前回の続き・・・。
私:「環境回復農法は、基本は、無肥料・無農薬です。」
M:「全くやらないんですか?」
私:「基本はですね。」
M:「・・・。」
私:「農業従事者にとってはなかなか理解しがたい事だと思うので、どうしても肥料をと考えるのであれば、自身の畑でとれた雑草や剪定した枝、あるいは売り物にならなかった実を集めて、発酵させて肥料にすれば良いと思います。そうすれば、本来、自身の畑にいるバクテリアなので、最高の堆肥が出来ると思いますよ。」
M:「ああ。」
私:「多分、ペールでは小さいの、畑の隅に深さ50cm、長さ1~2mの抗酸化溶液入りのコンクリートピッチを作って、上にいきいきファームシートを被せれば、発酵も早くなりますから・・・。」
M:「はい。」
私:「その他には、山形の李農家はこんな風にして作っています。」
M:「ああ。これはどんな風にして作るんですか?」
私:「これは、たまたま利用しようとしていたタンクの外側に抗酸化溶液入りのペンキを塗って、中には抗酸化溶液入りのエポキシ樹脂を塗っているんです。」
M:「ああ。これなら簡単にできそうですね。」
私:「中は、売り物にならなかった李に砂糖を足して発酵させてます。」
M:「はい。」
私:「ただ、このときUさんは、水を入れていなかったので、この後、水を足すように指示しておきましたけど・・・。」
M:「それは何か違うんですか?」
私:「発酵速度が変わります。」
M:「へ~っ。」
私:「あとは糠を二次発酵して、肥料にする方法もありますが、糠自体が農薬・肥料を使っているので、えみな水で先処理しなければいけないですけどね。」
M:「それは、どうやって作るんですか?」
私:「ペールの中に、えみな水で処理した糠を入れて、さっきの発酵物の液肥を入れて二次発酵させるだけです。」
M:「ああ。そういうことですか。」
私:「後は、それを畑に撒いていくだけです。」
M:「簡単そうですね。」
私:「それが味噌ですから・・・(笑)。」
M:「実は、上の方に100年を越える原木があるんですが・・・。」
私:「えっ?梨って何年生きるんですか?」
M:「いや~。それは、病気にならなければ何年でも・・・。」
私:「あ~。そういうもんなんですか?」
M:「はい。」
私:「私はてっきり品種改良が施されているんで、そんなに寿命は長くなくなるのかと思ってました。」
M:「いやいや。多分、鳥取とかに行けばもっと古い原木があると思いますよ。」
私:「ああ。偶然ですけど、Mさんの所に来る前に鳥取から農業指導の話が来てるんですよ。」
M:「そうなんですか?」
私:「はい。ただ、今は雪が積もっているんで、雪が解けた頃にお伺いすることになっているんですよ。」
M:「それじゃあ、百数年超の原木を見られるんじゃないですか?」
私:「いや、そこは梨農家じゃないんですよね。」
M:「ああ。そうなんですか。」
私:「はい。」
M:「それで、その原木を守るのに、結構、苦労しているんですよ。」
私:「ああ・・・。」
M:「今は、時折、薬剤で凌いでいるんですが、これをやっていけば病気対策になりますかね。」
私:「ああ。時間は掛かると思いますけど、基本は土中のバクテリアバランスなんで大丈夫だと思いますよ。」
M:「ああ。それは助かります。」
私:「見に行けますか?」
M:「いやあ。上の方なんで、雨も降ってますし・・・。」
私:「残念・・・。」
次回へ・・・。