前回の続き・・・。
耳垢・・・?
一般的には、“みみあか”と読まれているが、医学的には“じこう”と読むらしい。
耳垢は、ミミクソやミミカスとも表現され、不要な物のイメージが強い。
どうやって出来るかというと・・・。
医学的に言うと、『外耳道にある「耳垢腺(じこうせん)」と「皮脂腺(ひしせん)」から出る分泌物に、剥がれ落ちた角化表皮細胞(かくかひょうひさいぼう:いわゆる垢)や毛髪、粉塵などが混ざってできるもの』らしい。
更に、不要感満載の耳垢だが、世界有数の耳鼻科組織であるアメリカ耳鼻科組合によると、ちゃんと役割があるというのだ。
鼓膜の汚れ防止・・・。
雑菌による感染防止・・・。
バクテリアの繁殖防止・・・。
カビの繁殖防止・・・。
変わったところでは、虫の侵入防止・・・。
湿性耳垢の原因であるアポクリン腺(※)から分泌される汗は独特の苦みと臭気があり、とりわけ虫類に対し強い忌避効果があるというのだから、満更、捨てたものでもない・・・(笑)
Wikipediaより抜粋
(※)アポクリン腺・・・外分泌腺のうち、皮脂腺の様に腺細胞自体が内部に分泌物を蓄えた後に全体が崩壊して外部に排出される様式を全分泌腺(ホロクリン腺)、細胞体は壊れずに腺細胞の生成した分泌物のみ細胞から浸出する様式を漏出分泌腺(エクリン腺)と呼び、この両者の中間的な様式を離出分泌腺(アポクリン腺)と呼ぶ。
更に、前述のアメリカ耳鼻科組合によると、「耳垢は、鼓膜の近くで発生した後、徐々に外に向かって移動し、不要になれば自然に排出される仕組みになっている。」らしい・・・。
専門用語では、普通の皮膚では起きない“マイグレーション”という特殊な現象らしい。
“マイグレーション”とは、移動とか移行あるいは移住という意である・・・。
つまり、“マイグレーション”があるので、耳掃除は一切不要ということになる。
確かに、動物は、みみかきなどはしない。
人間に近い猿でも、器用に棒を使ったりするが、みみかきをしていたというニュースや映像は見たことがない。
さてさて・・・。
アメリカ耳鼻科医学界が敬称鳴らす
60すぎたら「みみかき」をしてはいけない
週刊〇代の記事を覗いてみよう。
ケース1:静岡在住・Iさん(65歳)。
「一日一回、ふろ上がりに綿棒で耳をきれいにするのが日課でした。・・・(略)・・・。このところ前より耳垢の量が増えたような気がして、・・・(略)・・・、なので朝の洗顔時も耳かきをするようになったのですが、汚れは増えるし、耳の中がかゆくてたまらなくなりました。・・・(略)・・・。耳垢だけでなく、耳垂れのような、黄色っぽくていやな臭いのするドロッとした液体がつくようになってしまったんです。」
耳鼻科へ行った I さん。
診断は、「外耳道湿疹」。
鼓膜へつながる管の部分が傷つき、膿がでてしまったらしい・・・。
原因は、想像通り、みみかきのし過ぎ・・・( ̄□ ̄;)!!
医師は言う・・・。
「個別包装されていない綿棒や、使い捨てでなはい耳かきは細菌が付着してしまっていることがあるので、特に注意が必要です。たかがみみかきと油断してはいけません。みみかきのやりすぎで湿疹がひどくなると、そこにカビが生えてくることがあります。水虫のように、菌が繁殖してしまうと根治が難しいのです。悪化すると、耳鼻軟骨膜炎を発症するケースがあります。これは軟骨が炎症を起こして激痛とともに耳が腫れあがる病気で、最悪の場合、耳が変形してしまうことがあるのです。」
( ゚ Д ゚!)・・・・マヂカッァァァ
使い捨てでない耳かきを、各鞄・各車に潜ませている私・・・ヽ((◎д◎ ))ゝ ひょえぇ~
アメリカ耳鼻咽喉科頭頸部外科学会(AAO-HNSF)が今年一月、耳かきに関するガイドラインを発表したらしい・・・。
「“Don’t put anything smaller than your elbow in your ear.” Cotton swabs, hair pins, car keys, toothpicks…these can all injure your ear and may cause a laceration (cut) in the ear canal, a perforation (hole) in the eardrum, and/or dislocation of the hearing bones, leading to hearing loss, dizziness, ringing, and other symptoms of ear injury.」
意訳すると・・・
「“耳に肘より小さなものを入れないでください。(※)”
綿棒、ヘアピン、車の鍵、爪楊枝…これらのすべてはあなたの耳を痛める可能性があります。外耳道の裂傷(カット)、鼓膜穿孔(穴)、そして、耳小骨離断、聴覚障害、めまい、耳鳴り、その他の耳の外傷の原因になります。」
(※)アメリカのことわざなのだが、日本人には理解しずらいアメリカンジョークである。
えっ・・・!
綿棒を耳の中に入れるな?
アメリカで綿棒と言えば、Q-tipsという代名詞になるくらいの綿棒があるらしいのだが・・・。
商品の注意書きに、以下のように書いている。
Don’t insert swab into ear canal.
→外耳道に綿棒を入れないでください!
ホンマや!
次回へ・・・。