前回の続き・・・。
前回、米国コーネル大学ジョン・E・ロゼイ助教授の論文を翻訳し、GM作物の毒性が次世代に伝えられる危険性と、その花粉が、生物たちによって、拡散される危険性があることをお伝えした・・・。
しかし、GM作物の驚異はそれどころでは済みそうにないのである・・・( ̄□ ̄;)エッ!!
まず、Btコーンのような作物が作りだす殺虫毒素に、耐性を持つ害虫が増加しているが報告されているのである・・・。
そして、ラウンドアップに代表される強力な除草剤でさえ、効かない雑草が増加していることも報告されているのである・・・。
( ̄ー ̄?)…..??アレ??
遺伝子組み換えによって、ある特性を持たせた作物を栽培したい・・・。
→しかし、害虫が来る・・・。
→そこで、害虫が来ないように、遺伝子組み換えで害虫のみに効果を発揮するBt作物を栽培する・・・。
→更に、雑草処理の手間を省くため、除草剤を使用する・・・。
→しかし、除草剤が非選択性除草剤のため、植物の種類に関係なく効果を発揮するので、本来の作物も成長できない・・・。
→そこで、遺伝子組み換えによって、除草剤に耐性を持つ性質を付加する・・・。
→これで、害虫なし、雑草無しで完結!・・・の予定だったはずなのに・・・。
結果
→Bt作物をエサとする害虫に作物は壊滅・・・オイオイ・・ (;´д`)ノ
→除草剤を撒いても雑草が生える・・・┐( -_-)┌ ヤレヤレ
単純に自然を舐めた結果だな・・・(´д`)y━。oO○
GM作物大国のアメリカでは、研究者が想像さえしなかった害虫が生まれている・・・(∵)?
2002年12月4日のNature誌に、ノースカロライナ州立大学のフレッド・グールド(Fred Gould)博士が発表している・・・。
原文はこれ!
http://www.nature.com/news/1998/021202/full/news021202-3.html
ノースカロライナ大学のフレッド・グールドらが行った調査では、オオタバコガの幼虫が、夏の間は中西部でトウモロコシを食べて育ち、秋になると成虫となって南部に渡り、そこで生まれた幼虫が綿を食べるということが分かったのである。
このテーマも少し重要なので、訳を紹介してみたいと思う・・・!
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グールド博士等は、考古学者が開発した方法を用いて、コットンボールワームあるいはトマトフルーツワームとして知られているアメリカタバコガ(Helicoverpa zea)という蛾を追跡した。
合衆国南部のワタのうち40~60%は、遺伝子組み換えにより、バチルスチューリンゲンシス由来のバクテリアのBt毒素遺伝子をもっている。これによって、この綿は多くの害虫を殺す毒素を作り出せる。そして、この技術によって、400億ドルという作物の減収を防いだ。
アメリカタバコガは、実験室内ではBt毒素への耐性を獲得し、もし、野外で数世代にわたって毒素にさらされれば、耐性が強まる恐れがある。
それゆえ、影響が残る害虫を確保すると伴に、南部で栽培されるBt綿とコーンの総量は厳しく管理されている。農家は、遺伝子組み換え作物の農場の間に、非組換え作物の“避難所”をつくらねばならない。
同じ蛾が、アメリカ中西部ではコーンを食べ、更に、遠く離れた南部では綿を食べるというグールドの発見により、“避難所”戦略だけでは、耐性を持つ害虫が拡散することを食い止めることはできないことが示唆された。
さしあたり、この発見はきわめてよいニュースである。今日、中西部では、遺伝子組み換え綿ほど害虫に効果を発揮しないため、Bt毒素を持つコーンは約25%程度でしかない。
それで、残りの75%が、アメリカタバコガのBT綿への影響を補助しているのである。この発見に「非常にワクワクする」と語るアリゾナ大学昆虫学者のブルース・タバシュニックは、「コーンが大きな“避難所”として働いている」と言っている。
しかし、まもなく起こることだろうが、仮にBtコーンの割合が増加すると、夏の間ずっとBtコーンを餌にするアメリカタバコガは、急速に耐性を持つかも知れない。
その年の秋、南部に移動し、綿を食べることにより、アメリカタバコガの子孫たちは同様に、Bt綿にも免疫ができてしまうだろう。「もし中西部の90%のコーンがBtコーンになれば、非常に困った事態になるだろう。」とグールドは述べている。
さて、少し長くなったので、次回へ・・・。