「真実の口」384 三度目の被災地入り⑲

前回の続き・・・。

瓦礫の山が続いている石巻港から、石巻漁港へ北上していると、こんな光景を目にすることが出来た。

ひとつの希望かも知れないのだが、たくさんの木材が・・・。

石巻市⑧ 石巻市⑨

今回、岩手、宮城、福島と回る途中で、山間部での木材の切り出し作業を行っている所や、木材が積まれている材木屋(?)をいくつか目にしてきた。

車を停めることが出来なかったので、一箇所しか撮影できなかったのだが・・・。

南相馬市の材木置き場① 南相馬市の材木置き場②

これは、南相馬市の材木置き場である。

これだけの木材がすぐに流通できて、家屋が建てられる状況であれば、それに超したことはない・・・。

しかし、私が目にしてきた光景は、とても新しく家を建てられるような環境にはなっていなかった。

環境とは、立地面だけだはなく、金銭面、心理面、行政面、etc・・・、色んな事を含んでのことである。

海岸から離れ、市街地へと車を向けてみた。

津波の被害を受けたままの本堂と墓・・・。

西光寺

更に、しばらく車を走らせると、 ? と思う光景が目に飛び込んできた。

門脇小学校

津波にしても、何故、こんなに黒いのだろうか?

帰阪してして調べたのだが、門脇小学校らしい・・・。

実際の津波の被害は、1階部分の約2mが浸水した程度だったらしいのだが、火災の延焼により全焼してしまったらしい・・・。

門脇小学校は、海岸線から直線距離で、約800mのところに位置するのだが、すぐ、その後ろは丘陵地帯になっており、全く被害を受けていない。

画像の右の方の少し大きい建物は、石巻市立女子校である。

高台にあるか平地にあるかで、明暗を分けてしまった・・・。

門脇小学校の近くに車を停めて、市中を見て回っていたら、また、異様な光景を目にした。

気仙沼市の第18共徳丸の時と同じ光景である。

マイクロバスが停まり、門脇小学校を前に記念撮影しているのである。

それも、大声で話をし、笑い合いながら・・・。

門脇小学校の生徒は、今も、高台にあって被害の無かった門脇中学校に、間借りをして、学校生活を送っている。

また、この門脇小学校近辺は、石巻市震災復興基本計画で、シンボル公園の設置が計画され、従来の門脇小学校区の多くが非可住区域となることから、現在ある門脇小学校の復旧はありえない。

そんな現実を知らないのか(?)、単なる無神経なのか(?)、こんな被害の後が残っている場所で、談笑できる神経が理解できない・・・。

怒りを感じながらも、石巻市を後にし、仙台空港へ向かった。

仙台空港の周辺のガソリンスタンドは営業再開されていないため、一つ手前のインターで降りて、ガソリンスタンドを探しながら空港を目指した。

道路脇には、放置されたままの船・・・。

名取市内の撤去できていない船① 名取市内の撤去できていない船②

この道路は、宮城県道10号塩釜亘理線で、塩竈市の国道45号線と亘理郡亘理町の国道6号線とを結ぶ主要地方道である。

東北の玄関口とも言える仙台空港のすぐ側の道路でさえ、船が放置されたままになっているのである・・・。

ようやく見つけたガソリンスタンドで、何故、空港の廻りにガソリンスタンドが無いのか尋ねてみた。

テロ特別措置法及び航空法の関係で、空港周辺に新規のガソリンスタンドの出店が出来ないというのである・・・。

このような状況なのだから、特例を作ればいいと思うのだが・・・。

給油を終えて、レンタカーを返しに行った。

プリウス②

全走行距離、1,165.9km・・・。

ぬかるみにはまった際に、フロント部分のアンダーカバーが外れたらしいのだが、事なきを得て、車を返却し、大阪へ・・・。