前回の続き・・・。
前回、武〇博士の“喫煙≠肺がん”論を寄稿させていただいた。
喫煙=肺がん・・・?
喫煙≠肺がん・・・??
果たして・・・???
“喫煙≠肺がん”論を展開する方たちの共通の意見は・・・。
『喫煙率は減っているのに、肺がんが増えているのは、タバコと肺がんは無関係だからである。』
そして、こんなグラフが提示されている。
このグラフはどれだけ扱い易いのかしらないが、アチコチで使い回されている・・・。
因みに、男性の喫煙率と肺がん死亡者数である
喫煙率は、1966年の 83.7 % をピークとして、2016年の 29.7 % まで、減少傾向・・・。
肺がん死亡数は1958年の 2,919 人 から、2015年の 53,208 人 と増加の一途・・・。
参考:
人口動態統計によるがん死亡データ(1958年~2015年)のシート見出し“number”
(※部位:肺、性別:男、死亡年(縦軸):1958-2015、対象(縦軸):全年齢)
成人喫煙率(JT全国喫煙者率調査)
これだけ見ると、「フムフム・・・。」と納得してしまいそうだが・・・。
しかし、ようく考えてみよう・・・!
がんは高齢になると増える。
↓
高齢化が進む日本では、当然、がんが増える。
↓
勿論、肺がんも同様に増える。
↓
じゃあ、どうしたら良いんだ・・・?
疫学的に、年齢構成を補正したん年齢調整死亡率(人口10万対比)というものが使用されるらしい・・・。
これで、本当に肺がんが増えているのかが分かるということだ・・・。
以下のグラフを見ていただこう・・・。
このグラフは、“喫煙≠肺がん”論に反論する“喫煙=肺がん”論者のサイトでよく登場する。
参考:人口動態統計によるがん死亡データ(1958年~2015年)のシート見出し“asr”
(※部位:肺、性別:男、標準人口:昭和60年モデル人口)
分かりやすいように、1996年の前後10年をピックアップしてみる。
年度 | 肺がん年齢調整死亡率 |
---|---|
1986 | 41.1 |
1987 | 42.8 |
1988 | 43.7 |
1989 | 45.0 |
1990 | 45.0 |
1991 | 45.3 |
1992 | 45.8 |
1993 | 46.1 |
1994 | 46.7 |
1995 | 47.5 |
1996 | 48.1 |
1997 | 47.3 |
1998 | 47.3 |
1999 | 47.0 |
2000 | 46.3 |
2001 | 45.6 |
2002 | 45.3 |
2003 | 44.2 |
2004 | 45.2 |
2005 | 44.6 |
2006 | 44.0 |
1996年の 48. 1% をピークに減少傾向へ転化している・・・。
追い打ちをかけるようだが、1997 年に Ramsroemが、以下のような喫煙と喫煙関連疾患死亡の流行モデルの図を作成している。
Ramsroemが団体名なのか、個人名なのかは、検索してもHitしないので、探りようがないのだが・・・ゥ─σ(・´ω・`*)─ン…
これは、世界的に,次の4つの段階があると考えられて作成されたもののようだ・・・。
第1期:男性の喫煙率の増加
第2期:男性喫煙率の減少開始と女性の喫煙率の増加
第3期:女性の喫煙率の減少の開始と喫煙関連疾患死亡の増加
第4期:喫煙関連疾患死亡の減少
これによると、喫煙から肺がんによる死亡までタイムラグがあり、喫煙率のピークよりも約30年程度遅れて、喫煙による死亡率のピークがくるというのだ・・・!
下のグラフを見てほしい。
イギリス、アメリカ男性における肺がんの年齢調整死亡率の推移を見ると、イギリスでは 1970年ごろから、アメリカでは1990年ごろからいずれも減少している。
日本の男性の肺がん年齢調整死亡率は1995年まで増加し、その後2003年までゆるやかな減少傾向にある。
実は、上の表を作っていて疑問に思った点があった・・・?
上の表を見ると、2004年に一旦上昇しているのである・・・??
これは、 1937年を中心とする出生年のひずみに影響を受けたらしいのだ・・・。
それに伴い、第二次戦争の影響のため、この世代のたばこの消費が前後の世代に比べて少なかったことが考えられるらしい・・・。
まあ、その後は、順調に低下傾向に転じ、2015年では、39.2% まで下がっている。
ただ、我が国のJ〇(日〇た〇こ産〇)さんは、おっしゃることが違う・・・(-Ω-)エッヘン
『わが国における男女別の肺がん死亡率と喫煙者率の推移をみると、最近50年間で男性喫煙者率は明らかに低下し、女性喫煙者率はほぼ横ばいであるのに対し、死亡率は男女ともに1950年から1995年ごろにかけて顕著に増加し、以降減少傾向に転じているという事実がみられます。喫煙の影響が現れるには20-30年のタイムラグをみる必要があるとの意見がありますが、タイムラグを考慮しても肺がん死亡率の動向を喫煙者率のみで説明することは困難です。』
工エエェェ(´ロ`ノ)ノェェエエ工
その根拠は・・・。
『男女間における喫煙者率と死亡率の関係に違いがあります。喫煙者率は男性では顕著に低下、女性ではほぼ横ばいであるのに対し、死亡率は男女で同じ傾向を示しているという事実がみられます。』
更に・・・。
『罹患でみた場合、肺がん罹患率は男女ともに増加しており、タイムラグを考慮しても罹患率の動向は喫煙者率の推移と一致しません。』
更に更に・・・。
『世界各国を男女別に比較すると、喫煙者率と肺がんによる死亡率との間には必ずしも相関関係がありません。』
“喫煙=肺がん”なのか“喫煙≠肺がん”なのか、これからも研究の余地があるとWebで公開しているのだが・・・。。
日本における喫煙者率と肺がん死亡率の推移
ただ、不思議なのがリンクを開くと中国語に文字化けしてしまうのは何故なのだろう・・・???
一応、弊社としましての見解を述べさせていただいていますが、きっちり読まれると困るなぁ・・・的な(笑)
まあ、リンクURLの後ろにある“(※)キャッシュ”を使ってみれば読めるのだが・・・ε=┏(; ̄▽ ̄)┛
(※)キャッシュ:検索エンジンが検索結果表示用の索引を作る際に各ページの内容を保存したもので、目的のページが見られなくなっているような場合でも、“キャッシュ”を表示することによって情報を探せることがあるのだ。
“喫煙=肺がん” or “喫煙≠肺がん”
一応、データは提示したので、この先はご自身の判断で・・・。
次回へ・・・。