前回の続き・・・。
去る、3月27日(月)、東京・有楽町朝日ホールにて、「九州・熊本震災復興支援プロジェクトフォーラム&フェア」が開かれた。
昨年10月31日にも、同名のタイトルで開催されていたらしいのだが、私は知る由もなく参加していなかった。
今回の定員は先着300人で、事前申し込み制となっており、応募締め切りが3月13日となっていた。
私がこのフォーラムに気づいたのは、2月末だったので、どのくらい来るのかは不明だが、東京で開催されるのだから、無理かもしれないなあと思いつつ応募してみた・・・。
締め切り日の3月13日が過ぎて、しばらくしても案内が来ないので、先着漏れしたなあと思いつつ、諦めかけていたところへ、その前週に案内が届けられた。
3/25~26日は、愛知県豊橋市にある環境回復サロンでの年2回の恒例のセミナーが開催されることになっていので、26日、会田氏と東京まで戻り品川で別れ、1日延泊して出席することとなった。
テーマは・・・。
『地元自治体や識者、支援企業、災害支援の専門家らとともに、九州・熊本の創造的復興への道筋や、今後想定される首都圏などの震災にどう備えればいいかを考えます。』
当日、12時半の会場にあわせて、有楽町朝日ホールへと向かった。
30分前の会場時間にも限らず、結構な人で賑わっていた。
フォーラムの内容は・・・。
≪フォーラム≫
【対談】創造的復興へ逆境の中にこそ夢がある
蒲島 郁夫 氏(熊本県知事)
御厨 貴 氏(くまもと復旧・復興有識者会議 座長代理/東京大学名誉教授)
【討論1】被災地で企業ができること
梅本 和典 氏(イオンリテール株式会社 特別顧問)
藤田 直志 氏(日本航空株式会社 代表取締役副社長執行役員)
ピーター D.ピーダーセン 氏(株式会社イースクエア 共同創業者/リーダーシップアカデミーTACL 代表/一般社団法人NELIS 共同代表)
岸本 吉浩 氏(東洋経済新報社『CSR企業総覧』編集長)
【討論2】自治体とエイドワーカーが連携する秘訣
木村 忠治 氏(熊本県健康福祉部健康福祉政策課福祉のまちづくり室 室長)
菅 磨志保 氏(関西大学社会安全学部 准教授)
栗田 暢之 氏(特定非営利活動法人全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)代表理事/特定非営利活動法人レスキューストックヤード 代表理事)
フォーラムの内容に関しては、全文が以下のサイトに掲載されているようなので、興味のある人は閲覧してほしい・・・。
九州・熊本震災復興支援プロジェクトフォーラム&フェア2017
討論も1部と2部に分かれて、多くの方が登壇して活発なディスカッションが行われていたのだが、残念ながら、私の琴線に触れるものはなかった。
ただ、フォーラム最初のプログラムにあった蒲島熊本知事と御厨くまもと復旧・復興有識者会議座長代理の対談は非常に得るものがあった。
蒲島知事は、震災直後に三つの原則で対応しようと決めたという・・・。
第1原則は、被災された方々の痛みを最小化すること。
第2原則は、単に元の姿に戻すだけでなく、前よりもいい形で「創造的復興(Build Back Better)」を遂げること。
第3原則は、「創造的復興(Build Back Better)」を熊本のさらなる発展につなげること。
「創造的復興(Build Back Better)」に関しては・・・。
「阿蘇くまもと空港は、震災でターミナルビルが傷みました。建て替えるなら、国内線・国際線のビルを一体化し、よりよい空港にしようと考えました。そこで私は国土交通大臣にお願いし、設計の段階から民間の方々の知恵と資金を活用する「コンセッション方式」での復旧・復興を目指しています。安倍首相も国会の施政方針演説で、ターミナルビルの再建については政府も全面的に支援するとおっしゃってくださいました。空港運営が民間に委託されるだけでなく、国も県も復興を目指して注力する。そうすることで、よりよい空港ができると考えています。八代港についても、これまでは工業港でしたが、復旧・復興を通して耐震性を高め、民間の活力を呼び込んで、美しく、外国クルーズ船の母港にする計画を進めています。」と語っている。
ただ、当フォーラムで会場が一体になった時間があった。
それは、対談最後に蒲島知事が話した一言だった。
『皆さんにはぜひ「旅行ボランティア」をしていただきたい。熊本がどれくらい復旧・復興したかを見に来ていただくだけでかまいません。観光を楽しんで、道中でおみやげを買ったり、おいしいものを食べたり。そして宿に帰ったときに「ああ、今日はいいボランティアをしたな」と思っていただきたい。これが、熊本県知事としてのお願いです。
実は、本震が起きたのは、私が3期目に就任した日でした。そのとき私は「ああ、知事を続けてよかったな」と思いました。4年間の任期があれば、使命感を持ってこの震災に対応できるからです。今後も熊本の復興に全力を注ぐことで、全国から寄せられたご支援にご恩返しできればと考えています。本日は、ありがとうございました。』
旅行ボランティア・・・。
実に、良い発想ではないか!
蒲島知事の発言にあるように、本震が起きた日が、3期目の就任日だったという・・・。
東京大学名誉教授であり、『新しい日本をつくる国民会議(21世紀臨調)運営委員でもある蒲島知事は、フォーラムの中で、旧知の有識者からは、2期でやめたほうが良いと勧められていたらしいことを語っていた。
しかし、その勧めを振り切って、3月27日に投開票された熊本知事選で3選目を果たしていた。
もし、蒲島知事でなく、新任の知事だったとしたら、対応が後手後手に回っていたのではないだろうか・・・?
当日、有楽町駅前広場で開催されたフェアでは、熊本県産の農産物やオーガニックの菓子、柚子こしょうなどの名産品、くまモングッズなどが販売されていた。
また、くまモンと蒲島郁夫知事も登場・・・。
次回へ・・・。