「真実の口」441 シックハウス症候群、規制物質の対象増加(?)・・・その①

9月20日に、「厚生労働省が、シックハウス症候群の原因となる化学物質の規制強化の検討を始める」というニュースが流れた。

現在は、13の化学物質に室内濃度の指針値を設けているが、規制対象を増やす方針としている。

記事では、「関係者によると、今回は床材や接着剤に含まれる「2エチル1ヘキサノール」や、水性塗料に含まれる「テキサノール」などが検討対象に挙がる見込み。」になっている。

本来であれば、すぐに寄稿したかったのだが、9月28日からの有識者検討会で議論されるとなっていたので、その動向を見て寄稿しようと思い、静観していた。

以下が、厚生労働省から発表された内容である。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002kunp.html

σ(・ω・*)ンート

はっきり言って見る価値もないので、要約する。

① 平成14年1月に指針値が検討されて以降、約10年経過したこと。

② 指針値を定めた化学物質以外の代替物質による問題等が新たに指摘されていること。

③ シックハウス問題を検討する際に、新たな概念として、VOCの他、SVOCの概念がでてきたこと。

④ 細菌由来のVOC類等が検出され、これらも要因となっているなど新たな視点での指摘もあること。

⑤ WHOの空気質基準の改廃の動向と整合を図る必要があること。

以上の見地から、各種の最新の知見に基づき、室内濃度指針値の設定等、今後の対策の検討を行う。

・・・という事を、寄り合って、示し合わせただけのものである。

今後のスケジュールとしては、11月末から3月にかけて、また、来年度4月以降も、調査結果、業界等取組又は業界からのヒアリング等を重ねて、検討会を開いていこうという趣旨らしい・・・。

その検討会のメンバーがこれなのだが・・・。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002kunp-att/2r9852000002kuw8.pdf

利権が絡まなければ良いのだが・・・。

いやいや、きっと、国民のために、素晴らしい答えを出してくれるに違いない!

長~い時間をかけてね・・・( ̄ー ̄)ニヤリ

東京電力福島第1原発事故を受けて、福島県が実施中の県民健康管理調査においては、住民に説明する前に、「秘密会」なる事前工作がされていたらしいが、当検討会は、決して、そのようなことは無いだろう・・・( ̄▽ ̄;)アハハ

前回、建築基準法が改正された平成15年当時、シックハウスの患者数は、推定100万人程度と言われていたが、現在は、潜在的な患者数を考慮すると、1,000万人を越えていると言われている。

そんな中、関係者から、「2エチル1ヘキサノール」や「テキサノール」が危険視されているのであれば、スピード感を持って規制をかければ良いのではないだろうか???

まあ、建築業界、薬品業界、etc・・・、様々な柵(しがらみ)が絡まりつき、簡単に規制へ動けないのだろうが・・・。

ただ、今回の検討会の中に、「細菌由来のVOC類等が検出され、これらも要因となっているなど新たな視点での指摘もあること。」という項目があがっていることは評価できるのではないだろうか?

シックハウスが世間で注目され、揮発性有機化合物(VOC)ばかりがクローズアップされ、その対策として、低ホルムアルデヒド、あるいはノンホルムアルデヒドへと、時代は傾いていった。

ご存知のように、VOCの中には、ホルムアルデヒドのように、防腐・防カビ効果のある物質が含まれている。

その低減化によって、細菌やカビが増殖するという新たな問題が生じていきているのだから笑い事では済まされない。

細菌やカビなどの微生物は、生きていくための増殖と代謝の過程において、室内の有機物質を分解し、その副産物としてアルコール類やケトン類、カビ臭のもととなるジェオスミン等の化合物を生成する。

そして、このように細菌やカビなどの微生物が介在して生成する揮発性有機化合物を総称して微生物由来揮発性有機化合物(MVOC)と言われ、新たなシックハウスの原因と言われているのである。

我が国は、細菌やカビが非常に好む、高温多湿と言う環境下にある・・・。

さてさて、その手だてはあるのやら???

次回へ・・・。