翌朝、我々は朝食をとるために会場へ向かった。
年のうちの半分以上、下手したら3分の2近くが出張という私にとって、宿泊先の朝食は、ホテルを決める際、ウェートを大きく占める。
最近はどのホテルでも、朝食はビュッフェスタイル、要はバイキング形式が主流である。
料理が美味しいのは当然なのだが・・・
多くの人は、折角、旅行に来ているのだから、“地のものを食べたい”と考えるのではないだろうか?
しかし、残念ながら、多くのホテルでは、一品か二品程度、地のものを出してはいるが、そこまでで終わりである。
下手すると、地元の“地”の字さえ出ないところもある。
さてさて・・・ここはまなす荘ではどうだろう?
ちょこちょこと小皿に取り分けて、地のものらしきものが並んでいる。
イカの刺身もあった。
しかし、残念ながら、心に残る食事とはいかない。
少し、脱線するが、私は、日本全国を駆け巡り、訪れていない県はない。
一都一道二府四十三県、全て、制覇している・・・
空港も北海道や離島を除けば、ほとんどの空港を利用したことがある。
そんな私が、何度行っても、また来てみたいと思わせる数少ないホテルを紹介してみよう。
鹿児島県の城山観光ホテルである。
このホテルは、鹿児島市街地の中心の標高108mの城山という鹿児島市内を一望できる場所に建てられている。
私はいつもレンタカーを利用しているのだが・・・
ホテルのエントランスに車を止めると、ベルスタッフがすぐにやってきて荷物を下ろしてくれる。
そのまま車を駐車場に回すと、駐車場とエントランスを往復する送迎車がすぐ後に付いてきていて、駐車するとともに送迎車に乗り込め、そのままエントランスへと運んでくれる。
エントランスを入ると、ポーターが荷物を一緒に運びながら、名前を聞いてくる。
フロント前に来ると、「佐々田様がお着きになりました」とフロントクラークへ伝えてくれる。
すると、フロント及びスタッフ全員が、「いらっしゃいませ」と声をそろえて挨拶してくれる。
フロントの後ろには、ド~~ンと桜島が控えている。
桜島を眺めつつ、受付を済ませると、再度、ポーターが部屋まで荷物を運び、ホテルの説明をしてくれる。
私の場合は、ホテルに着くのがほとんど夕刻のため、露天専用のウェアに着替え、そのまま露天風呂へと向かう。
地下1,000メートルから湧き出る温泉は、炭酸水素塩泉で、肌に優しくまとわりつき、肌がつるつるになることから、“美人の湯”といわれている。
夕刻であれば、夕陽に映える桜島と錦江湾、鹿児島市内の夜景が見下ろせる。
朝であれば、陽が昇るにつれて、威風堂々とした桜島の輪郭が見えてきて、完全に陽が昇ると爽やかな気分になれる。
ホテル内のレストランも、日本料理、フランス料理、広東料理と充実しており、郷土料理や焼酎をはじめ、きびなごの刺身、黒豚や黒毛和牛等々まるごと鹿児島が堪能できる。
今の時期であれば、フロント奥にある噴水のある中庭と、結婚式を挙げることの出来るチャペル付近のロイヤルガーデンはクリスマスのイルミネーションできらびやかに飾り付けられているのではないだろうか?
そして、このホテルの一番の“売り”は圧巻の朝食である。
朝食会場レインボーホールに行くと、スタッフ全員が、「おはようございます」と気持ちの良い朝を演出してくれる。
レインボーホール横の中庭の奥には桜島がめいっぱいに見えている。
入り口から入ると、手前が和食、奥が洋食になっており、中央まで進むと、スタッフがトレイを手渡してくれ、案内してくれる。
混雑時には、先にテーブルまで案内してくれて、自分の席を確保してくれる。
料理は、圧巻の80種類の料理が、所狭しと並んでいる。
和食は全部が郷土調理である。
つきあげ、きびなごの唐揚げ、黒豚、鰹の腹皮、肉味噌、さつまいも、桜島大根、etc・・
そして、極めつけは、錦江湾で取れたての真鯛やヒラマサが大皿2枚に鎮座しているのである。
もちろん取り放題である。
なんと、朝から贅沢ではないか・・・
私は和食派なので、洋食は食べたことがないのだが、洋食のレパートリーも凄い。
普通のホテルでは、ご飯や味噌汁は自分でよそわなければいけないが、このホテルでは、おかずを取り終わった一番最後に、スタッフが丁寧に給仕してくれる。
味噌汁は、赤だし、白味噌、時折田舎汁、ご飯は、白米、五穀米、おかゆ(餡もかけてくれる)の中から選択できる。
家内に言わせたら、「二泊して、一日目は和食、二日目は洋食と食べても、食べきれないね」とのことである。
デザートも、ミニケーキやらフルーツやらが、和食と洋食の間の中央奥に並べられている。
会田氏でも食べきれない量である(笑)
この豪華な朝食が、桜島を見ながら、味わえるのである。
そして、もう一つの私のお気に入りは、ソフトクリームが食べ放題なのである。
コーヒーとソフトクリームをカップにてんこ盛りにして、オープンテラスに場所を変え、桜島と対峙しながらの朝の一服・・・
至極の時間・・・
もちろん、この朝食で出るつきあげ、豚味噌、パンその他諸々は売店で買うことが出来る。
新潟とはまるっきり関係ない話をしてしまったが、このブログを見て、足を運びたくなった人もいるのではないだろうか?
これが、ハードとソフトを活かすという事である。
脱線ししすぎ(笑)
次回へ・・・。