バクテリア・・・
発酵菌と腐敗菌。
酒を造る際に使う麹菌、パンを作る際に使う酵母菌、ヨーグルトを作る際に使う乳酸菌、その他にも納豆菌、テンペ菌等々、我々の生活に役立つ菌を発酵菌と呼んでいる。
そして、この発酵とは反対に物を腐らせる菌を腐敗菌と呼んでいる。
では、この違いはいったい何なのだろう?
違いはない。
どちらもバクテリアが有機物を分解することには変わりない。
ただ、人間の都合上、発酵菌は生活に役立ち、腐敗菌は余り役に立たないからそういう風に区別しているだけである。
自然のサイクルの中では、どちらも必要であり、そのバランスを取り合っている。
原生林でもこのバランスを取りながら、循環している。
原生林の植物は、倒木、枯れ枝、落ち葉、昆虫の糞、動物の糞、昆虫の亡骸、動物の亡骸を分解するバクテリアを吸い上げることによって生命の維持をしている。
そこに一切の肥料はいらない。
何故、農業では肥料を使うのだろう?
人間に例えれば、産まれる前の赤ちゃんの間から、過剰な栄養を与えているのと同じである。
何故、農業では農薬を使うのだろうか?
人間に例えれば、産まれる前の赤ちゃんの間から、薬漬けにし、成長に合わせて薬を与え続けているのと同じである。
人間でも病気でなければ薬は飲まない。
人間だけが自然のサイクルの中で循環せず、わがままし放題で生きている。
農地を沢山作っているが、本来、そこは農地ではなかったはずである。
人間の身勝手で農地に開拓したのである。
そこに人間の浅知恵で、肥料や農薬を放り込んで、作物を作っているのである。
自然なものができるはずがない。
よく考えてみると、現代人の生活も同じような気がする。
飽食の時代と言われて久しい。
色んな種類の食べ物が溢れている。
特に、日本人は他国の料理を日本人の舌にあうようにアレンジする天才である。
フランス料理、イタリア料理、スペイン料理、中華料理、韓国料理、etc・・・
前にも書いたが、“あの店は美味しいね=あの店は調味料の配合が上手いね”なのである。
色んな調味料を入れた物を、満腹になるまで食べる。
そして、栄養素が足りないと言っては、サプリメントを摂る。
身体の中に沢山の肥料を与え、サプリメントまで投与する。
これでは病気にならないわけがない。