前回の続き・・・。
陳:「鍋の味はどうされますか?」
私:「判らないのでお任せします。」
陳:「はい。では、こちらで選びます。」
私:「どうぞ。」
しばらくすると、2つに別れている鍋が運ばれてきて、白色のスープと見るからに辛そうな唐辛子ベースのスープが入れられていた。
陳:「一番人気の白湯(パイタン)スープと麻辣(マーラー)スープの組み合わせです。」
私:「OK!」
陳:「では、向こうに薬味が置いてありますので取りに行きましょう。」
私:「了解!」
行ってみると、様々な薬味達が所狭しと並べられていた・・・。
適当に取って席に戻ると、次から次へと料理が運ばれてきた。
見慣れない赤い固まりの料理を入れようとするので、それが何か聞いてみた。
私:「それって何?レバー?コンニャク?」
陳:「鴨血(ヤンシュエ)と言って、鴨の血を固めたものです。」
私:「ああ・・・!血を固めた奴ね・・・!!」
因みに、中国では、血液は高栄養の液体と理解され、血液を食するのは極々当たり前のことである。
私も今まで、豚血、猪血を食べさせられてきた・・・。
これらも、ただ動物の血を固まらせただけの物である。
どんどん食材が2つの鍋に消えていく・・・。
そして、私の皿に次から次へと盛られていく・・・(;´∀`)・・・うわぁ・・・
中国式の歓待の仕方とはいえ、自分のペースで食べられないこのスタイルは何度食べても慣れる物ではない・・・。
しかし、そこであることに気付いた・・・ゥ─σ(・´ω・`*)─ン…
声:「ん?何か俺のだけ麻辣スープの割合が多くないか?」
私:「皆、麻辣スープの分は食べないの?」
陳:「辛いですから・・・。」
私:「えっ!その辛いの食べるのが目的じゃないの?」
陳:「みんな辛いのはちょっとだけで、殆どが白湯スープで食べます。」
前にいる二人に聞いてみる。
私:「二人ともそうなの?」
陳さんが通訳している。
2人:「是(シー)。」
私:「え~っ!うそ~!!」
そして、ここで驚くべき発言が・・・!
陳:「佐々田さん。イエさんは、叶董事長の息子さんなんです。」
私:「え~っ!!!」
陳:「はい。」
私:「だって、叶董事長を紹介された時、ヨウさんて紹介されたよ。」
陳:「多分、叶という漢字は、日本語の葉の簡体字だからじゃないですか?」
私:「え~っ!親子だったら、最初から、そういう風に紹介してよ~。何で最終日の夜なん?」
陳:「すいません。」
声:「ああ・・・。もしかしたら、一番最初に日本に来られた呉さんが担当から外されたのは、自分の息子を担当者にするため・・・?」
ついつい、穿った見方をしてしまう私・・・(¬д¬。) ジーーーッ
陳さんがお手洗いへと席を外した時に、彼に英語で話しかけてみた・・・。
陳さんからの情報で、オーストラリアの大学へと留学していたらしいので、英語であれば会話が出来るだろうと思ったからである。
私:「I heard from Ms. Chin, did you study in Australia? (訳:陳さんから聞いたんですが、オーストラリアに留学していたんだって?)」
叶:「Yes. (訳:はい。)」
私:「Yeah! Are you fluent in English? (訳:じゃあ、英語はぺらぺら?)」
叶:「No, just a little. (訳:いえ、ほんの少しだけ?)」
声:「えっ!留学していたのに・・・?中国人が謙遜などするはず無いしなあ・・・???」
私:「My son is currently traveling to Australia on company trip. Is there a recommendation place somewhere? (訳:私の息子が社内旅行でオーストラリアに行ってるんです。どこかお奨めの場所はありますか?)」
叶:「・・・?」
声:「あれ?発音が悪かったのかな??」
私:「My son is currently traveling to Australia on company trip. Is there a recommendation place somewhere? (訳:私の息子が社内旅行でオーストラリアに行ってるんです。どこかお奨めの場所はありますか?)」
叶:「・・・?」
私:「No problem. No problem. (訳:問題ないです。問題ないです。)」
声:「あっ・・・。本当にほんの少しだけだったんだ・・・。」
この件に関しては、翌日、栗崎さんに会った時に解決されることになる。
次回へ・・・。