今日で、“東日本大震災”から 8 年の月日が経過したことになる。
被災していない人間の 8 年と被災された方の 8 年・・・。
それぞれ、どのような時間経過だったのだろうか?
日々の生活に忙殺されて、あの痛ましい災害を忘れかけている人も多いのではないだろうか?
私が住む大阪でも、昨年 6 月 18 日、震度 6 弱以上の揺れを観測する“大阪府北部”地震が発生した。
被害の規模は全然違うのだが、震源に近い高槻市・茨木市を中心に、地震直後から、被害を受けた家屋の屋根にブルーシートがかけられているのが数多く見られた。
その直後に、西日本から東海地方を中心に広範囲の多く の観測点で観測史上 1 位の雨量の記録を更し、“平成 30 年 7 月豪雨”と名付けられた豪雨が被災地にも影響をもたらした。
地震で被害を受けていなかったと思われた家屋の屋根にもブルーシートがかけられていった。
そして、地震から約 2 ヶ月半後に近畿地方に大きな被害をもたらした“台風 21 号”が、被災地に追い打ちをかけた。
地震、豪雨、台風と立て続けに襲われた近畿地方・・・。
特に、トリプル被災を受けた高槻市・茨木市周辺では、修理が不可能になったためか、家を手放す人も増え、アチコチに「売家」という看板が見られるようになり、あるいは更地になっている土地が現在も増えていっている。
以下の動画は、昨年末に、飛行機に乗った際に、大阪市上空から伊丹市にかけて撮った動画である。
ブルーシートが散見されるのが分かると思う。
これが高槻市・茨木市上空になるともっと多くなるのだろう・・・。
ただ、幸いと表現すると語弊があるかもしれないのだが、まだ、家屋が・・・、土地が・・・、残っているのである。
東日本大震災では、長年、暮らした我が家が、多くの思い出とともに、跡かたなく流され、土地でさえ、どこが自身の土地なのか分からなくなられた方が大勢いらっしゃる。
この 8 年の間に幾度となく訪れた被災地では、インフラの整備の進み、海岸に長く築かれた防潮堤、市街地の嵩上げ工事、住宅地の高台移転等々、驚くべきものがあった。
前年同様、現在の状況をデータから見てみたいと思う。
復興庁から、平成 31 年度 1 月末時点での公共インフラの本格復旧・復興の進捗状況が発表されている。
公共インフラの本格復旧・復興の進捗状況(平成 31 年 1 月末時点)
■住まいの再建は、昨年(平成 30 年 1 月末)に比べ着実な進捗がみられる。
・災害公営住宅完了率・・・ 94% → 98%
・民間住宅等用宅地完了率・・・ 82% → 94% (戸数)
>>>防災集団移転促進事業完了率・・・ 97% → 99% (戸数)
>>>土地区画整理事業完了率 ・・・69% → 90% (戸数)
>>>漁業集落防災機能強化事業完了率・・・ 90% → 99% (戸数)
《公共インフラの本格復旧・復興の進捗状況①》
〇安全・安心のための基盤整備関係(被災地域の安全を確保するための各種インフラの復旧・復興状況)
■海岸対策
◎本復旧・復興工事に着工した地区海岸と本復旧・復興工事が完了した地区海岸の割合 → 99% 着工(うち 52% 完了)
■海岸防災林の再生
◎本復旧工事に着工した海岸防災林と本復旧工事が完了した海岸防災林の割合 → 99% 着工(うち 69% 完了)
・要復旧延長・・・ 164km※
※ 青森県 ~ 千葉県における延長(避難指示区域を含む)
➡着工延長・・・ 163km
➡完了延長・・・ 113km
■河川対策(轄区間)
◎本復旧工事が完了した河川管理施設(直轄管理区間)の割合 → 100% 完了
・被災した河川管理施設の箇所数・・・ 2,115 箇所
➡完了箇所数・・・ 2,115 箇所
■河川対策(県・市町村管理区間)
◎本復旧工事が完了した河川管理施設(県・市 町村管理区間)の割合 → 93% 完了
・被災した河川管理施設の箇所数・・・ 1,074 箇所
➡完了箇所数 996 箇所
■下水道
◎通常処理に移行した下水処理場※の割合 → 100% 完了
※ 被災前と同程度の放流水質まで処理が 実施可能となった処理場。
・移行済みの処理場数・・・ 73 処理場
➡災害査定を実施した処理場数・・・ 73 処理場
◎復興まちづくり計画に基づき下水道事業を計画し、処理場またはポンプ場の整備を 含む地区数のうちの割合 → 100% 着工(うち 60% 一部供用開始、16% 完了)
・計画地区数・・・ 25 地区
➡下水道事業に着工している地区数・・・ 25 地区
➡下水道事業が一部供用開始した地区数 ・・・16 地区
➡下水道事業が完了した地区数 ・・・ 4地区
■水道施設
◎通常査定※
※ 復旧方法を確定させた上で実施した災害査定。(避難指示区域を含む)
本復旧・復興工事に着工・一部供用開始・完了した水道事業数の割合 → 100% 着工(うち 98% 完了)
・査定 ・・・184 事業
➡着工・・・ 184 事業
➡完了・・・ 181 事業
◎特例査定※
※ 特例査定復興計画が定まらず復旧方法が確定しない地区において実施した災害査定。
本復旧・復興工事に着工・ 一部供用開始・完了した水道事業数の割合 → 100% 着工(うち一部供用開始 100% 、 完了 35% )
・査定・・・ 46 事業
➡着工・・・ 46 事業
➡一部供用開始・・・ 46 事業
➡完了・・・ 16 事業
■災害廃棄物の処理
◎災害廃棄物の処理が完了した割合 → 100% 完了
・推計量・・・ 1,843万t※
➡処理量 ・・・1,843万t※
※ 市街地復興パターン検討調査 を実施した 43 市町村分に限る。
《公共インフラの本格復旧・復興の進捗状況②》
〇交通関係(被災地の交通ネットワークの復旧・復興状況)
■交通網(道路・直轄区間)
◎本復旧が完了した道路開通延長の割合 → 99% 完了
・主要な直轄国道※の総開通延長・・・ 1,161km
➡完了済み開通延長・・・ 1,160km
※ 避難指示解除準備区域等を含む
※ 岩手、宮城、福島県内の国道 4 号、 6 号、 45号に限る。
■交通網(道路・県市町村管理区間)
◎本復旧が完了した 道路路線数の割合 → 97% 完了
・被災した道路の路線数・・・ 6,288路線
➡完了済み路線数・・・ 6,089路線
■交通網(道路・復興道路・復興支援道路)
◎復興道路・復興支援道路の着工率及び復興道路・復興支援道路の整備率 → 100% 着工(うち 62% 完了)
・計画済延長・・・ 570km※1
※1 工事着手したIC間延長
➡着工済延長・・・ 570km※2
➡供用済延長・・・ 353km
※2 事業中区間と供用済区間の合計
■交通網(鉄道)
◎運行を再開した鉄道路線延長の割合 → 97% 完了
次回へ・・・。