前回の続き・・・。
第 7 波に入り、再三再四、重症化率は低くても、軽症から急変して亡くなる人が増えるということを口にしてきた。
確かに、第 5 波、第 6 波に比べると重症者の増加ペースは遅い。
グラフで見てみると・・・。
【第 5 波・重症者推移】
【第 6 波・重症者推移】
【第 7 波・重症者推移】
第 5 波から第 7 波を比較すれば、重症者数の増加ペースと数の多さの違いが、一目瞭然である!
次に、死者の推移を見てみよう。
【第 5 波・死者推移】
【第 6 波・死者推移】
【第 7 波・死者推移】
第 5 波では、死者数が 100 人を超えたことが無く、最多は 9 月 8 日の 89 人で第 5 波の入り口を 6 月 中旬と考えると 3 ヶ月半かかっている。
第 6 波では、死者数が 2 月 4 日に 100 人を超え、第 6 波の入り口を 12 月中旬と考えると 2 ヶ月弱、 2 月 15 日に 200 人を超え最多は 2 月 22 日の 322 人で、2 ヶ月強かかっている。
第 6 波では、死者数が 7 月 26 日に 100 人を超え、第 7 波の入り口を 7 月上旬と考えると 1 ヶ月弱、 8 月 5 日に 200 人を超え、8 月 9 日には 278 人の死亡例が報告され、僅か 1 ヶ月強で死亡例が増加しているのが分かる。
テレビ朝日の報道ステーション内で、埼玉医科大学総合医療センター・岡秀昭教授は以下のように語っている。
「今は持病が悪くなる。例えば食事が取れなくなって、水も飲めなくなって、腎臓が働かなくなる。肺炎がなくても、軽症の状態で、そのまま亡くなってしまう。今回の第 7 波に関しては、重症に該当した方は全員救命できている。死亡者は軽症・中等症から出ていて、重症からは出ていない。重症者の数で医療現場を判断されると、手遅れになってしまう。定義自体を変えて、今ワクチン接種が進んだ状態で、医療現場にどういう方が入院し、医療負荷をかけているのかを評価した、新しい分類で重症者数をカウントしなければ分からない。」
国の基準では、人工呼吸器や ECMO を使用しているか、 ICU などで治療している患者を“重症者”と定義している。
実は、一般的には知られていないようだが、第 6 波でも、都市部では、重症化率より致死率の方が高かったのである。
重症化せずに死へと向かう“ BA.5 ”、次なる敵は、“ BA.2.75 ”なのか?
果たして、新たな変異種なのか?
前週前半の感染動向をリンクで報告する。
次回へ・・・。