前回、健康食品について、データの面と人間の身体の構造の面から考えると“如何に?”というテーマで寄稿した。
スーパー、ドラッグストア、コンビニ、etc・・・世の中には様々な“健康食品”なるものが店頭に並んでいる。ただ、“健康食品”と言っても一括りにはできない。
まず、我々の口に入る物は、薬事法及び食品衛生法により、「医薬品」あるいは「食品」に分けられる。
もちろん、“健康食品”はこれらの法律により、「食品」として扱われている。
「医薬品」は、薬事法に基づき、国の許認可により効果効能を表示することが出来る。
これは常識である。
では、“健康食品”はどうだろう?
“健康食品”は3つに分類されている。
1991年に保険機能食品制度が定められ、国の定めた規格や基準を満たす食品については保健機能を表示することができるようになった。
保健機能食品には、科学的根拠を提出し表示の許可を得た「特定保健用食品(いわゆるトクホ)」と、特定の栄養素を含み基準を満たしていれば表示が可能となる「栄養機能食品」がある。
健康食品群から保健機能食品を除いたものが、“いわゆる健康食品”と表現されている。
今回は、保健機能食品を除いた“いわゆる健康食品”について、掘り下げる。
・・・と、言って、保健機能食品は良いというわけではないので、後日、改めて寄稿するので勘違いしないで欲しい。
では、何故、これだけ多くの“いわゆる健康食品”が、さも効果があるように”売られている”のだろうか?
答は、簡単なのだが、“儲かる”から・・・である。
「医薬品」で、効果が無かったり、薬害があれば、その薬は認可が取り消される。
では、“いわゆる健康食品”で効果が無かった場合はどうだろう?
簡単である。
“体質が違うため個人差がある”という常套句で終わりである。
この“いわゆる健康食品”の効果は何に根拠を置いているのだろう?
巷で昔から身体に良いと言われている・・・
試験管で良い結果が出た・・・
動物実験で○○が治った・・・
等々、様々な根拠(笑)を元に日夜新しい健康食品が開発されているのである。
医薬品は、莫大な資金と優秀な人材を使い、長い年月をかけて開発する。
最終的に完成しても、認可がおりるまでに、動物実験、人体実験と更に時間がかかる。
薬を飲むという行為に、人命がかかっているのだから、当然と言えば当然であろう。
・・・と言って、私が「医薬品」を良しとしていないのは、当ブログを読んでいる人なら解ると思うので、あくまで現実のみを理解して欲しい。
では、健康食品の世界はどうだろう?
試験管あるいはシャーレの中の細胞に効果があった?
前述したが、体内の代謝を伴わない実験は何の意味もない!
動物実験で効果があった?
動物と人間では、代謝の速度が違うので、そのままのデータを人間に当てはめることは出来ない。
ボランティアによる治験?
食品なので、治験は正しい表現ではないが、人体に投与して効果があるかどうかを何年も同じ環境に於いて、食事から何まで管理して、データを取ることは不可能である。
更に、動物実験であれば、長期間の過剰投与、短期間の過剰投与でその危険性を把握することは出来るが、“いわゆる健康食品”では、人間にそのような治験(?)は出来ない。
つまり、巷で言われている、“いわゆる健康食品”の効果効能は、何ら根拠が論理的に説明されていないものであるということである。
データがなければ、どれだけの成分の“モノ”をどれだけの“量”摂取したら良いのかということも答えが出ない。
その証拠に、「医薬品」は処方箋により、いつ・何を・何錠(袋)飲むのかという“分量・用法・用量”が決められているが、“いわゆる健康食品”には、一日にこの程度という“目安”でしか書かれていない。
あなたは、まだ、根拠のない“いわゆる健康食品”を続けますか?