「真実の口」929 介護・・・6

前回の続き・・・。

前回の寄稿で、介護認定について触れた。

しかし、具体的には、知らないという人がほとんどではないだろうか?

平成12年4月、介護保険制度がスタートした。

居住地の市区町村が制度を運営している。

我々は、40歳になると、被保険者として自動的に介護保険に加入する仕組みになっている。

介護保険料を毎月支払うこととなっている。

要は、毎月、給与天引きされているというわけだが、この保険料が、介護保険サービスを運営していくための必要な財源になっている。

介護保険料は、標準報酬月額×介護保険料率で計算される。

健康保険協会の平成27年4月分以降の介護保険料率は1.58%に変更されたので、例えば、標準報酬月額が30万円の場合、1カ月当たりの介護保険料は、4,740円(30万円×1.58%)となる。

自分がどれだけ徴収されているか計算してみると良いと思う。

介護保険サービスの対象者は、以下のようになっている。

①65歳以上の人(第1号被保険者)
②40~64歳までの医療保険に加入している人(第2号被保険者)

では、介護保険のサービスを利用できる人は・・・。

65歳以上の人(第1号被保険者)
→寝たきりや認知症などにより、介護を必要とする状態(要介護状態)になったり、家事や身じたく等、日常生活に支援が必要な状態(要支援状態)になった場合。

40歳~64歳までの人(第2号被保険者)
→初老期の認知症、脳血管疾患など老化が原因とされる病気(※特定疾病)により、要介護状態や要支援状態になった場合。

特定疾病とは、心身の病的加齢現象との医学的関係があると考えられる疾病で以下の16疾病が対象となる。

1.がん【がん末期】
(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)
2.関節リウマチ
3.筋萎縮性側索硬化症
4.後縦靱帯骨化症
5.骨折を伴う骨粗鬆症
6.初老期における認知症
7.進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病【パーキンソン病関連疾患】
8.脊髄小脳変性症
9.脊柱管狭窄症
10.早老症
11.多系統萎縮症
12.糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
13.脳血管疾患
14.閉塞性動脈硬化症
15.慢性閉塞性肺疾患
16.両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

そして、介護保険により、介護給付や予防給付のサービスを利用するには要介護(要支援)認定を受ける必要がある。

実際の流れとしては・・・。

①要介護認定の申請

②認定調査・主治医意見書
・市区町村等の調査員が自宅や施設等を訪問して、心身の状態を確認するための認定調査を行う。
・主治医意見書は、市区町村が主治医に依頼、もし、主治医がいない場合は、市区町村の指定医の診察が必要となる(意見書作成料の自己負担は無い)。

③診査判定
・調査結果及び主治医意見書の一部の項目はコンピューターに入力され、全国一律の判定方法で要介護度の判定が行なわる(一次判定)。
・一次判定の結果と主治医意見書に基づき、介護認定審査会による要介護度の判定が行なわれる(二次判定)。

④認定
・市区町村は、介護認定審査会の判定結果にもとづき要介護認定を行ない、申請者に結果を通知を行う。
・申請から認定の通知までは原則30日以内となっている。
・認定は要支援1・2から要介護1~5までの7段階および非該当に分かれている。

実際に、介護(介護予防)サービスを利用する場合は、介護(介護予防)サービス計画書(ケアプラン)の作成が必要となる。

「要支援1」、「要支援2」の介護予防サービス計画書は、地域包括支援センターに相談し、「要介護1」以上の介護サービス計画書は、介護支援専門員(ケアマネジャー)のいる、県知事の指定を受けた居宅介護支援事業者(ケアプラン作成事業者)へ依頼することになる。

依頼を受けた介護支援専門員(ケアマネジャー)は、どのサービスをどう利用するか、本人や家族の希望、心身の状態を充分考慮して、介護サービス計画書を作成し、ようやく、サービスの開始となる。

次回へ・・・。