原生林の地面を見てみると、倒木、枯れ枝、落ち葉等々がたくさん落ちている。
また、表面からは見えないが、昆虫の糞、動物の糞、昆虫の亡骸、動物の亡骸も数多くある。
普通であればこれらのものは腐っていくのだろうが、大自然のサイクルの中ではそうではない。
土中、空気中、水中には我々の目には見えないバクテリアがたくさんいる。
このバクテリアが、倒木、枯れ枝、落ち葉、昆虫の糞、動物の糞、昆虫の亡骸、動物の亡骸を分解し、自然に帰してくれるのである。
無駄な物は一つもない。
一つ一つが連鎖して繋がっている。
例えば、肉食動物は草食動物を根絶やしにする程狩りをしない。
自分の命が繋げていける程の獲物を捕獲して食べる。
そして、草食動物は草を根絶やしにする程食べない。
ちゃんと、また生えてくるように移動しながら食べる。
更に、サバンナでは・・・
雨が降らない→草が生えない→草食動物は出産を抑制する→それを狙う肉食動物の活動が鈍る。
・・・というように、自然と動植物全てが連鎖して生きているのである。
動物だけではない。
昆虫も同じである。
農家の方や家庭菜園をしている方であれば解ると思うが・・・
テントウムシは幼虫の時も成虫の時もアブラムシを食べる。
何らかの影響でアブラムシが大量発生すれば、それを捕食するテントウムシも増える。
しかし、アブラムシを大量に捕食することにより、テントウムシも餌が無くなり減少していく。
人間は、身勝手に害虫・益虫と区別する。
しかし、虫にはそんなことは関係ない。
自然の中の一サイクルとして循環しながら生きているだけである。
外来種の動物や魚や昆虫が、在来種を絶やしてしまい生態系に悪影響を及ぼしていると言うことは誰もが耳にしたことはある。
これは人間の身勝手によって、住むところを変えられたために自然のサイクルとずれが生じ起こっていることである。
また、動物や魚や昆虫だけではなく、植物の世界でも同様である。
昔は、日本の秋と言えばススキが風物詩だった。
昭和40年代以降は、そのススキを凌駕して、セイタカワダチソウが勢力を強めている。
・・・という話を多くの人が聞いたことがあるのではないだろうか?
しかし、ススキとセイタカワダチソウを調べていて、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』で面白い報告を見つけたのでお知らせしたい。
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昭和40年代の繁殖状況は、アレロパシー効果でススキ等その土地に生息していた植物を駆逐し、モグラやネズミが長年生息している領域で肥料となる成分が多量蓄積していた地下約50cmの深さまで根を伸ばす生態であったので、そこにある養分を多量取り込んだ結果背が高くなり、平屋の民家が押しつぶされそうに見えるほどの勢いがあった。
しかし、平成に入る頃には、その領域に生息していたモグラやネズミが駆除されてきたことによって希少化し土壌に肥料成分が蓄えられなくなり、また蓄積されていた肥料成分を大方使ってしまったこと、他の植物が衰退してしまったことで自らがアレロパシー成分の影響を強く受けてしまったこと等の理由により、派手な繁殖が少なくなりつつあり、それほど背の高くないものが多くなっている。
セイタカアワダチソウの勢いが衰えてきた土地にはススキなどの植物が再び勢力を取り戻しつつある。
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如何だろうこの大自然の摂理!
少し長くなったのでまた次回へ・・・