前回の続き・・・。
前回、産業関係の被害実態について寄稿した。
今回は、地震による廃棄物及びその処理状況、被災者への住居確保状況を寄稿したい。
【廃棄物関係】(環境省情報:平成 29 年 4 月 12 日現在)
(ア)災害廃棄物
・災害廃棄物の発生推計量195万トン→316 万トンとなる(災害等廃棄物処理事業費補助金の査定に当 たり市町村が推計した災害廃棄物発生量の合計)
・県内各市町村に災害廃棄物の一次仮置場が設置され、災害廃棄物(損壊家屋の解体に伴い発生するものを含む)を搬入・処理中。
・熊本県が 7 市町村から地方自治法に基づく事務委託を受けて、災害廃棄物の処理を実施中。
・木くずや混合廃棄物等の破砕・選別を行う二次仮置場を、熊本県が 1 箇所、熊本市が 5 箇 所設置し、災害廃棄物を搬入・処理中。
・損壊家屋の解体申請棟数 33,554 棟のうち、20,487 棟を解体(進捗率 61%、平成 29年3月末時点)。
・災害廃棄物の推計量 316 万トンのうち、140 万トンを処理(進捗率 44%、平成 29 年2月末時点)。
(イ) 廃棄物処理施設
・ごみ処理施27施設のうち、全ての施設が稼働中(平成28年7 月 12 日16 時半時点2施設稼働停止)。
・し尿処理施設21施設のうち、稼働停止している1施設については、下水処理施設にて処理実施中。
・終処分場25施設のうち、全ての施設が稼働中。
4月14日~16日に訪れた際に感じたのだが、今年1月以降の処理速度が急速にあがったのではないだろうか?
それまでは瓦礫のままの家屋やブルーシートが目立っていただのが、今回は、更地になって瓦礫の撤去も捗っていた感がある。
次に、被災者への住居確保状況である。
【応急仮設住宅の進捗状況】(国土交通省情報:平成29年4月13日時点)
(ア)応急仮設住宅の建設
・16 市町村で 4,303 戸の建設に着手し、平成28年11月14日までに全て完成。
昨年7月時点、16市町村で3,631戸の応急仮設住宅建設に着手し、うち1,429戸が完成していたのだが、比較してみよう。
左の数字が昨年7月時点の各市町村の建設予定戸数と( )は完成戸数で、右の数字が、平成29年4月13日時点の完成戸数である。
熊本市・・・458(193)戸→541戸
宇土市・・・84(66)戸→143戸
宇城市・・・143(40)戸→176戸
美里町・・・32戸→41戸
御船町・・・330(75)戸→425戸
嘉島町・・・192(172)戸→208戸
益城町・・・1,285(279)戸→1,562戸
甲佐町・・・200(90)戸→228戸
山都町・・・6(6)戸→6戸
大津町・・・54(33)戸→91戸
菊陽町・・・20(20)戸→20戸
阿蘇市・・・101(26)戸→101戸
産山村・・・9戸→9戸
南阿蘇村・・・376(99)戸→401戸
西原村・・・302(302)戸→312戸
氷川町・・・39戸(28)→39戸
・UR、地方公共団体職員による応急仮設住宅の建設業務支援(13名体制、H28 7/31現在)
(イ)民間賃貸住宅の空室提供
・県から協力要請を受けた不動産業界団体が無料電話相談窓口を開設(H28/4/25)
・民間賃貸住宅等を活用したみなし仮設住宅
決定通知済み件数:15,306 戸(H29/4/10集計分)
【公営住宅等の空き住戸の受付開始等の状況】(国土交通省情報:平成29年4月 13日時点)
・公営住宅等について、全国で11,888 戸を確保し、1,836 戸入居決定済み
九州全県(熊本県含む)5,672戸を確保→1,665 戸入居決定済み
(うち熊本県内 1,554 戸を確保→1,092 戸入居決定済み)
九州以外の都道府県 6,216戸を確保→171 戸入居決定済み
【受入可能ホテル・旅館施設数】(国土交通省情報:平成29年4月13日現在)
厚生労働省から「熊本県熊本地方を震源とする地震による被災者等の要援護者への緊急対応について」(平成28年4月15日生活衛生・食品安全部生活衛生課長通知)が発出したことを受け、熊本県、福岡県、佐賀県、長崎県、宮崎県、鹿児島県において、受入を実施。
・受入れ先決定済み2,372人(平成28年10月31日現在)
【その他(民間フェリー「はくおう」による受入)】
・民間船舶「はくおう」の休養施設としての利用
八代港での民間フェリー「はくおう」における1泊2日又は2泊3日の宿泊、食事及び入浴のサービスの提供をH28/4/23~5/29に行い、延べ2,605人が利用。
津波で大被害を受けた東日本大震災と、一概に比較することはできないのだろうが、遥かにスピード感がある復旧・対応を感じられる。
次回へ・・・