工甘味料についての意見は賛否ある。
容認派の大方の意見は、人間の体内で栄養物として認識されないので、吸収されずにそのまま排出されるから害はなく、また、長い間、使用されてきて人体に有害であったという証拠が出ていないのだから安全であるというところだろうか?人工甘味料を使用している企業はこちら側に立っているということだろう。
否定派の意見は、パーデュー大学のダビッドソン教授とスウィザース助教授らの研究による「人工甘味料はからだに備わったカロリー計算能力を狂わせてしまう可能性がある」という意見から肥満や生活習慣病のリスクがあるというところだろうか?
人工甘味料を敵視する消費者団体はこちら側に立っているのだろう。
そもそも糖分を、何故、摂るのだろうか?
身体が疲れると甘いものが欲しくなると言うことは良く聞くし、誰もが経験したことがあるのではないだろうか?
頭脳労働をしても糖分が欲しくなる。
以前、聞いたことがあるのだが、通訳士の多くはチョコを持ち歩いているらしい。
特に、同時通訳で頭をフル回転すると、血糖値が下がり頭の回転がだんだん鈍くなってくるらしいのである。
そのため同時通訳を行う場合は、複数の通訳士が15分程度で交替しながら、同時通訳を進めていくらしい。
そのくらい糖分はすぐにエネルギーに変換出来るのである。
エネルギーを得るためには、何らかの食べ物を取らなければいけない。
そのために「食欲」というものが存在する。
「食欲」というと、胃や腸が大きく作用するとの考えがちだが、残念ながら違う。
「食欲」をコントロールしているのは、間脳の視床下部にある食欲中枢である。
では、その流れを少し追ってみる。
視床下部が、血液中のプドウ糖濃度を感知して、栄養不足を判断する。
食欲が起こり、食べ物を口にする。
味覚により糖分を感知した脳は膵臓にインシュリンの分泌を促す指令を出す。
食べ物に含まれている炭水化物(糖質)は腸で分解され、ブドウ糖に変化し吸収され、血液中に入る。
血液中のブドウ糖はその後、細胞(筋肉や脂肪組織)に移動する。
細胞の中に取り込まれたブドウ糖が、我々のエネルギーとして使われる。
インスリンはこの時、血液中のブドウ糖が細胞に入りやすくする働きをするのである。
また、肝臓はインスリンの力で、ブドウ糖をグリコーゲンに換え、肝臓の内部に蓄えることもする。
いかがだろう?
糖を如何に感知することが大切であるということが解ると思う。
糖をいくら摂取できたかで、食欲も満たされるのである。
米国食品医薬品局 (FDA)は、人工甘味料の現在の主流であるアスパルテームは、経口摂取された大部分について、分解も代謝も受けずに体外に排泄されるという審査結果を出している。
つまり、舌では甘いという味覚を感じているにも関わらず、エネルギーにも何も変わらずに身体を通り抜けていくのである。
上に書いた食欲のメカニズムから完全に逸脱した存在であると言うことである。
甘味を感じて、エネルギーにならないから食べ過ぎて太るとかそんな次元では無いのでは無かろうか?
健康食品は、健康になるために続けること(?)、あるいは毎日食べること(?)を心がけることを奨めている。
・・・と言うことは、毎日、脳をだまし身体に嘘の情報を与えることを続けることになる。
果たして、嘘の情報を与え続けられて人間の身体は大丈夫なのだろうか?
ある日、甘いものが口から入っても、エネルギーにならないのなら代謝を止めてしまおうかと身体が反乱を起こしてしまわなければいいのだが・・・
様々なことを危惧して止まない。