩擦帯電・・・二つの物体が擦りあうことで起こる帯電。

剥離帯電・・・二つの接触している物体を、引き剥がすときに起こる帯電。

衝突帯電・・・二つの物体がぶつかったときに起こる帯電。

子供の頃、下敷きを脇の下で擦って、髪の毛を立たせて遊んだ記憶がないだろうか?

あれなどが摩擦帯電である。

その他、セーターを脱ごうとしたとたん「チクッ!」としたり、車のドアを開けようとした時に「バチッ!」と来るのも帯電しているから起こる現象である。

我々の日常のあらゆるところで摩擦は起きている。

・・・というか、摩擦が無いと、我々は物を持つ事も、歩く事も、食べる事も、なにも出来なくなってしまう。

我々は、何気なく物を持っているが、物と指紋による摩擦で持っているのである。

また、歩くときに、地面との摩擦で歩いているとか考えて、歩いている人はいないと思うが、実際はそういうことである。

元々、この歩くという行為は、凄い摩擦を生み出している。

歩くことで服は擦れ、空気の流れにより髪の毛同士が擦れ合い、帯電していく。

では、家の中を見てみよう。

帯電するとどんな現象が起きるだろう?

テレビの画面を指で擦ってみると、指が黒くなってしまう。

これも帯電の影響である。

レンジフードの周りが油でベトベトしている。

これも同じである。

喫煙家の方の家の壁が黄色いのも、ヤニが壁に引き寄せられて起こる現象である。

ところで静電気に悩まされるのは、いつの時期だろう?

そう・・・乾燥した冬である。

帯電は湿度と密接に関係している。

湿度が低い環境では、物体に静電気が滞留しやすく、湿度が高い環境では、物体に静電気が滞留しにくくなる。

これは、湿度が上がると、物体表面の吸着水分量が増えるため、表面の電気伝導性が増え、電荷漏洩の速度が速くなるからである。

優しく言えば、湿度が高いと、物の表面に水分がたくさんつくため、電気を通しやすくなり、静電気を溜め込まなくなるということである。

抗酸化工法と似たような謳い文句で、○○工法だの××工法だのと様々な工法を展開しているようだが、それらの工法の説明を見ると、ほとんどが壁から目に見えないマイナスイオンが発生しているため帯電しないだの・・・、有害化学物質を分解しているだの・・・、と言っているようだが、残念ながらそんな物ではない。

抗酸化の“コ”の字も理解できていないから、ユーザーを煙に巻いて誤魔化しているだけに過ぎない。

ここまで書けば、何故、抗酸化工法には、帯電防止効果があるのかはお分かりだと思う。

もし、解らない方は、省エネの項を読んでいただければご理解いただけると思う。