「真実の口」696 食の安全に関する再考⑳

前回の続き・・・。

今回は、日本の食品輸入に関する取り組みを見てみよう!

少し古くなるが、農林水産省では、『輸入野菜の安全管理【中国・タイ編】』という形で国としての取り組み方を公開している・・・。

写真やグラフ付きなので、暇があったら、見るのも一興だと思う・・・。

ただ、農林水産省管轄の農林水産政策研究所・国際領域上席主任研究官である河原昌一郎氏が以下のようなレポートをまとめている・・・….〆(・ω・。)

『中国の食品安全問題-食品安全に関する中国の現状と取組-』

レポートの中には、2011年に調査した食品安全に対する中国都市住民の意識という表があるのだが、実に、71%の中国国民が、自国で生産された食品に対して信頼感または安心感を抱くことができないというのだから、驚くと言うより、呆れてしまう・・・( ´Д`)=3 ハァーッ

また、2011 年9 月22 日Record Chinaによるものだが、「中国では特権階級向けに独自の有機栽培農園が存在する」というのだが、それさえも致し方ないとするのだから、更に、呆れてしまう・・・(;´ρ`) グッタリ

因みに、中国では、食品安全法が制定されたのは、2009年である・・・。

日本の食品安全基本法に相当する法律だが、日本でも、様々な食品偽装・産地偽装等があったにも関わらず、食品安全基本法が制定されたのは、これから遡ること、わずか6年の2003年である・・・(〃゜△゜〃)えっ!

レポート内では、中国当局の厳しい管理体制が述べられる一方で、「中国では、共産党の指導下で、政府と食品企業が一体となっていることが多く、食品企業への批判がそのまま政府への批判と見られることがあるため、消費者による食品企業の監視が適切に行われていない。地方での有力な食品企業は、地方政府の産業政策の一環として運営され、食品企業のトップが地方政府から派遣されることとなっていることも少なくない。このため,食品企業にとって不利になるような言論は、往々にして政府からの制限を受けることとなる。中国では国民に言論の自由が与えられておらず、結果として、消費者には政府・食品企業を批判するという自由が与えられていないのである。」と書かれている。

これら中国という国の体制が、モラルの低下を招き、食品の安全性がおろそかになる危険性を指摘している。

まとめとして・・・。

1.中国から輸入する食品については、少なくとも、生産過程について適正な管理がなされ、生産履歴についての透明性が確保されたものであることが必要である。

2.我が国の食品安全を確保する上で、食品の輸入業者の責任は重大と言わざるを得ない。

3.食品安全上の問題がない食品を輸入することを確保するためには、消費者である国民が食品安全意識を高く持って、中国から輸入した食品の店頭でのチェックを行う等、輸入業者を監視しなければならない。

「食品については、価格の安さや量的な充足よりも、国民の健康が優先することは言うまでもないところであり、日本人の食の安全は、日本人が守るほかはないのである。」

最後は、要約してみたが、妙に納得してしまった・・・(゚ー゚)ナットク!

しかしである・・・。

『公益財団法人 食の安全・安心財団』という団体をご存知だろうか・・・?

HPには、何やら・・・。

「BSEや食中毒など食品の安全性に関する問題や、食をめぐる偽装表示などが相次ぎ、企業にはコンプライアンスの向上と消費者からの信頼確保が、強く求められています。食に対する消費者の信頼を確保するためには、食に関係する生産者、加工業者、流通業者、外食業者、消費者等のステークホルダー(利害関係者)をはじめ、行政機関、研究者、メディアが連携し、関係当事者がすべて「一つのプラットフォーム」の上に立ち、「食の安全を守る」という目的を共有して、お互いに信頼関係をもとに協力する新たなフィールドを設ける必要があります。」という最もらしい、コメントがあり・・・。

1.食の安全の向上及び食に対する社会の信頼の確保に関する専門的な知識と技術を有する人材の養成及び確保のための教育研修

2.食の安全の向上及び食に対する社会の信頼の確保に関する調査研究

3.食の安全の向上及び食に対する社会の信頼の確保に関する情報の収集、分析及び提供

4.食の安全性に関するリスクコミュニケーションの実施及びそのための研修等の開催

5.その他財団の目的を達成するために必要な事業

これらを目的に活動しているらしいのだが、この財団が以下のようなレポートを発表している・・・。

http://anan-zaidan.or.jp/pages/china10.pdf

『輸入食品、特に中国から輸入される食品は危険という一部記事について、実態を知りたいとの問い合わせが多くなっています。危険という意味が、我が国に輸入される食品の食品衛生法に違反する衛生上の問題であるとするならば、公的な公表資料には、輸入品、特に中国から輸入されている食品が危険とするデータはありません。』

・・・と、意外なことを謳っている。

ゥ─σ(・´ω・`*)─ン…

更に、レポート内で協調するためか、アンダーラインが引かれている文章をピックアップする・・・

中国の違反率は他国と比較して低いのが現状です。

中国からの輸入される食品は厳しい監視が行われていることが伺えます。

国産食品と比べて輸入食品の違反率が高いということはありません。

これが、本当なら安心だ・・・(´、ゝ`) フッ

次回へ・・・。