前回、国や電力会社が原子力発電を強力に推し進めるために、データに妙な修正を加えてまで、やっきになっているということを寄稿した。
原子力安全・保安院が、電力会社及びその子会社に“やらせ動員”に“やらせ質問”まで要請したということがクローズアップされているが・・・
どれだけ美味しい利権と、とてつもない利潤を生んでくれるのかは、想像の域を遙かに超えた物なのだろう・・・?
今回は、オール電化の3大メリットの最後、“安全性”について、寄稿したいと思う。
まず、電気に関する安全性で言われるのが、火を使わないから安全であるという点であるが、これは、この項の② で、阪神大震災時に、以外にもガスより電気が、出火原因としては多かったということに触れているので、改めて、触れることもないと思う。
私が、オール電化にした時の安全性を、憂慮しているのは電磁波である。
電磁波とは、電気と磁気の両方の性質をもつ「波」のことで、電気の影響が及ぶ範囲を「電場」といい、磁気の影響がおよぶ範囲を「磁場」といい、この電場と磁場がお互いに影響しあって、電磁波という「波」が作られている。
一口で電磁波と言っても、一般に周波数(1秒間に生じる電磁波の「波」の数)で表され、様々な種類がある。
基本的に、東京電力を中心に書いてきたのだが、東京電力よりも東北電力の図の方が解りやすいので、以下を参考にして欲しい。
ちなみに、東京電力の電磁波に関する見解は、以下のようになっている。
「(電磁波に関して)健康への影響に関する国際的な評価は、『短期的影響は国際的ガイドラインを守っていれば大丈夫、長期的影響は科学的証拠が不十分』というものです。いわゆる『電磁過敏症』は、電磁波が原因という根拠はないと評価されています。」と言うことになっている。
これの根拠になっているのが、“WHO(世界保健機関)による健康リスク評価” と “ICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)ガイドライン” である。
“WHO(世界保健機関)による健康リスク評価”については、以下のリンクを参考にして欲しい。
http://www.who.int/peh-emf/project/FS296_EHS_Japanese_27_Dec_2005.pdf
http://www.who.int/peh-emf/publications/Chapter1_jp.pdf
http://www.who.int/peh-emf/publications/facts/fs322_ELF_fields_jp_2008.pdf
〔短期的影響〕
○高レベルの磁界を浴びると、神経・筋肉への刺激等の生物学的影響が生じる(科学的に解明済みである)。
○国際的なガイドライン(ICNIRP等)を守っていれば悪影響はない。
〔長期的影響〕
○小児白血病に関する証拠は、因果関係と見なせるほど強いものではない(疫学的には弱い関連性が認められるものの、生物物理学的証拠は認められていない)。
○小児白血病以外の病気に関する証拠は、小児白血病についての証拠よりもさらに弱いか、因果関係がないことを示唆している。
〔電磁過敏症〕
○電磁波の影響で頭痛やめまいなどが起こると訴える、いわゆる「電磁過敏症」の症状については、電磁波が関連するという科学的根拠はない。
“ICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)ガイドライン” については、以下のリンクを参考にして欲しい。
http://www.icnirp.de/documents/LFgdljap.pdf
〔短期的影響〕
○最新の科学的知見に基づき、ふだんの生活のなかで浴びる磁界のガイドライン値を200マイクロテスラ(50ヘルツ、60ヘルツの商用周波数)とする。
〔長期的影響〕
○磁界と小児白血病の因果関係は確立されておらず、またそれ以外の長期的影響も認められないことから、ガイドラインを設定しない。
・・・と、いずれの機関も、電磁波に関しては、いまのところ安全と報告しているということを根拠に、電力会社各社あるいは家電メーカーも、“安全・安心”と謳っている。
日本国民は、震災以降、国やメーカーの言う安全・安心ほどあてにならないということを痛感している。
さて、本当に安全なのか???
次回へ・・・。