「真実の口」516 訪中記(2013年3月)・・・③

前回の続き・・・。

上海市街地に着いた我々は、まず店舗を見て、その後に事務所で打ち合わせをする段取りだった。

店舗を見ている際に、先方の社長から、「事務所近くの川が汚いのだが、きれいに出来ないだろうか?」という相談があった。

私は、取りあえず、「川を見てみないと何とも言えないが、水の浄化の実績はありますよ。」と回答していた。

事務所に移動し、実際に見た川がこれである。

汚川

水の流れが無い上に、全く、川底が見えない・・・。

私は、案内してくれた専務に尋ねてみた。

私:「この川は、家庭の排水や企業等の汚水も流れているのですか?」

専務:「以前は、排水されていましたが、余りにも川が汚く、悪臭がするという理由で、今は、流されていません。」

私:「逆に、現在も排水されているのであれば、全上海市民が協力してくれれば、方法があるかもしれないんですけどね~。」

専:「何か対策は無いですかね~?」

私:「これだけの川になると、ここだけを浄化しようと思っても無理がありますね~。」

専:「やっぱり、そうですか~?」

私:「上流から手を打つしかないでしょうね~。」

水質浄化のデータは、HPでも見られるので参考にしてほしい。

事務所に入ると、日本でお会いした会長、社長が出迎えてくれた。

挨拶もそこそこに、今後のビジネスの展開について、話し合った。

まず、商品のOEMは可能か?

答えは、No!

次に、パッケージのデザインを中国に受けるようなデザインにしたいのだが可能か?

答えは、No!

先方は、これかの中国での市場展開を熱く語り、我々とビジネスをした方が如何に得かと言うことを熱く語る。

しかし、私の方から、環境回復サロンや抗酸化溶液活用製品を広めてくれとお願いに上がったわけでも何でもない。

今の中国には、抗酸化溶液が必要であろうから、協力してあげようというスタンスなのである。

一時間以上に渡り、話は平行線を辿っていた。

先方は、日本の他の会社のものを採用することも出来るというような強行姿勢を取り始める。

私は、「ドーゾ。ドーゾ。」と言うのだが、そういう風に答えると、また、中国市場の大きさを語りだす始末である。

私は、「あなた方がそれを採用した後に、本当の抗酸化が中国に広まりだした時に、困るのは貴方達ですよ。」と教えてあげた。

しかし、それでも、一向に強気な姿勢を崩さない。

かなり、険悪になりかけたので、ここの会社を紹介してくれた日本の企業のために、一つの妥協案を提案した。

私:「あなたたちが企業イメージを大切にするように、我々も商品のイメージを大切にしている。まず、あなた達が言うデザインを、私に見せてください。それが、私のイメージに合えば、そこから、また、考えましょう・・・。」

会長:「弊社のロゴマークを前面に打ち出して良いでしょうか?」

声:「おいおい・・・。一つ譲歩したら、どこまで・・・。」

私:「あくまでASKがメインです。ASKのロゴマークは付けてください。」

会:「ASKは下部で、弊社のロゴマークを上部で良いでしょうか?」

声:「はい~っ???」

呆れて開いた口が塞がらなかった・・・。

私:「あくまでASKの商品です。ASKより貴社ロゴが目立つようであれば、即、却下です。」

会:「判りました。商標登録もしたいのですが・・・。」

私:「商標登録は、既に、弊社で段取りをしています。」

会:「・・・。」

こんなやりとりを延々3時間続けたのである。

私は、かつての日本のバブル華やかなりし頃のビジネススタイルを思い出していた。

次回へ・・・。