「真実の口」255 オール電化で良いんかい?④

これまで、ここ数年どのようにして、オール電化が躍進してきたかと言うことに触れてきた。

では、今回は、電力会社が掲げる“安全性・経済性・エコロジー”が本当に正しいのかどうかに突っ込みを入れてみようと思う。\( ̄∀ ̄*)何でやねん

順番通り、“安全性”から行きたいところなのだが、このテーマが今回一番書きたいテーマなので、最後に回す。

今回は、“エコロジー”。

私は、常日頃、“エコロジー(環境)=ビジネス(金儲け)”は成り立たないと言っている。

“エコロジー(環境)≠ビジネス(金儲け)”であり、“エコ”を売り物にする企業ほど、“エゴ”の権化でしかないと思っている。

では、電力会社各社のいうエコロジーは???

初歩の初歩だが、発電方式には、火力発電、原子力発電、水力発電、太陽光発電、風力発電がある。

日本での各方式の比率は、2008年度で、火力70%、原子力23%、水力7%、他0.0?%である。

意外に原子力って少ないんだと感じる人もいるかも知れないが、これには裏があるようである。

2003年以降、電力会社によるデータ改ざん、地震などの事件、事故による運転中止などにより、原子力発電全体の稼働率が低下し、ここ数年、原子力発電による発電割合が低下しているからである(2000年度は30%、2005年度は26%)。

我が国では、発電方式の7割を火力に頼っているのだが、ご存知のように、火力発電は石炭、石油、天然ガス等の燃料を燃やすことにより、電気というエネルギーに変換する。

残念ながら、その際に、電気に変換されるのは元の燃料エネルギーの3分の1だけで、残りは廃熱になってしまうのである。

そこから5~6%の送電ロスがあるため、実際に、我々の一般家庭に届くのは36~37%というところだろうか?

この効率の悪さがネックとなり、元々、エネルギー資源のない日本はそれが電気代に転嫁され、先進国の中でも有数の電気代の高さを誇っているのである。

更に、日本の場合は、電力産業を各電力会社が独占状態にもかかわらず、電力事業は、独占禁止法適用除外にあたる「自然独占事業に固有な行為」の中に入り、電気事業法によって、独占的運営と価格決定権が国によって守られているのだから始末に悪い。

送電ロスの話をしたついでに、コストの話もしてみよう。

送電ロスは、距離に比例し、送電電圧を高くするほど小さくなる。

つまり、50万ボルトより100万ボルトの方が、よりエネルギーを送れると言うことである。

資源の少ない日本は、世界に先駆けて、100万ボルトの送電線を開発し使用している。

ちなみに送電線自体も変えなければいけないのだが、送電ロスが、100万ボルトだと50万ボルトの1/8になるといわれているのだが・・・

つまり、100万ボルトで5~6%なのだから、50万ボルトの送電線では40%~48%の送電ロスがあったと言うことなのだろうか?

ちなみに市街地の送電線の電圧は6600ボルトである。

さて?

この送電ロスの話はあまり話題にもならないのだが???

チト、脱線してしまった。

コストの話だった。

100万ボルトの高電圧を流すとなれば、それ相応の設備が必要となる。

ちなみに、鉄塔も高さ110m以上で、高速道路や鉄道、一級河川などを跨ぐ部分は130mを越える巨大鉄塔になる。

こんな巨大鉄塔を何百も建てて、発電所から都会へ電力を送るわけだ。

当然、送電線の末端には、送られてきた電力を実際に使えるようにするために、大規模な変電所が必要となる。

当たり前だが、送電線と変電所の建設・保守・管理費用は巨額なものとなり・・・

いったい誰が負担することになるのか?

そうそう・・・

『電力事業は、独占禁止法適用除外にあたる「自然独占事業に固有な行為」の中に入り、電気事業法によって、独占的運営と価格決定権を電力会社が持っているのだった。( ̄ー ̄)ニヤリ