「真実の口」23 シックハウス症候群・・・

本日(2/20)、北里研究所病院のクリーンルームが廃止になった。

当該病院は、シックハウス症候群や化学物質過敏症が、それほど認知されていなかった’99年の5月に、クリーンルームを備えた化学物質過敏症外来をオープンした。

クリーンルームとは?

化学物質を出さない特殊な建材を使用し、高性能空気清浄機で化学物質を極めて少ない状態にした部屋で、シックハウス症候群や化学物質過敏症の重症患者を診察するための部屋であった。

今でも、シックハウス症候群や化学物質過敏症の患者に対して、医療機関が理解のある対応をしているかと言えば決してそうではない。

患者は、医者に必死に訴えても、理解してもらえない。

挙げ句の果てには、患者自身、自分がおかしいのだと死を選択する人もいる。

ましてや、今から10年前なら尚更のことである。

一般的にも、医療関係者の中でもそれほどシックハウス症候群や化学物質過敏症という病気が浸透していなかった。

患者らは、国家的援助のある国立病院である北里研究所に研究施設が設置されたことに、一縷の望みを託したに違いない。

謂わば、このシックハウス症候群や化学物質過敏症の治療のパイオニアであった。

国もシックハウス対策として、’03年7月に建築基準法を改正した。

詳しくは、他で調べれば分かるので具体的な記載は省く。

1.クロルピリホスを添加した建材の使用禁止。

2.ホルムアルデヒドを含む内装仕上げ材の使用制限。

3.常時換気が可能な機械換気設備の義務化

4.天井裏などの制限

以上が改正された点である。

では、その後、シックハウスは減っただろうか?

以前から、患者数が100万人、潜在患者は1000万人と言われている。

しかし、病院に行っても病名が確定されないのであるから、このデータもあてにならない。

確実に言えるのは、シックハウス対策法施行後でも、「自分はシックハウス症候群である」「化学物質過敏症である」と意識して、抗酸化工法で何とかして欲しいという数が、比較にならない程増えている。

つまり、患者数・潜在患者数ともに、全く減っていないというのが現状であろう。

北里研究所病院は、クリーンルームの廃止について、「一定の使命を果たし終えたと私たちは認識」というコメントを出している。

患者は、北里研究所病院に対して、シックハウス症候群や化学物質過敏症の知名度を上げて欲しかったのではない。

病気の治療法を見つけて欲しかったはずである。

当該病院は、「診療形態は変更されますが、院内の別の部屋において診療は継続されます」とは言ってはいるものの、明らかに解決策を見いだせなかったということである。

その他にも、現在、9つあったシックハウス症候群や化学物質過敏症の専門外来は、当該病院を含めて3つが休診・縮小を決定している。

国もシックハウス対策法施行後も患者が増えているということが分かっているのであれば、このような研究機関に資金援助をすべきである。

パイオニアの撤退は、シックハウス症候群や化学物質過敏症治療法研究の後退を意味する。

残念でならない。

・・・と、表面的には思う。m(_ _)m

我々にすれば、化学物質の除去法が分かっていないのだから、無理もないと思っている。

我々は、一日にどれだけの呼吸をするのだろう?

あるデータでは、体重1kgに対して、0.3立米らしい。

日本人男性の平均的体重は、70kg前後だから21立米ということになるのだろうか?

これに運動すればもっと増えるのだろう。

以前も書いたが、最近、多くの人が飲料水や食物に注意を払う。

しかし、空気に注意を払える人はいない。

この空気は黄色だから注意しよう。

この空気は赤色だから吸うのをやめよう。

この空気は青色だから多く取ろう。

・・・無理な話である。

当然、目の前にある空気を吸うしかない。

その中には、乳酸菌とかのバクテリアもいれば、化学物質もある。

呼吸で入った化学物質の怖さは、食べ物飲み物で入った化学物質の比ではない。

食べ物は腎臓で解毒を行われるが、呼吸で取り入れた物は、ダイレクトに肺に回り、肺から血液に乗せられて、全身に運ばれる。

そして、化学物質は脂肪に溶け込みやすい性質を持っている。

どんな人間でも、多かれ少なかれ内臓脂肪はついている。

そこに化学物質が溶け込むのである。

果たして内臓の機能は正常に動くのか???

そして、最も怖いのは、人間の体の中で、一番脂肪に似ているのは、脳ということである。

化学物質に冒された脳は通常の指令を出しづらくなる。

非常につらいことであると思うが、自分の言っていることが支離滅裂になることもあるようだ。

医者の前で、自分の症状を必死に訴えても、それが化学物質が原因とは取ってくれないのはこんなことも原因なのだろうか?

そして、残念だが、この化学物質は、どんな医療行為を行おうと体外に排出することは困難である。

抗酸化工法や環境回復サロンによって、酸化の鎖を解き放つしか解決策はない。

ひとつ、化学物質過敏症の方に言いたい。

恐れをなさずに言えば、化学物質過敏症の方は、頑なに、私たちは特別な病気であると殻に閉じこもる嫌いがあるようだ。

我々は一つの解決策を提示している。

化学物質過敏症の方たちの理想の百を実現できるかどうかは分からないが、少なくとも今よりは化学物質の少ない環境を提供できる自信はある。

少しずつでも一緒に解決できることがあればと思う。

これは、現在、シックハウス症候群や化学物質過敏症でない方にも言える。

目の前にある”空気を” ”水を” 薬に変えなければ、いつ自分がシックハウス症候群や化学物質過敏症にかかるか分からないのである。

国は決して何もしてくれない。

医療機関も何もしてくれないようである。

答えを出すのはあなた自身である。