「真実の口」289 東日本大震災・・・抗酸化からの提案ⅹ

前回は、自然の再生力+抗酸化で、塩害農地の再生を・・・という話を寄稿した。

これは、当シリーズⅶでお伝えした農地の状況の中で、汚泥が堆積している農地及び放射能汚染した農地でなければ対応化だと思う。

では、今回は、汚泥が堆積している農地について考えてみたいと思う。

「汚泥とは、水中の浮遊物質が沈殿または浮上して泥状になったもの」をいう。

当然、海には生活雑排水、工場排水等も流入するので、それに含まれる有害物質も同様に堆積していく。

聞き慣れた言葉で言えば、“ヘドロ”である。

では、この海底にあったヘドロがどれだけ、陸地に打ち上げられたかご存知だろうか?

青森、岩手、宮城、福島、茨城、千葉の6県で、約1300万~2,800万トンと言われている。

少し脱線するが・・・

ちなみに、このヘドロは日本語で、語源も定かでなく、60年代末から70年代にかけて、戦後の高度経済成長期に公害問題がクローズアップされるころから使われている。

私と同世代であれば、ヘドロと聞けば、すぐにヘドラを連想するのではないだろうか?

『ゴジラvsヘドラ』

当時、駿河湾内の田子の浦港のヘドロが問題になっており、宇宙より飛来したと思われる鉱物起源の生命体が、都市近海に堆積していたヘドロや公害による汚染物質と結合し生まれた怪生物が“ヘドラ”である。

核実験の放射線で恐竜が変異し生まれた“ゴジラ”。

津波によって、“放射能”と“ヘドロ”に苦しまされている日本、実に、皮肉な物である。

さて、話を元に戻そう。

このヘドロは、海の中でも厄介な存在だが、陸地にあがると、更に厄介な存在になる。

海水中の硫酸イオン(SO42-) が還元されて、底泥の鉄と結合した硫化鉄(FeS) や硫化鉄を経た二硫化鉄( FeS2)が含まれている可能性があり、これらが空気に触れると、酸化されて硫酸(H2SO4)が発生する。

逆に、土中で空気が遮断されると、硫化水素(H2S)が発生する。

つまり、酸化すると、酸性化し低Phを招き、還元すると、根腐れ等の原因を作るというお手上げ状態を作り出している。

では、どうしたらいいのだろう?

時間をかければ、これらもバクテリアの力で分解できないことは、無いと思うのだが・・・

人間が生活している空間でもあり、また、それだけの時間をかける余裕もない。

結論としては、ヘドロを撤去するしかないと思う。

新日本製鉄は、津波で沿岸にたまったヘドロを、土木工事用の土に変える実証実験を公開したりしている。

製鉄所の副産物として出る「鉄鋼スラグ」を原料とする改質材や石灰をヘドロに加えてからゴミなどを取り除くことで、普通の土の2.5倍の強度を持つ土木建設用の土に変えられるというのである。

〈参考〉http://www.asahi.com/business/update/0914/TKY201109140540.html

ただ、塩分を含んでいると、構造体の鉄筋ンクリートを腐食させたりはしないのだろうか?

また、永年、海底に堆積されていたヘドロである・・・

重金属やその他の有害物質が含まれていることは想像に難くない。

大丈夫なのか???

ヘドロの再利用法は、何か無いだろうかと、ネットサーフィンしていて、見つけてしまった・・・( ̄ー ̄)ニヤリ

私の妄想を形にしている人たちがいた!

詳しくは、以下を読んで欲しいのだが・・・

http://j.tokkyoj.com/data/C09K/3082931.shtml

要約すると、「ヘドロの一部を濃縮、脱水、成型の処理を施した後、900?1,000度で焼成し、生成した多孔質汚泥焼成セラミックスに有用微生物を浸透・乾燥させ、そのセラミックスを元の池底に敷き詰めることで自然浄化を促そうというもの」である。

残念ながら、これでは成功しないと思う。

以前、多孔質について書いているので、参考にしてもらいたい。

過去のブログ>>

これに抗酸化溶液を添加すれば、何ら問題ない。

ヘドロから・・・“真の環境浄化剤”の完成である。

更に、この実用新案は、既に6年が経過しており、権利の侵害に当たらない( ̄ ̄ ̄ー ̄ ̄ ̄)ニヤリ