前回の続き・・・。
医師である著者が言うには、医学を学べば学ぶほど、人体の中には宇宙の成り立ちの痕跡が残っているという。
我々、人間は、38億年という長い時間を掛けて、これまで進化してきた。
その長い過程に置いて、生命維持のために、様々な化学反応を利用出来ないかと、試行錯誤を繰り返し、子孫を残してきた。
とは言え、生命自らが、自分の意志で化学反応を試すことは出来ない。
偶然、環境に適応した化学反応を取りいれた生命体が、子孫を残し、それを出来なかった生命体は淘汰されていったことになる。
では、その化学反応を試すのに、何を利用したのだろう???
身の回りに、たくさん存在する元素が利用されたのである。
そうなると、当然、元素の誕生は地球上では起こりえないのだから、宇宙に由来してくるということになる。
人間を構成している元子の割合を知っているだろうか?
一番多いのは、水素(H)で62.7%、二番目が酸素で23.8%である。
これは、人体の大部分が水で構成されているからである。
水(H2O)は、水素(H)原子2個に、酸素(O)原子1個でできています。
その為、ほぼ水素(H)と酸素(O)の原子の数を比較すると、2対1に近い割合になる。
続いて、3番目に多いのが、炭素(C)で11.8%。
4番目に多いのが、窒素(N)で1.17%。
水素(H)・酸素(O)・炭素(C)・窒素(N)の4種類だけで99.5%を占めることになる。
つまり、ざっくり言ってしまえば、人間は、水素(H)・酸素(O)・炭素(C)・窒素(N)で構成された精密装置ということになるのだろうか?
この程度であれば、私自身も大体の知識は持ち合わせていたのだが・・・。
しかし、これを元素周期表で見てみると、実に面白いのである。
水素(H)は、第1周期、酸素(O)・炭素(C)・窒素(N)は第2周期に位置しているのである。
つまり、人体を構成している元素は、元素周期表の上部に位置し、原子番号が小さい元素に集中していると言うことになる。
では、残りの0.5%を見てみよう。
この人体に含まれる僅かな元素を、”少量元素”と言うらしい・・・。
5位・・・リン(P)*0.23%
6位・・・カルシウム(Ca)*0.22%
7位・・・イオウ(S)*0.04%
8位・・・ナトリウム(Na)*0.04%
9位・・・カリウム(K)*0.03%
10位・・・塩素(Cl)*0.02%
11位・・・マグネシウンム(Mg)*0.01%
これらの、役割については、改めて書かせていただくが、再度、元素周期表を見てみよう。
リン(P)・ナトリウム(Na)・塩素(Cl)・マグネシウンム(Mg)は第3周期に位置する。
カルシウム(Ca)・イオウ(S)・カリウム(K)は第4周期に位置する。
元素周期表上、人体に多く使われている元素は周期表の上部に位置し、少量しか使われていない元素は周期表の下部に位置しているのが判る。
更に、12位以降は、鉄(Fe)・亜鉛(Zn)・マンガン(Mn)・銅(Cu)と続き、人体は、この15の元素でほぼ構成されているらしい・・・( ゚д゚)ハッ!
地球上に100以上の元素があるというのに、人体がこれだけの元素で構成されていたということは知らなかった。
ちなみに、鉄(Fe)・亜鉛(Zn)・マンガン(Mn)・銅(Cu)も第4周期に位置している。
ここで、頭を痛められても困るので、あまり、深く掘り下げないが・・・。
原子の重さは、原子を作っている粒のうち電子はとても軽いので、原子自体の重さはほとんどが原子核の重さと言っていい。
つまり、原子番号が小さいほど軽いと言うことになる。
また、原子の大きさは、周りを飛んでいる電子の量で決まる。
原子番号が小さいほど小さいと言うことになる。
結論として、人体には、周期表上段に位置する軽くて小さい元素が多く使われ、周期表中段に位置するやや重くやや大きい元素が少し使われ、周期表下段に位置するような重くて大きい元素は、全く使われていないということになる。
これがどういう事かというと、宇宙にも、周期表上部に位置する元素が多く存在し、周期表下部に位置する元素は少量しか存在しないということに由来するかららしい・・・。
次回へ・・・。