「真実の口」532 患者よ、がんと闘うな・前編

書籍の紹介ばかりで申し訳ないが、5月6日に取り上げた『医者に殺されない47の心得』が結構面白かったので、著者である近藤誠氏の著書を数冊まとめて買ってみた。

その中で、『患者よ、がんと闘うな』という著書が非常に参考になったので、再度、近藤氏の著書を紹介したいと思う。

患者よ、がんと闘うな

この著書は、1996年3月30日に文藝春秋社より出版され、当時、専門家達から反論があり、「がん論争」が生じ、社会現象にまで発展したらしい・・・。

当時、私は外資系の保険会社で働いており、長女が生まれてすぐくらいの時である。

当然、保険会社で働いていたため、病気のことに関しては、広く浅く知識がある程度で、このような論争があったことも知らなかった。

しかし、この年の暮れには、母が末期がんで入院し、年が明けて1月4日に母は帰らぬ人になった。

奇しくも、母の63回目の誕生日の翌日で、私の兄の誕生日でもある。

当時、私は、神戸で働いていたのだが、阪神淡路大震災の影響で、神戸支社が使えなくなり、大阪の支社に間借りという形で、大阪府吹田市で働いていた。

兄と私は、がんに効果があるという水を手配したり、漢方薬を手配したりと出来る限りのことをした。

私は、毎週末、母が入院している長﨑市内の病院を訪れた。

医師もがん告知し、手の施しがないという理由で抗がん剤とモルヒネを処方するだけだった・・・。

その影響で、死ぬ2週間前くらいからは意識がはっきりせず、親子としての最後の会話もままならなかった。

もし、この時、もっとがん治療に対して、興味を持ち、近藤氏の著書に辿り着いていたら、同じような対応はしなかったと思う。

現在、身内ががんを患っている人、あるいは、知人ががんを患っている人、そして、将来、がんを患うかも知れないあなた、是非、一度、この著書を手にとって読んで欲しい。

今回だけは、各章の紹介とサブタイトルの後に、少しだけ、中味に触れたいと思う。

『患者よ、がんと闘うな』

まえがき

第1章 抗がん剤は効かない
~猛烈な副作用に耐えた千葉敦子さんの「錯覚」とは?~

第2章 抗がん剤は命を縮める
~抗がん剤治療の背景に営利体質と無見識がある。~

第3章 手術偏重に異議あり
~「手術万能神話」を患者に吹き込む外科医師たちの罪。~

第4章 苦しまずに死ぬために
~がん死の恐怖やタブーを煽った医師たちの責任は重い。

第5章 がんを放置したらどうなるか
~医師自身が錯覚している日本のがん手術の実態とは?~

第6章 放射線治療の功と罪
~正しく使われさえすれば、放射線治療の方が手術より遙かに利点が多い。~

第7章 現代に生きる七三二部隊
~治療中の患者に平然と“人体実験”を施す専門家もいる。~

第8章 がん検診を拒否せよ
~「早期発見が有効」という証拠はどこにもない。~

第9章 早期発見理論のまやかし
~医師のいうがんには「本物のがん」と「がんもどき」がある。~

第10章 患者よ、がんと闘うな
~「がんと闘う」という“常識”が過酷な治療と苦しみをもたらした。~

あとがき

如何だろう???

サブタイトルだけでも、結構を気になるのではないだろうか?

次回、著書の中味に触れたいと思う。