「真実の口」710 食の安全に関する再考33

前回の続き・・・。

前回、モンサント社の除草剤について寄稿した。

本来、除草剤は、生産者の草取りという労力を軽減させるため、不要な植物(雑草)を枯らすために用いられる農薬である。

前回も書いたが、モンサント社のラウンドアップは、ありとあらゆる植物に適応する非選択性除草剤の上、効果も強力であったため、作物自体も枯らしてしまうと言う難点があった・・。

日本のように小規模農業が中心であれば、まだ、対応が出来るのかも知れないが、欧米のような大規模農業になると、作物を避けて、雑草のみに散布するというのは、至難の技である・・・(゜_゜)(。_。)ウンウン

前回、1975年、モンサント社が、遺伝子組み換え技術の研究開発に着手したということも書いた。

これがキーポイントである。

モンサント社がラウンドアップを売り出してから、5年後のことである・・・…((φ(。・c_,・。)φ))…フムフム

モンサント社の出した答は、ありとあらゆる植物を枯らす除草剤を作っているのであれば、その除草剤に対して耐性を持った枯れない遺伝子組み換え作物を作り出せば良いということだった・・・w( ̄△ ̄;)wおおっ!

そして、研究に研究を重ね、1996年、除草剤耐性大豆ラウンドアップ・レディーが商業栽培されるようになる・・・(  ̄ノ∇ ̄) ̄ー ̄)ヒソヒソ

現在、この除草剤耐性大豆ラウンドアップ・レディーは、アメリカの大豆栽培面積の9割強を占めている・・・ヽ((◎д◎ ))ゝ
ひょえぇ~

ラウンドアップがどれ位強力で、それに耐性を持つラウンドアップ・レディーが如何に凄いかは、その散布の頻度を見ると判る・・・

春先、ラウンドアップ・レディーを蒔き、一回目のラウンドアップを撒布、その6~7週間後に、二回目のラウンドアップ撒布を行えば、全く雑草が生えないというのである・・・( ̄□ ̄;)!!

労力を省きたい農家は、一も二もなく飛びついていく・・・ヾ(@⌒▽⌒@)ノワーイ!

そして、このラウンドアップとラウンドアップ・レディーを積極推奨しているのが、アメリカ大豆協会なのだから、致し方がない・・・┐( -_-)┌ ヤレヤレ

そして、モンサント社は、2011年の総売上高が118億2200万ドルという巨大企業に成長し、更に、拡大を続けている・・・。

モンサント社に関しては、色んなところで書かれているようだが、2008年に公開されたロバート・ケナー監督の『フード・インク』、マリー=モニク・ロバン監督『モンサントの不自然な食べもの』を見ると、実に、面白いほど恐ろしく表現されている・・・。

DVDも販売されているので、是非、見て欲しいと思う・・・。

Food, Inc Le Monde selon Monsanto

DVDで紹介された内容を、少しだけピックアップして紹介しよう・・・!

1901年、セントルイスにてモンサント社が設立。

ベトナム戦争で使われた枯葉剤の製造メーカーであり、1980年代に発ガン性があるということで、製造・販売の禁止されたPCBの製造メーカーでもある。

アラバマ州アニストンに於いて、数十年にわたってPCBの地中埋め込みや、PCBを含む廃液の河川への放流を行ったことを隠蔽し、2001年に20,000人の住人から訴訟を起され、被害者への損害賠償、汚染地域浄化、専門病院建設への7億ドルを支払い和解。

ここまで、見ただけでも、凄い会社だなあと思うのだが、もっと凄い・・・( ̄へ ̄|||) ウーム

1994年、POSILACという商品名の牛の成長ホルモン剤を販売し始める・・・(@・Д・@)??

本来、成長ホルモンは、脳の下側にある下垂体と呼ぶ小さな器官から分泌され、ごく少量で有効な生理活性物質なのだが、当然、天然由来のものを大量には入手するのは不可能である。

そこで、モンサント社は、バイオテクノロジーを用いて人口的に作ったものがrBGHと言う物を作り出したのである・・・。

rは組換え技術(recombinant)のr、Bは牛(bovine)、GHは成長ホルモン(Growth Hormone)から来ている。

このrBGHを乳牛に注射すると乳量が20%増えると言うのだから驚きである・・・w( ̄△ ̄;)wおおっ!

当然、酪農家は飛びつく・・・ヾ(@⌒▽⌒@)ノワーイ!

もちろん、これが安全な物であればの話しなのだが・・・ゥ─σ(・´ω・`*)─ン…

FDAに認可申請した書類に改ざんがあったり、データが盗まれたりと、何やら不穏な動きが水面下であった上の販売だったようである・・・。

その後の調査で、rBGH投与で乳腺炎発症率が高まり、牛乳の中に膿みや治療用に投与された抗生物質の混入などが発見されてしまう・・・ヾ(0д0∥)ノ

1998年には、モンサント社の贈賄容疑が発覚し、カナダ及びヨーロッパではrBGHは認可されることは無かった。

結局、消費者の拒絶で売上げが伸びず、2008年には、この部門を売却して撤退するものの、製品自体はアメリカで、現在も使われているらしい・・・ヘ(-′д`-)ゝヤレヤレ..

次回へ・・・。