前回の続き・・・。
化粧品・医薬部外品であれば、色素調整のため、どれだけコチニール色素を使用しても良いと言うことで締めくくった・・・。
今までは、皮膚からの吸収は影響がないと考えられたからである。
大分大学の助教授によれば・・・
‘05年、当時20年代の女性が、アイシャドーを使用した2~3時間後に、突然、まぶたがかゆくなった。
また、別の日、イチゴ牛乳を飲んで、夜中に吐き気で目が覚めた。
そして、顔は腫れ上がり、全身に発疹ができ、呼吸困難になり、緊急入院することになったそうである。
そう・・・アナフィラキシーショックである。
数ケ月後、女性は、魚肉ソーセージを食べたり、リキュールを飲んだ時に、かゆみなどの症状が出た。
検査の結果、原因はコチニール色素をアレルゲンとするアレルギー反応ということが判明した。
アイシャドーも赤色系のアイシャドーで、リキュールも赤い色のリキュールだったらしい。
アイシャドー、魚肉ソーセージ、リキュール、全てに、コチニール色素が使われていたのである。
コチニールアレルギーの患者4人を診察したある医師は、「まず、コチニール色素を皮膚から吸収することで、アレルギーとなり、その後は、飲食によっても症状が出るようになってしまった可能性がある」と指摘している。
この医師が診察した患者4人は、全て、女性である。
原因は、女性の使用する口紅、アイシャドー、頬紅などの化粧品にコチニール色素が使用されていたことによるものと分かった。
皮膚からの吸収による慢性的なアレルギー症状の発症とは、「茶のしずく石鹸」と同じようなパターンである。
コチニール色素は、古くから染料に用いられてきたもので・・・。
ヨーロッパでは、カルミン酸を扱う工場で、作業員が、突然、呼吸困難や喘息になるという症例が報告されていたらしい。
含有物に対して厳しい規制を求めているアメリカでは、目の周囲に塗ってもよい化粧品の着色料に、カルミン酸が認められている。
我が国では、化粧品は全成分表示が義務付けられている。
日本化粧品連合会の成分表示名称リストにもコチニール・カルミン酸が含まれている。
厚生労働省は、5月11日の通知で、化粧品・医薬部外品については、コチニール・カルミンが含まれている場合、容器や外箱に記載するように改めて、業界に求めている。
ある大手化粧品メーカーでは、既に表示しており、ユーザーからの重い症例の報告は無いというのだが・・・。
悠香の例がある。
実際は、判っていたのだが・・・云々、とならなければいいのだが・・・。
また、食品業界でも、コチニールの低アレルゲン化も進んでいるらしい・・・。
例の虫を輸入して、色素を製造する大阪の会社では、タンパク質の含有量を三十分の一から四十分の一に減らした“低アレルゲンコチニール色素”を開発し、それ以降は、アレルギー症例の報告はないというのだが・・・。
茶のしずく石鹸の製造元であるフェニックスの例もある・・・。
もちろん、5月11日以前に製造・販売されているものに関しては、注意喚起の表記もない。
小麦粉ほどでは無いにしろ、我々の生活に随分浸透している着色料である。
アレルゲンとなったが最後、赤い食品のものは摂取できなくなるのだから、自身で警戒するしかない。
コンビニで、ハムサンドを買って食べて・・・。
居酒屋で、リキュールを飲んで・・・。
ひな祭りで、チラシ寿司を食べて・・・。
意識のないまま、救急車・・・ということは、出来るなら避けたいものである。
女装趣味の男性も気を付けたほうが良い・・・。
ひょんなことから、秘密がばれるかも知れない(笑)
冗談はさておき、口紅ではどうしようないが、化粧下地に光のしずくを使用していれば、頬紅・アイシャドー等のコチニールへのアレルゲン化は防げるかもしれない。
問題を起こした企業は、決して、ユーザー側には立たない。
歴史が証明している。
己の身は己で守れ。