前回の続き・・・。
前回、“我々の身体は、ナトリウム(Na)とカリウム(K)をどのように利用しているのか?”というテーマで寄稿した。
では、何故、ナトリウム(Na)とカリウム(K)を選択したのだろうか?
筆者によると、決して、偶然の産物ではなく、必然的だったということである。
前段でも書いたが、我々、動物の身体の中では、細胞の外側にあるのは、リンパ液と血液である。
しかし、単細胞生物の時代まで、遡るといかがだろう?
単細胞時代は、自分の周りは、海・・・。
海水に含まれるプラスイオンの元素で、圧倒的に多いのは、ナトリウム(Na)ということである。
つまり、単細胞時代は、外側から入ってくる元素は、ナトリウム(Na)以外の選択肢はなかったということである。
もし、誤って、他の元素を選択していたとすると、細胞の外に元素が少ないので、プラスイオンを取り込もうにも取り込めず、反応にものすごい時間が掛かり、あまり役に立っていなかったということになる。
ナトリウム(Na)を始めとする1族の元素は、一番外側の電子を手放し、プラス1価のイオンになるため、水に溶けやすい性質を持っている。
そのため、海水に豊富に含まれる結果になったのである。
更に、1族元素の中で、ナトリウム(Na)が宇宙でも最も多く作られ、その影響で、海にもナトリウム(Na)が豊富に含まれ、ナトリウム(Na)を選択したのは、必然的だったということらしい・・・。
細胞の外側から内側に入ってくる元素が、宇宙や海での存在数からナトリウム(Na)と決まったのであれば、今度は、内側から外側へ出て行く元素を決めなければいけない。
ここで、幾度目かの、元素周期表の登場である・・・キタ━(゚∀゚)━!!!!!!!
この元素も、ナトリウム(Na)同様、コントロール出来ないといけない。
そうなると、性質がよく似た、ナトリウム(Na)のすぐ上に位置するリチウム(Li)か、すぐ下に位置する(K)の二つに絞られてくる。
しかし、海中での元素の存在数は、圧倒的にカリウム(K)が多い。
つまり、カリウム(K)も、細胞の内側の元素として、必然的に選ばれたと言うことになる。
如何に、我々の身体が、宇宙に由来し、海に由来しているかがわかる・・・。
話は変わるが、「健康のために食塩を取りすぎてはいけない」というのは、良く聞く話である。
以前、高血圧と塩分というテーマで寄稿したことがあるので、興味があれば、読んで欲しい。
以下は、前回の補完する意味にもなると思う。
食塩=塩化ナトリウム(Nacl)と言うのは、今更、説明するもまでも無いと思う・・・。
要は、ナトリウム(Na)イオンと塩素(Cl)イオンが結合した結晶が、塩である。
しかし、塩素(Cl)イオンは、取りすぎても尿から出て行くのだが、ナトリウム(Na)イオンは取りすぎると、体内に残留してしまうらしい。
一方、「カリウム(K)は豊富に取ろう」という話も、最近、良く耳にする。
何故、同じような働きをしているナトリウム(Na)とカリウム(K)とで、扱いが変わるのだろうか???
著者によれば、我々、生命が海から陸上へと生活の場を変えたことに由来するらしい。
当然、陸上に上がれば、海で生活していたときと違い、簡単にナトリウム(Na)が手に入る環境ではない。
ナトリウム(Na)不足に陥れば、我々は、確実に死んでしまう・・・(||゚Д゚)ヒィィィ!
そこで、我々は、進化を遂げるに辺り、“ナトリウム(Na)を取りたくて仕方なく感じる”ように、脳の中に、特別な機能を備え付けたのである。
これを、医学的に、“食塩欲求”と言うらしい・・・。
しかし、残念ながら、何故、塩分が欲しくなるのかという詳しいメカニズムは、未だに解明されていないらしい・・・。
一方、カリウム(K)については、食料となる植物の細胞に豊富に含まれていたため、不足感・飢餓感を訴える機能は不要になったということである。
こうして、ナトリウム(Na)とカリウム(K)のバランスは、普通にしていれば取れるはずだったのだが・・・( ̄ー ̄)ニヤリ
次回へ・・・。