「真実の口」123 我々は何をすべきか?21

文明の発展に伴い、先進国では原料や廃棄物の量が莫大に増えた。また、機械等の発達により、その作業能力も増大し、それ以前とは比較にならないほど自然改変の規模・速度が大きくなった。

1960年代、自然破壊が原因と見られる異常気象が多発するなど、環境改変が人間の意図しない事態を引き起こす事例が明確になってきた。

それ以降、経済活動と環境破壊・自然破壊は両天秤にかけられながらも、経済活動を優先させた先進国により、現在の地球環境の現状に至っている。

地球温暖化(笑)と叫ばれて久しいが・・・

「環境を考慮して・・・」

「生態系を考慮して・・・」

「環境破壊を・・・」

近年、我々が良く耳にする言葉である。

創造は破壊である。

今回寄稿の④の中で用いたが、この意味をどのくらいの人が理解できただろう?

鳩山首相退陣の直接的な誘因となった普天間基地移設問題でも、その工法のあり方が取り上げられていた。

自民党政権下での日米合意では、辺野古沿岸部を埋め立て、2本の滑走路をV字形に配置するとしていた。

鳩山前政権ではこの案を微修正し、海底のヘドロを再利用する環境配慮型の埋め立てにする案が有力視されていた。

更に、防衛省内では滑走路を1本にし、より沖合に移動する案が検討されていた。

しかし、人間が如何に環境に配慮しようが、人間が何かを創造した時点で、自然のバランスは崩れるのである。

農業問題を寄稿した際に、土1gには1億超のバクテリアが存在し、その全てがお互いに影響し合っていると言うことを書いた。

食物連鎖と言う言葉は、誰もが皆知っていることと思う。

食物連鎖とは、言い方を変えれば、栄養の循環である。

陸の生態系では、次のように循環する。

1、 植物が太陽光と二酸化炭素を利用して、光合成を行い、炭水化物を作る。そして、炭水化物と土から吸収した栄養塩類(窒素、リン酸、カリ、カルシウム、マグネシウム、硫黄等)を元に成長する。

2、 その植物を昆虫や草食動物が食べる。

3、 草食動物を肉食動物が食べる。

4、 有機物(、枯れ枝、落ち葉、動物・昆虫の糞、動物・昆虫の死骸)をバクテリアが無機物、二酸化炭素、水へと分解する。

5、 分解された栄養塩類を食物が吸収する。

海の生態系では、次のように循環する。

1、 海面近くで、植物プランクトンが光合成を行う。

2、 動物プランクトンが植物プランクトンを摂食する。

3、 これらのプランクトンを小魚が食べる。

4、 肉食魚が小魚を食べる。

5、 様々な死骸をバクテリアが分解し、植物プランクトンに吸収される。また、死骸の一部は固まりとなって沈んでいき、深海生物の餌となる。

陸上、海洋のこれらの5段階を古典的な食物連鎖と表現している。

ただ、現実には、捕食する側は複数種を餌として捕食し、また、捕食される側は複数種に餌とされることが自然界では当然なので、捕食と餌の入り乱れた複雑な関係は網目とように絡み合っていることから、最近では、食物網と表現されている。

少し、生物の授業っぽくなってしまったが、次回へ続く。