「真実の口」383 三度目の被災地入り⑱

前回の続き・・・。

4日目・・・。

午後の14:45の便で大阪に帰ることになっている。

前夜、石巻市で辿り着けなかった有限会社暁星工業をネット検索するのだが、該当するようなものにヒットしなかった。

しかし、どうしても心に引っかかる・・・。

福島市から石巻市まで、距離145km程度、時間にしたら2時間強・・・。

仙台空港を通り過ぎた所に位置する。

石巻市から仙台空港までが、距離60km程度、時間にした1時間強戻ることになる・・・。

なんとか、石巻市まで行き、引き返すことが可能だろうと、朝7時半に、ホテルをチェックアウトして、石巻市に向かった。

仙台までは、早かったのだが、その先の高速道路は片側1車線のため、思ったように速度を上げることが出来ない・・・。

結局、石巻市に着いたのは、10時半を越えていた・・・。

被害の大きかった湾岸部へと車を走らせる。

港湾には、いくつもの堆く積まれた瓦礫の山が、見渡す限り続いている・・・。

石巻市② 石巻市③

手付かずのままの港湾施設・・・。

石巻市④

廃車の山・・・。

石巻市⑤

粉塵が舞う建材(?)の山・・・。

石巻市⑥

瓦礫の山の高さを理解していただくために、あえて、信号を写してみた。

対岸にも、山、山、山・・・。

石巻市⑦

右端に写るショベルカーと比較すれば、その瓦礫の量も想像が付くと思う・・・。

港湾一帯が瓦礫処理場となり、トータルの量となると、いったいどうやって処理するのかと思ってしまう。

当ブログで取り上げた有限会社暁星工業に隣接した瓦礫処理場を取り上げるまでもなく、あちこちに瓦礫の山があった。

因みに、石巻市の瓦礫処理状況は・・・。

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2012/5/7時点の震災瓦礫処理状況(※環境省公表資料より)

瓦礫推計量:616万3千トン
※ うち建物解体に伴う瓦礫発生推計量:470万トン

解体を除いた瓦礫推計量に対する撤去率:100%
解体を含んだ瓦礫推計量に対する撤去率:50%
※ 撤去は仮置き場への搬入のこと。

処理・処分量:120万9千トン
処理・処分割合:19.6%
※ 破砕・選別等により有価売却、原燃料利用、焼却やセメント焼成、埋立処分等により処理・処分された量。

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私が、1ヶ月近くかけて、東北の現状を報告している間に、2012/4/9時点から2012/5/7時点の新しい処理状況になったようだ・・・。

因みに、一月でどれくらい処理できたか、私が取り上げた地域だけで比較してみよう。

大槌町・・・0.5%→2.8%
釜石市・・・2.5%→3.0%
大船渡市・・・35.3%→37.3%
陸前高田市・・・10.4%→11.7%
気仙沼市・・・1.9%→1.9%
南三陸町・・・1.8%→2.2%
亘理町・・・1.1%→2.5%
相馬市・・・6.5%→6.5%
南相馬市・・・0.7%→1.1%

1%以上の処理が進んだ地域だけ赤字にしてみたのだが、この数字の伸び率を考えると、何年かかるのかさえ想像もできない・・・。

これらのソース元は以下にある。

2012/4/9時点の震災瓦礫処理状況
2012/5/7時点の震災瓦礫処理状況

3県ぞれぞれの2012/5/7時点の震災瓦礫処理状況は・・・。

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《岩手県》

瓦礫推計量:476万6千トン
※ うち建物解体に伴う瓦礫発生推計量:90万トン

解体を除いた瓦礫推計量に対する撤去率:100%
解体を含んだ瓦礫推計量に対する撤去率:88%
※ 撤去は仮置き場への搬入のこと。

処理・処分量:55万9千トン
処理・処分割合:11.7%
※ 破砕・選別等により有価売却、原燃料利用、焼却やセメント焼成、埋立処分等により処理・処分された量。

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《宮城県》

瓦礫推計量:1573万4千トン
※ うち建物解体に伴う瓦礫発生推計量:841万5千トン

解体を除いた瓦礫推計量に対する撤去率:99%
解体を含んだ瓦礫推計量に対する撤去率:74%
※ 撤去は仮置き場への搬入のこと。

処理・処分量:203万4千トン
処理・処分割合:12.9%
※ 破砕・選別等により有価売却、原燃料利用、焼却やセメント焼成、埋立処分等により処理・処分された量。

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《福島県》

瓦礫推計量:201万1千トン
※ うち建物解体に伴う瓦礫発生推計量:63万3千トン

解体を除いた瓦礫推計量に対する撤去率:71%
解体を含んだ瓦礫推計量に対する撤去率:71%
※ 撤去は仮置き場への搬入のこと。

処理・処分量:17万2千トン
処理・処分割合:8.5%
※ 破砕・選別等により有価売却、原燃料利用、焼却やセメント焼成、埋立処分等により処理・処分された量。

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データの引用が多かったため、少し長くなったので、次のリンクを紹介して、今回の寄稿は終わりにする。

現地からの声~岩手県・宮城県のガレキのいまを、 現地の声で伝えます~

次回へ・・・。