このブログを韓国のホテルで書いている。
韓国の代理店であるBTNG社が、韓国で環境回復サロンを建設するために、一日だけで良いから技術指導に来て欲しいとのたっての依頼があり、急遽、15日にソウル入りしたのである。
結局、フライトが取れず15日の昼に入り、17日の昼に帰阪という日程になったのだが・・・
そのお陰で、ゆっくりと窓の外を楽しむ余裕があった。
関西国際空港からソウルへ向けての飛行機の中からは、瀬戸内海を臨むことが出来る。
残念ながら、そこには日本のエーゲ海と言われる美しい海は広がっていなかった。
赤潮が随所に広がっていた。
前回の寄稿でゲリラ豪雨と赤潮の話を書いた。
7月中旬から下旬にかけて山口、広島では豪雨により多大な被害を受けている。
肥料の流出による富栄養化の問題は、数年前から言われていることなのだが、豪雨の頻度、降雨量が半端ではないため、農地の土壌を急激に洗い流しているためにその影響も大きくなっているのではないだろうか?
現在の富栄養化の原因は、窒素が原因なのである。
窒素は大気中の成分であり、生物には欠かせないモノである。
以前にも書いたのだが、本来、空気中の窒素は、マメ科の植物の根にいる根粒菌が取り込み、動植物が利用できるように固定する。
この固定するという作業は、根粒菌だけができる作業である。
そして、植物は、土壌から窒素を吸収し、その成長に伴い落葉等で土壌に返している。
また、我々動物は、他の生物を食べて窒素を取っている。
20世紀に入るまでは、この窒素を、根粒菌→植物→動物→∞という形で共有してきた。
しかし、20世紀に入り、我々人間は窒素から肥料を作る術を編み出してしまった。
残念だが・・・、自然を無視して、肥料を投与すれば、土中のバクテリアのバランスは崩れ、害虫が発生する。
そうすれば、その対抗手段として、農薬を使うしかない。
これが原因で、農業は肥料→農薬→肥料→農薬という悪魔のスパイラルに陥ったのである。
これらの繰り返しにより、本来いるべきバクテリアが存在しなくなった土は、砂漠化の一途をたどるしかない。
『農家が儲けりゃ、漁師が損する』
農家が金儲けのために農薬・肥料をどんどん使う
→農家は儲ける
→作物は根を張れない(張らない)
→バクテリアもいなくなる
→砂漠化する
→地表の温度が上がる
→地表の温度を下げようと豪雨が降る
→河川に肥料が流れ込む
→富栄養化が起こり、プランクトンが発生する
→漁業が成り立たない
本来、植物は根を張り、水を吸い上げ、水分を蓄えることにより、地表に適度な潤いを与えてくれるのだが、肥料と農薬を使えば、漁業までも立ち行かなくなる。
自然界の連鎖は目を見張るものがある。
以下が、60年以降自然界に流出している窒素のデータである。