「真実の口」198 計画倒産・・・そんなことがまかり通るのか?

本日、会田丸は2011年の航海に出航する。

さてさて、今年はどんな年になるのやら???

今日は抗酸化とは全く違う話を書いてみる。

昨日、埼玉県警は、経営が破綻し住宅の完成の見通しがないにもかかわらず、施工代金をだまし取ったとして、平成21年4月に経営破綻した注文住宅建築会社「アーバンエステート」(埼玉県川口市)の元会長ら旧経営陣数人を詐欺容疑で逮捕した。

アーバンエステートは、平成14年設立。

注文住宅の施工を主に手がけ、「檜を使った高品質な木造住宅」や「一生安心が続く60年保証」などをうたい文句に、大量にテレビコマーシャルを打つなどして急成長。平成19年には売上高が約64億9000万円にまで達した。

しかし、急激な拡大路線や金融不況などがたたり、資金繰りが追いつかずに経営が悪化し、平成21年3月、東京地裁に民事再生法を申請したが却下され、同年4月に自己破産した。

同社は顧客から代金を前払いで受け取っていたことから、首都圏で約500棟の住宅が未着工や未完成となっている。

埼玉県警は、同社の元会長をはじめとした旧経営陣が、自社の経営が破綻状態にあることを認識し、住宅の完成が不可能であることを知りながら顧客から代金を前払いさせていたとみて、全容の解明を進めている。

同社をめぐっては、被害対策弁護団が結成され、21年7月、被害者24人が旧経営陣を相手取り計2億2000万円の損害賠償を求め、さいたま地裁に提訴し、さらに詐欺容疑で刑事告訴している。

同社営業社員は、前払いをすれば建築費を割引するという手口で、資金を集めていたらしい。

昨日のテレビで放送されていたが、同社の債権者集会に出てきた社長は、「現金は4000万しかない」と話し、会場からは、「家一軒も建たないじゃないか」等の罵声と悲鳴が上がっていた。

注文住宅の場合、建築途中で住宅メーカーが倒産したらお金は返ってこない。

こういったトラブルに備えて「住宅完成保証制度」という保険があるのだが、全額が保証されるわけではない。

計画倒産詐欺を考える輩は沢山いる様だ。

何故、今回、このようなブログを書いたかというと、昨年末に、私の知人の会計事務所の方から、そんなことをやってもまかり通るのか?という話しを聞いたからである。

ある会社(ここでは乙社とする)は、全く不審な様子がない状態で営業をしている。

しかし、ある日突然、看板が別の会社(ここでは丙社とする)のものに変わった。

会社の中を覗くと、机や備品等はそっくり前のままの状態で、普段と変りがない。

しかし、実際は、乙社は倒産して、丙社が、備品から何から全て譲り受けて、営業をしている。

そんなことがまかり通るのか?と聞いてみたら、法的には何ら問題がないらしい。

ただ、売掛債権を持っている取引先は、丙社へは何も請求できないし、乙社の経営者を訴えようとしても、倒産って事で弁護士に一任された状態では、法律に乗っ取って処理を進めるしかないということらしい。

多くの取引先は、泣き寝入りで終わり?ということになるのだろうか???

例えば、とある会社がゴルフ場を購入したのだが、倒産してしまい、別の会社がそのゴルフ場を購入した。

しかし、ここでいうある会社も別の会社も同じ会社である。

知らない人間にとっては、社名変更しただけのようにしか見えない。

可哀相なのは、会員である。

追い銭を2度も支払わされるのだから・・・

アーバンエステートのように表沙汰になるのは氷山の一角らしい。

その人曰く、「悪事を働いても、大手を振って、お天道様の下を歩ける厚顔無恥な人は大勢いる」ということである。

笑えない話しである。

皆も気をつけた方が良い・・・