前回、電磁波に対しての、各国の慎重な対応と我が国の対応について、寄稿した。
どうも、我が国には、国民の健康や安全よりも、利権や利益が優先されていると思えて仕方がない。
日本では、まだまだ認知度は低いが、電磁波過敏症(Electrical Hyper Sensitivity)という言葉を、一度くらいは耳にしたことがある人は多いのではないだろうか?
1990年代、ヨーロッパにおいて、電磁波の人体への影響が盛んに研究されていた。
電磁波による症状として、以下のような症状があげられている。
1.目の症状 : 見にくい、目が痛い、目がうずくなど
2.皮膚の症状 : 乾燥する、赤くなる、できものなど
3.鼻の症状 : 鼻づまり、鼻水など
4.顔の痛み : 顔がほてる、むくむ、水泡、ヒリヒリする
5.口の症状 : 口内炎、メタリックな味がする
6.歯や顎 : 歯や顎の痛み
7.粘膜の症状 : 乾燥、異常な渇き
8.頭痛 : 単なる頭痛のみならず記憶喪失やうつ症状まで
9.疲労 : 異常な疲れ、集中力の欠如
10.めまい : 気を失いそうな感覚、吐き気
11.関節痛 : 肩こり、腕や関節の痛み
12.呼吸 : 呼吸困難、動悸
13.しびれ : 腕や足のしびれ、まひ
・・・と、ここで電磁波過敏症(EHS)について、掘り下げる前に、当ブログで幾度となく取り上げてきた、シックハウス、化学物質過敏症の話とリンクさせながら考察していきたいと思う。
化学物質過敏症(Chemical Sensitivity)やシックハウスは、電磁波過敏症(Electrical Hyper Sensitivity)に比べれば、メディアでも取り上げられる頻度は多く、世間的にも認知されてはいる。
しかし、我が国で、化学物質過敏症が病気として認められたのは、一昨年の10月1日という、つい最近の出来事である。
このことはブログも書いたので、気になる方は見て欲しい。
病名として認められない病気(?)は、それまで、単なる概念でしかなかったのである。
では、化学物質過敏症(CS)やシックハウスの方が、厚生労働省が病気として認めたから(?)、保険が適用になったから(?)と言って、状況が一変したのかと言えば、何らそんなことはない。
医者の無理解のために、化学物質過敏症(CS)やシックハウスと正しく診断されず、病院を転々としている方は後を絶たない。
医者でさえそんな状況なのだから、その家族の対応になるともっと非道くなる。
「他の家族は何とも無いのだから、あなたがおかしい・・・」程度のことを言われるのは当たり前、「果てには、精神疾患・・・」とまで疑われたと、泣きながら私や会田氏に相談してくる数は、増える一方である。
少し、化学物質過敏症の変遷について書いてみよう。
戦後、アメリカでは、化学物質が職場や家庭の日常生活に浸透し続けるなか、さまざまの身体や精神的な不調を訴える人が多くなってきていた。
しかし、その生理的なメカニズムは解明されておらず、1987年以前は、環境病、環境過敏症、化学物質過敏症候群、化学物質感受性障害など、いろんな呼び方がされていた。
ただし、それより以前の1951年、アメリカのアレルギー学者のセロン・G・ ランドルフ博士によって、化学物質への暴露によって発生する過敏反応の可能性について、初めて提唱されている。
同博士は’75年にシカゴの病院で、患者の原因物質を解明するための特別な環境管理病室を初めてオープンした。
つまり、化学物質過敏症の概念が世に出たのは、かれこれ、60年も前のことである。
しかし、この化学物質過敏症について、CS先進国のアメリカ・カナダでも、紆余曲折を経ている。
少し長くなるので、次回へ・・・。