前回の続き・・・。
Q. 日本ではどのように安全性のチェックをしているのですか?
A.申請者は、開発した品種ごとに厚生労働省に、安全性審査の申請をします。これに対し、厚生労働省は専門家で構成される食品安全委員会に安全性の評価を依頼し、食品安全委員会は安全性の評価(食品健康影響評価)を行います。最新の科学的知見に基づく評価の結果、その安全性に問題がないと判断した食品を厚生労働省が公表します。
※安全性評価(食品健康影響評価)に関する報告書については食品安全委員会ホームページをご覧ください。(http://www.fsc.go.jp/senmon/idensi/index.html)
声:「何の何に対する安全性なんだろうか?」
Q.安全性はどうやってチェックするのですか?
A.?組み込む前の作物(既存の食品)、組み込む遺伝子、ベクター(遺伝子の運び屋)などはよく解明されたものか、人が食べた経験はあるか?
?組み込まれた遺伝子はどのように働くか?
?組み込んだ遺伝子からできるタンパク質はヒトに有害でないか、アレルギーを起こさないか?
?組み込まれた遺伝子が間接的に作用し、有害物質などを作る可能性はないか?
?食品中の栄養素などが大きく変わらないか?
などについて科学的なデータを基に評価し、総合的に判断しています。
※以上のデータを総合的に評価しても、なお安全が確認できない場合は、必要に応じて動物を使った毒性試験などを行います。 新たな科学的な知見が生じた場合は再評価を行います。
声:「ん?人が食べたことがあるかって、海外での軽い人体実験がベースになるのか?」
Q. アレルギーの評価はどのように行っているのですか?
A.組み込んだ遺伝子によって作られるタンパク質がアレルギーを起こさないかチェックしています。具体的には次のことをチェックし総合的に判断しています。
①人の胃液や腸液、加熱処理で速やかに分解されるか、分析して確認する(アレルゲンは胃液や腸液で消化されにくく、加熱しても安定的とされている)。
②アミノ酸配列の構造が既に知られている食物アレルゲンと似ていないかどうかを最新のデータベースで確認する。
声:「データベースにない未知の物に関してはスルーパスということか・・・?新たなアレルゲンを作る可能性もあるって事だな・・・?」
Q.輸入時の検査はどうなっていますか?
A.安全性が確認されていないGM食品が輸入されていないか、遺伝子組換え食品の輸入時の届出が正しく行われているかをチェックするため、平成13年4
月から検疫所において輸入時検査を行っています。
声:「チェックと言っても、10%サンプリング調査だから、税関を通り抜けてしまえば、後の野となれ山となれ・・・。」
Q.検査の対象は?
A.日本で安全性の審査が終了していない遺伝子組換え食品で、かつ、外国で商業的に栽培されているなど、日本に輸入される可能性があるものを中心として実施しています。
現在次の食品を対象としています。
・日本で安全性審査が終了していないもの(対象品種)
①米(63Bt、NNBt、CpTI、LLRICE601)
②パパイヤ(PRSV-YK)
③なたね(RT73 B.rapa)
④亜麻(FP967)
声:「日本に輸入される可能性があるものを中心・・・?想定外のものはどうするんだ・・・???」
Q.検査法は?
A.遺伝子組換え食品中に新しくできたタンパク質を検出する方法と、組み込まれた
遺伝子を直接検出する方法があります。これらの方法を組み合わせて、検査を行っ
ています。
声:「ふ~む・・・。」
Q.どのような表示がされますか?
A.GM食品には表示が義務付けられています。
GM食品は、IPハンドリング(分別生産流通管理)により、農産物を、種子の選定から生産、流通、製造に至るまで、各段階で善良なる管理者の注意をもって分別管理され、その旨について生産・流通・加工の各段階ごとに、証明書の添付が義務付けられている管理されています。GM作物と非GM作物の混入が起こらないよう管理されています。しかし、製造の過程で組み込まれた遺伝子やその遺伝子が作る新たなタンパク質が技術的に検出できない場合には、表示は義務付けられていません(例:油やしょうゆなど)。加工食品については、その主な原材料(全原材料に占める重量の割合が上位3位までのもので、かつ原材料に占める重量の割合が5%以上のもの)にあたらない場合は、表示が省略できることになっています。
声:「善良なる管理者ねぇ・・・・。アメリカでの現状を後述するが、ふ~ん。」
次回へ・・・。