「真実の口」136 風が吹けば桶屋が儲かる②

6月24日、有明海で赤潮の原因となるプランクトン「シャットネラ・アンティーカ」が大量発生し、赤潮警報が発令された。

翌25日、八代海でも赤潮警報が発令された。

この赤潮により、熊本県では約108万匹、15億9500万円の被害総額、鹿児島県では、170万3000匹、被害総額36億8千万円、長崎は公表されていないようだが、三県で56億円以上の漁業被害が出たようである。

この被害は平成に入り、過去最大の漁業被害と言われた昨年を上回る。

八代海は8月9日に警報が解除されたが、有明海は継続して警戒中である。

鹿児島、熊本、長崎の三県知事は、11日、農林水産省を訪れ、国に対し、激甚災害指定などによる財政支援を要望した。

また、蒲島郁夫熊本知事は、国への施策要望でも、赤潮の原因究明や対策技術の開発などを要望している。

赤潮の原因って何だろう?

赤潮の主な原因として一般的に言われているのが、水の富栄養化である。

この一因としては、合成洗剤に含まれているリン酸塩があげられる。

合成洗剤が原因なのであれば、洗剤を抗酸化溶液活用製品えみなシリーズに変えるだけで解決である。

果たして、それだけだろうか?

最近では、護岸工事による干潟の減少もその一因にあげられているようになってきた。

干潟に住むアサリなどの生物は、そこに棲む微生物やプランクトン等を餌として取り込み海洋への栄養塩や有機物の流入を食い止めるという、いわば自然の浄化槽の役割を果たしてきた。

それらの自然のサイクルを破壊してきたからということである。

また、養殖業の発達により、養殖している魚等の排泄物、死骸による塩の過剰供給も指摘されている。

あるいは、当ブログでも指摘したように、養殖業者の過剰な餌も原因になるのだろう。

・・・と、ここまでで終われば、やはり”創造は破壊である”と前回のブログで書いたことのみで終わってしまう。

今年、梅雨前線の影響で九州地方に大雨をもたらしたのは記憶に新しい。

6月17日に九州の南海上にあった梅雨前線は翌18日にかけて九州北部に北上し、その後、19日には九州南部に南下し、23日にかけて停滞した。

この梅雨前線に向かって、暖かく湿った空気が流れ込み、前線の活動が活発化した。

鹿児島県では17日14時頃から激しい雨が降り始めた。

特に19日明け方から朝にかけて薩摩半島や大隅半島では猛烈な雨となり、07時55分には肝付町前田で75.0ミリ、08時07分には南大隅町佐多で116.0ミリの1時間降水量を観測し、共に観測史上1位の記録となった。

その後も鹿児島県内では、22日夜遅くにかけて断続的に非常に激しい雨が降り、17日11時から23日17時までの総降水量は、薩摩川内市八重山で782.5ミリ、鹿屋市輝北で730.0ミリ、鹿屋市吉ケ別府で720.0ミリとなった他、広い範囲で6月の月降水量の平年値を超える大雨となった。

鹿児島県だけを具体的に取り上げたが、九州北部地方では、6月21日から28日の一週間で6月の月間雨量平年値を超えたところもあった。

では、昨年(平成21年)を見てみよう。

この年、7月19日から26日にかけて梅雨前線の活動が活発化し、中国地方や九州北部で記録的な大雨を観測した。

豪雨は、山口県・福岡県・長崎県において1時間に80ミリを超える猛烈な雨となったほか、福岡県と長崎県においては、7月24日、5ヶ所の観測地点で1時間の降水量が100ミリを超える降水量を記録。

福岡市博多区(福岡空港)では19時25分までの1時間に116.0ミリの雨を観測する。

そのほか各地でも1時間・24時間の降水量が各地の観測史上最多となる記録的な大雨となった。

また、7月19日から26日までの8日間に大分県日田市で702ミリの降水量を記録したほか、福岡県と山口県を中心に広い範囲で平年同期比700%以上の降水量となった。

この年の赤潮はこの時期から急激に増えているのである。

次回へ・・・