前回の続き・・・。
あなたは会社の健康診断で、『要再検査』あるいは『要精密検査』と診断されたら、どんな気持ちだろう???
不安になり、速やかに再建を受ける人もいるだろう・・・。
あるいは、「何も自覚症状はないし、大丈夫だろう」とか、「何を言われるか怖いので、受診を先延ばしに・・・。」などと言う人もいるだろう・・・。
しかし、それががん検診の場合はどうだろう???
殆どの方が、不安にかられ、早期に病院へと足を運ぶのではないだろうか?
そして、医師に、「早期発見です。良かったですね。」とでも言われたら、如何だろう???
「早期発見で良かった・・・。」
「手術すれば助かる・・・。」
がん宣告された人の多くは、こう思うのではないだろうか?
では、早期発見とは何だろう???
一般的に、がんの場合の早期発見とは1cm位のがんの発見を言う。
では、1cmのがんにはどれくらいの細胞かあるかご存知だろうか?
がん細胞の大きさは、10μm(ミクロン)と言われている・・・(@・Д・@)??
10μmとは、1mmの100分の1の大きさである。
細胞は、1個が2個、2個が4個、4個が8個、8個が16個、16個が32個という風に、ネズミ算式に分裂して増えていくということはご存知だと思う。
しかし、正常細胞の場合は、今シリーズの第2回目で寄稿したように、「アポトーシス (apoptosis)=細胞死」が働き、無限に増えていくことはない。
がん細胞の場合は、何回分裂しても死滅せず、増殖を続けてしまうということになる。
つまり、がん細胞に寿命はないということである・・・(・、・)フーン
では、先ほどの1cmのがんには、いくつのがん細胞があるのだろう???
がん細胞の大きさは10μmだから、1,000×1,000×1,000=1,000,000,000(10億個)ということになる。
10億個・・・Σ( ̄ロ ̄lll) ガビーン
1cmで10億個のがん細胞と聞くと、結構、衝撃的ではないだろうか?
では、この1cmの早期発見と言われるがんはいつごろ出来たのだろう???
「がん細胞は、正常細胞よりも、細胞分裂のペースが遅い」と言われている。
また、「同じ人間のがんは、一定の速度分裂している」と考えられている。
がんの成長速度に関して、検索していたら、実際にがんにかかった方がブログにその成長の速度を掲載していたので、引用させてもらう。
たまたま、この方(渡辺さん)は、近藤誠医師のいとこが高校の後輩という関係で、放置療法を取ったようである。
もしかしたら、近藤誠医師の著書で紹介された方かも・・・?
http://lumokurago.exblog.jp/9160364
発見時・・・5mm
6年後・・・4cm
直径が8倍なので、体積はその3乗で512倍。
512は2の9乗なので、9回の細胞分裂があったと推定。
9回分裂に6年。
1回の分裂速度は8ヶ月。
これを逆算していくと、早期発見時の5mmのがんになるには27回の細胞分裂が必要になる。
27(回)×8(ヶ月)=216(ヶ月)
つまり、早期発見時の18年前にがん細胞は出来ていたと言うことになる。
原文をそのまま引用すると・・・。
「この計算によると、このがんは私が22歳の時にできたということになります。
私にはリンパ節転移がありました。それを1cmとして計算すると、1cmになるまでには30ダブリングしています。原発がんは4cmなので、36ダブリングしており、つまり36ー30=6で6ダブリングした時に転移したことになります。つまりがん細胞が64個でがんができてから4年目ということになります。」
つまり、22歳でがんが発生し、26歳には転移がんとなっている訳である。
しかし、5mmの原発がんが見つかるのは、それから14年後ということである。
如何だろう???
アンジェリーナ・ジョリーの選択は正しかったのだろうか?
病気の治療や予防は個人で考える問題である。
ご自身で答を見つけて欲しい・・・。