「真実の口」1,026 訃報

11月22日、新潟出張中の私に、闘病中だった抗酸化関係者の訃報が届いた。

(届いたのが中国版LINEのWe Chat!だったので、気付いたのが昨日-11月24日-だった。)

当ブログでも幾度となくご紹介させて頂いているKTS上海貿易有限公司の代表取締役の田口正幸氏である。

田口社長との出会いは、14年5月・・・。

大阪の事務所にお出で頂いたのが最初である。

その際、日本企業の中国現地法人の社長をなされていた方で、同じ会社で働いていた有志数人と、新たに自分等で起業し、抗酸化ビジネスを展開したいというお話だった。

ご自身が、中国でビジネスをしていくうちに、ストレスのためか、身体を壊してしまい、色んな治療法を模索する中で、抗酸化に出会い、健康回復が出来たのが切欠だとおっしゃっていた。

私自身、あとで知ることになるのだが、一部上場企業の社長をしていて、身体を壊し、休養を兼ねての中国現地法人の社長をなさっていたらしい。

その年の7月には、現地ショールームを抗酸化処理するための現地指導にも直接行かせていただいた。

それからも折に触れ、私の中国でのビジネス展開に陰になり日向になり、色んな助言をして頂いた。

人脈の広い田口社長は、2年掛けて、中国での抗酸化ビジネス展開の種を撒き、大きなビジネス話が舞い込んできているというのを聞くに及んで、楽しみにしていた矢先である。

8月中旬、田口社長の右腕である栗崎さんから、田口社長が体調を崩し、帰国して検査したところ、進行性胃ガンと悪性リンパ腫の診断が出たという連絡が入った。

寝耳に水というのはこういうことを言うのだろう。

栗崎さんは、急遽、帰国して、田口社長の家を抗酸化工法でリフォームして、万全の体制を整えると言うことだった。

私も出来る限りのことをさせて頂こうと、試作中の温熱マット、天心丸、天心ペンダント、天心粉等々を送らせて頂いた。

商品にはなっていないので、詳細は省かせて頂く。

また、生意気だがある著書にヒントを得て、ガン患者に必ずお伝えする7箇条もメールで送らせていただいた。

①癌は自身の究極の免疫細胞であり、決して恐れないこと。
②病は気から、病気に罹っていても、病人になりきらないこと。
③癌は人生あるいは生活の一部であり、決して、癌オンリーの日常を送らないこと。
④「治らなかったら・・・。」という不安を抱えるよりも、「治ったら、やりたい。」ことを紙に書いて、それに向かって日々を送ること。
⑤癌に罹った原因は誰にもわからないので、自身を責めず、過去を顧り見ず未来を向くこと。
⑥「アレしちゃ駄目、コレしちゃ駄目」とストイックにならないこと。一人一人の癌はそれぞれ違うDNAを持っています。つまり、癌にも個性があるということ。巷に溢れる情報は、田口さんには合わないということ。
⑦周囲の助けを受け入れ、一人きりにならないこと。ただし、マイナス思考の方は遠ざける。

栗崎さんからは、「田口も前向きでガンから復活して抗酸化の効果を証明すると言っております。」というメールを頂いた。

数日後、体調も芳しくないだろうに、田口社長からも長文のお礼のメールが届いた。

その後も、抗酸化グッズを使いながら、回復に全力を注いでおられた。

療養に入り、一ヶ月くらいした頃、栗崎さんから、「髪の毛が黒くなって増えていて驚いた。」という報告を受け、一安堵した。

田口社長から、時折、届けられるメールでは、「副作用がなく助かっています。」、「癌が縮小してきました。」等々の期待をもてる内容も書かれていた。

メールには常に田口社長の人柄を表すような感謝の言葉が添えられていた。

今月、上旬、上海に行った際、KTS上海貿易有限公司を訪れ、今後のビジネスに繋がるような取引先に抗酸化の説明をさせて頂いたのだが、その際にも、病床から、感謝のメールが届けられた。

大企業の社長を務められながら、本当に腰の低い方で、お会いする度に、見習わなければいけないなあと思っていた。

しかし、田口社長は、「色んな人間と出会ってきましたが佐々田さんのような人間には会ったことがない。絶対、変わらないで下さいね。」とおっしゃるのである。

田口社長と酒を酌み交わしながら、抗酸化ビジネスの将来の展望を熱く語った日は忘れない。

そして、ここでは明かさないが、家庭環境に似た境遇があり、密かに兄のように慕ってもいた。

これからもビジネスを越えた付き合いができると思っていた。

病気が発覚して、わずか3ヶ月という事を考えれば、私と最初にお会いした頃には、既に、病に罹られていたのだろう。

それが抗酸化生活を送ることで発病を遅らせていたのではないだろうか?

しかし、中国という劣悪な環境では身体の蝕みを止めることはできなかったのかもしれない。

今日の全国紙のお悔やみ欄に訃報が掲載されて、改めて、現実として受け入れなければいけないことを実感した。

中国に抗酸化を根付かせるために、日夜、頑張り続けてきた田口社長。

志半ばでのご逝去は残念でならないと思う。

ご冥福をお祈りします。

これも不如意である。