前回、ホルムアルデヒド、クロルピリポス以外の有害化学物質に関しては、指針はあるものの規制はされていないということを書いた。
では、建材メーカー各社は、今まで使っていたホルムアルデヒドの替わりに何を使用しだしたのだろう?
答は、アセトアルデヒドである。
何故、それが解ったかというと、我々は、大阪府茨木市にある日本合成化学工業株式会社の子会社である株式会社大阪環境技術センターに室内の化学物質の測定を依頼している。
もちろん、抗酸化工法で施工することにより、化学物質が分解されていることを証明するためである。
これが原本である。
http://www.aida-soken.co.jp/pdf/analysis.pdf
指針値と結果を見てもらえば解るが、ほとんどが指針値の10分の1以下である。
ちなみに、私の所には、「一般工法で立てたため、シックハウス症候群にかかってしまった。何とかして欲しい。」という電話が年に何本もかかってくる。
シックハウス症候群の方からの依頼の場合は、施工前・施工後に室内の化学物質の測定を行う。
それが、建築基準法の改正を境に、ホルムアルデヒドは検出しにくくなってきたが、その代わりに、アセトアルデヒドの数値が極端にあがってきたのである。
もちろん、前回、取り上げたようにアセトアルデヒドも、13の化学物質の中の一つである。
建材メーカー各社は、抜け道を見つけたかのように、”ノンホルム”を合言葉にアセトアルデヒドを使っているようだ。
我々は、シャンプー・リンス・洗剤等の使用、食時、呼吸と様々な形で毒を取り入れている。
では、我々の身体は、体内に取り入れられた有害物質にどう対応しているのだろう?
有害物質を体内で分解し、体内から排泄する事を解毒という。
解毒は主に、肝臓と腎臓で行われる。
水に溶ける水溶性物質は、腎臓によって尿中に排泄される。
一方水に溶けにくく、脂に溶ける脂溶性物質を、そのままの形で排泄する事は困難なので、肝臓で分解し水溶性物質に変えられて尿や胆汁中に排泄される。
そして処理しきれなかった有害物質は、皮膚、毛髪、爪、皮下脂肪、骨や骨髄、性腺(精巣、卵巣)、脳神経、子宮、乳腺、肝臓などに蓄積される。
前回も書いたが、空気は選別して呼吸が出来ない。
では、呼吸により、体内に取り入れられた有害化学物質はどこに行くのだろう?
我々は酸素が無いと生きてはいけない。
呼吸によって体内にと入れられた酸素は、肺に入り、血液によって身体の各所に運搬される。
有害物質も同じである。
呼吸によって体内に取り入れられた有害化学物質は、肺に入った後は、解毒されることなく、直接、血液と一緒に身体の各所に運ばれる。
化学物質は脂肪に溶けやすい性質を持っている。
血液と一緒に運ばれた有害化学物質は、そのまま内臓のまわりにある脂肪へと溶け込む。
そして、我々の脳は脂質60%、タンパク質40%で出来ている。
脳の質量は体重の2%程度だが、血液の循環量は心拍出量の15%にものぼる。
そう、有害化学物質の最終目的地は脳ということになる。
化学物質過敏症には、様々な症状がある。
そのために、化学物質過敏症の方が、明らかな体調不良を訴えても、医師らに「異常なし」「気のせい」などと言われ続ける。
ほとんどの化学物質過敏症の方が、化学物質過敏症と診断されるまで、医療機関を何カ所も渡り歩いている。
また、医師から『異常なし』と言われるのだから、家族からも理解してもらえないという孤独に苦しめられる。
そして、自分では気付かないうちに、怒りっぽくなり、乱暴になり、家庭崩壊という事例も数え切れない程ある。
あなたはそんな住宅に住めますか?