面白い本を見つけたので紹介したいと思う。
タイトルは、『元素周期表で世界はすべて読み解ける』である。
鹿児島へ出張中、たまたま付けていたラジオに、この本の著者である吉田たかよし氏が出演していて、自身の著書を紹介していたのである。
そのラジオの中で、吉田氏が、「もしかしたら、人間の血は青かったかもしれないんですよ」と言っていた言葉に惹かれて、帰ってきてすぐに、ネットで注文をしてしまった。
元来、私は本の虫で、読むのが早いのだが、この本は面白すぎて、到着したその日に読み終わってしまった。
吉田氏は、東京大学に入学後、量子化学を専攻したらしい。
量子化学とは、電子の軌道を理論的に計算することにより、実験に頼ることなく化学反応の本質を解き明かす学問である。
こういう風に、紹介するだけで、頭が痛くなってきた人もいるのではないだろうか???
いえいえ、ご安心を・・・。
その後、吉田氏は、量子化学の研究に魅力を感じながらも、直接、人命に関わる仕事がしたいと考え、北里大学医学部に再入学し、医師免許を取得している。
現在は、受験生専門外来「本郷赤坂門前クリニック」を開設し、医師業の傍ら、テレビ等でも活躍している人物である。
吉田氏は、医師になった後、栄養素や毒素の研究をする中で、初めて周期表が役立つものだと実感したらしい。
医学や健康にどのように役立つかという視点で、元素を扱うことで、周期表を学ぶ上で、非常に重要だと説いている。
つまり、元素周期表は、我々の日常生活において、役に立つということである。
元素周期表と言うと、多くの方が、学生時代に厭な思い出を持っており、私の取り上げた題材に顔をしかめている人もいるのではないだろうか?
そうそう、「水兵リーベ・・・」と語呂併せで覚えさせられた、あの元素周期表である。
私は、結構、化学が好きだったので、今でも、30番まではすらすらと言えるのだが・・・。
殆どの方は、社会に出てからは、余り、目に掛けることもないと思うので、以下にリンクを貼るので、学生時代の厭な思い出を噛みしめながら、見てみるのも良いのではないだろうか・・・( ̄ー ̄)ニヤリ
何と、嫌みな奴なのだろう・・・私って(笑)
周期表の縦の列は、左から1族、2族、3族と順番に数字が付けられており、右端は18族になる。
族というのは、同じような性質を持つ元素が集められている物である。
周期表を見てみると、縦にスペード、ダイヤ、ハート、クローバーとトランプのマークが付いているのが判るだろうか?
スペードがアルカリ金属、ダイヤがアルカリ土類金属、ハートがハロゲン、クローバーが希ガスに分類される。
特に、この4種類は、周期表の両サイドに位置しているが、この縦の列の元素は、似たような性質を持っているのである。
もちろん、3族は希土類、4族はチタン族、5族はバナジウム族と、その他の族も分類されている。
また、1族、2族、及び12族~18族は典型元素と呼ばれ、元素の周期性が典型的に現れる。
一方、3族から11族は、遷移元素と呼ばれ、2族から12族へ移り変わるつなぎの元素と位置づけられている。
遷移元素は、縦のつながりが乏しい変わりに、横同士で元素の性質が似ているのである。
ここで、冒頭の、「もしかしたら、人間の血は青かったかもしれないんですよ」という吉田氏の台詞に結びつくのである。
血を舐めると、血の味がするという経験は誰でも持っていると思うのだが・・・。
これは、体中に酸素を運ぶために鉄を利用しているためである。
そして、血が赤いのは、赤血球内にあるヘモグロビンに“ヘム”と呼ばれる赤い色素があるからである。
ここで、周期表を再度見て欲しい。
鉄の元素番号は26、その隣に、元素番号27のコバルトがある。
遷移元素は横同士の性質が似ている。
つまり、もし、人間の身体が、酸素を運ぶのに、コバルトを選択していたとしたら、コバルトブルーの血が流れていたかも知れないという話である。
次回へ・・・。