3月15日寄稿のブログで、愛媛県松山市で青果卸業を営んでいる本多商店の話を書いた。
本日、本多さんから電話があった。
前回、お会いした際に、米を作るということと、町おこしに味噌を作ってみたいという話をしていた。
今回の電話では、味噌に使う大豆自体も抗酸化で作ってみたいという提案だった。
大いに賛成である。
日本の食文化にとって、味噌、醤油、豆腐、納豆、等々と大豆は欠かせない存在である。
ところで、皆さんは、大豆の国内自給率をご存じだろうか?
少し古いデータしかないのだが、’05年度国内生産は約22万トンである。
では、国内消費量はというと、約434万トンにものぼる。
つまり、約412万トンを輸入に頼り、国内自給率はわずか5%にしか過ぎないということである。
輸入先は、アメリカが74.8%、ヴラジルが13.5%、カナダが7.3%、中国が4.4%、オーストラリアが0.1%になっている。
では、この434万トンの大豆は何に使われているのだろうか?
約71%は大豆油の原料である。
5%が飼料その他に使われ、残りの24%が食品向けとして使われ、味噌、醤油、豆腐、油揚げ、納豆、豆乳などの用途へ使用されている。
内訳としては、豆腐・油揚げが11%、味噌・醤油が4%、納豆が3%、豆乳・凍り豆腐が1%、その他として4%になる。
ここで気になるのは、これらの食品の中で国産大豆は何にどのくらい使われているかである。
ある調査では、豆腐・油揚げが16.2%、味噌・醤油が15.8%、納豆が7.4%が国産大豆使用と言うことらしい。
・・・となると、国内産とかを気にせず、商品を購入している人は、ほとんど輸入大豆のものを口にしていると言うことである。
世界の大豆生産量を見てみよう。
全世界で、21,957万トンが生産されている。
アメリカが約8,400万トンで38.3%、ブラジルが5,500万トンで25.0%、アルゼンチンが4,0.0万トンで18.4%、中国が1,740万トンで7.9%、インドが680万トンで3.1%、パラグアイが370万トンで1,7%、カナダが316万トンで1.4%、その他が898万トンで4.1%である。
日本は全体のわずか0.1%にしか過ぎない。
しかし、果たして輸入大豆は安心して食べることが出来るのだろうか?
以前、アメリカは、石油燃料からバイオ燃料への代替政策を強く進めているということを書いた。
この馬鹿な製作によって、世界最大の産地であるアメリカの生産現場には、大きな変化が起こっている。
まずは、大豆が食用ではなく、バイオ燃料用に流れている。
更に、トウモロコシのほうが、利益大きいため、生産者が大豆からトウモロコシに作物転換するケースが増えている。
強いては、生産量が減り、価格への影響も避けられなくなってきている。
それだけではない。
大豆の使用目的が、燃料や食用油にシフトすることで、アメリカの生産者は栽培し易い遺伝子組み換え大豆へと移行しているのである。
得体の知れない遺伝子組み換えは日本人には受け入れがたい存在だが、次回は大豆においての遺伝子組み換えの現状を書きたいと思う。