前回の続き・・・。
N氏(ここで、名前を伏せているのは、問題が生じた際に矢面に立たないようにするためである)からの放射低減実験のレポートである。
N氏は、3月28日、川内村役場での担当者との面談の後、ガイガーカウンター(放射線量計測器)で計測して、川内村内で土を採取。
川内村を離れた帰路の途中、道路脇の土をガイガーカウンターで計測してみると、川内村よりも、更に強い放射線量が計測されたため、改めて、その土も採取して帰った。
私へのレポートでは、具体的な場所も報告されているのだが、そこに住んでいる人への配慮のために、敢えて、地名は伏せさせていただく。
採取した地点の、周辺中空の放射線量は8.7μSv/hを示した。
次の画像が、採取してきた土200gである。
放射線量を調べると、セシウム137のα線、β線、γ線の3線合計で27.72μSv/hを示した。
第1回目の実験。
セシウム含有土に、“emin99”*1gを1oomlの水で溶き、混ぜ合わせて、一日置き、乾燥させて、計測した結果が次の画像である。
セシウム137のα線、β線、γ線の3線合計は、24.00μSv/hを示した。
200gのセシウム含有土に対する“emin99”の濃度は、約0.005%程度である。
第2回目の実験。
第1回目と同様に、セシウム含有土に、“emin99”*1gを100mlの水で溶き、混ぜ合わせて、一日置き、乾燥させて、計測する。
セシウム137のα線、β線、γ線の3線合計は、20.37μSv/h・・・。
第3回目の実験。
同様に、セシウム含有土に、“emin99”*1gを100mlの水で溶き、混ぜ合わせて、一日置き、乾燥させて、計測する。
セシウム137のα線、β線、γ線の3線合計は、17.66μSv/h・・・。
第4回目の実験。
同様に、セシウム含有土に、“emin99”*1gを100mlの水で溶き、混ぜ合わせて、一日置き、乾燥させて、計測する。
セシウム137のα線、β線、γ線の3線合計は、16.46μSv/h・・・。
4回の実験で、大凡、放射線量半減の結果を得ることが出来た。
川内村役場の担当者は、本当に除染が可能であれば、国の予算をつけて取り組みたいと前向きだったらしい。
ただ、個人的な計測結果ではなく、然るべき機関のデータを欲しいと言うことだった。
現在、つくば市にある“とある機関”で、濃度や回数等まで考慮した放射線量低減の実験を行っている。
“とある機関”としたのは、妨害が入るのを避けるためである。
また、川内村役場の担当者は、雨等で流された場合はどうなるのかということを心配していたらしい。
これは、N氏が既に実験済みで、一度、“emina99”で放射線低減できた物を、洗い流したとしても、効果は持続するということが解っている。
川内村の農業は、米・葉タバコ・畜産・養蚕・高冷地野菜を種々に組み合わせた複合経営がほとんどであり、復興のためにも除染が急がれるということだった。
上記がN氏からの途中報告である。
また、4月25日に、「始まった住民帰還~福島・川内村の模索」というタイトルでNHK*クローズアップ現代で放送された。
川内村は、警戒区域だった地域の中で、初めて、役場や学校、診療所などの全機能を村に戻し、住民に帰村を促す“全村帰還”に、今月から取り組んでいる。
しかし、現実には、帰村したのは500人・・・。
村の人口3,000人の6分の1にしか過ぎない・・・。
村民の意志は、違うところにあるようだ。
川内村を後にした私は、再び、国道399号線から国道114号線を使い、田村市、葛尾村、浪江町、飯舘村を経由して福島市へ向かった。
やはり、閉鎖されたガソリンスタンド・・・。
入り口にバリケードをして避難している牧場や民家・・・。
放置されたままの地割れ・・・。
帰りは、日も暮れ始めていたので、自衛隊や警官、役場の人にも会うことも、対向車とすれ違うこともなく、無人の町を1時間以上、車を走らせることになった・・・。
次回へ・・・。