久しぶりに新聞でシックハウスが取り上げられていたので紹介する。
毎日新聞 くらしナビ🏠ライフスタイル 3 月 15 日朝刊
『シックハウス 家具で発症』
冒頭に「屋内の空気中の化学物質が原因で頭痛やだるさなどの体調不良が起きる“シックハウス症候群”。家屋の建材だけでなく、家具など家庭用品が発生源となることもある。新生活を始める前に、どのように家具を選べばいいのか。」とある。
私の娘も、今春、就職で東京へと旅立った。
2 月には新居探しのため一緒に上京した。
2 日かけて、物件を見て回った。
実際に部屋を借りるのは、 3 月頭からなので、現在住居中の物件から、リフォーム前の物件、リフォームしてすぐの物件と様々な物件をご紹介いただいた。
現在のリフォームでは、ノンホルムアルデヒドを使用するためか、独特な接着剤の臭いがするところは少ない。
リフォーム前の物件では、煙草の饐えた臭いがしたりはしたが・・・(;´∀`)・・・うわぁ・・・
それでも、私の身体は、異な反応を示すので、アセトアルデヒドなのだろうなぁと推測できる。
中には、咳が止まらず、中に滞留することができず、数秒で部屋を出た物件もあった。
実際に、入居するのは、 3 月末なので、その前に引っ越し荷物を受け取りに 3 月上旬に娘一人で上京した。
荷物を受け入れる前に、部屋の床、壁にできるだけ新・環境回復ワックスを 4 度塗りさせた。
これで、娘の部屋は安全だと思うのだが・・・。
抗酸化工法を知らない方には、新生活に胸を躍らせながら購入した家具でさえ凶器になってしまうのだから、残念としか表現しようがない。
●ベッド新調し頭痛
東京都内に住んでいた主婦( 42 )は、 2010 年 にベッドを新調。
しばらくして、喉の痛みや頭痛に悩まされたという。
当初、育児疲れが出たのかと思ったが、ご主人も体調が悪くなったようだ・・・。
しかし、寝室を離れると良くなる・・・?
そこで、 2013 年、保健所で空気の簡易検査をしてもらったらしい・・・。
検査の結果、ベッドだけホルムアルデヒドの反応があったという。
当 Blog を読んでいる方には解説不要だとは思うが、木材や接着剤に含まれるシックハウスの原因となる化学物質である。
ベッドは、大手メーカー製で、百貨店で約 40 万円で買ったもの。
彼女は、“日本製”でホルムアルデヒドの放散が最も少ない等級を示す“ F☆☆☆☆ ”の表示があり、安心して選んだものだったという。
彼女は、このデータを持って百貨店に相談した。
百貨店では、解体検査に出すと、国の室内濃度指針値( 100μg/㎥:0.08ppm )を超える 135μg/㎥相当のホルムアルデヒドが検出されたという・・・。
メーカーも、買った直後では、指針値の 1.5 ~ 2 倍程度のホルムアルデヒドが揮発していたと推測できるとして謝罪をしたようだ。
また、別の検査でも部品の合板が、放散量の多い F☆ に相当するとの結果が出た。
室内に使う建材であれば、法律で使用を禁じられているレベルである。
しかし、残念ながら、家具には作り付けの家具以外には規制がないのが現状である。
彼女は、メーカーに賠償や自主回収を求めたが、結局、調停に持ち込まれ、昨年不調に終わったという・・・。
その後、彼女は臭いに敏感になり、近所の農薬散布や洗濯に伴う柔軟剤の臭いに苦しんでいるという。
彼女は自身のこともそうだが、「表示を信じていたのに。他の購入者に注意を促して、対応を取ってほしかった。」とこぼす。
メーカーは取材に対し、「消費者庁に報告し、指導に従って対応した。」と釈明している。
合板は海外の日本農林規格( JAS )認定工場から輸入して国内で組み立てており、ホルムアルデヒドを多く含む木材が混入した可能性を認める。
メーカーは、輸入元の商社に調査を依頼したようだが、混入経緯は分からず「 JAS認定制度を疑うか、全量を検査するしか防ぎようがない。」と訴え、現在は、自社でできる対策としてホルムアルデヒド吸着シートを商品に梱包して出荷しているというのだが・・・。
東京都健康安全研究センターの斎藤育江・副参事研究員は、「シックハウスの相談は今もってある。」と話す。
家具が原因であることは珍しくなく、「ホルムアルデヒドは住宅からはなくなったが、家具は出るものがある。」と言う。
少しデータは古くなるが、 PIO-NET (全国消費生活情報ネットワーク・システム)には、家具から発生するにおい、化学物質やシックハウスに関する相談が 200 3年度以降 2008 年 8 月末日までの登録分で 1,045 件寄せられているそうだ。
その中でも、ベッド類に関するものが 214 件にのぼり、「目がチカチカして気分が悪くなった。」「塗料のにおいがきつく頭痛や鼻づまりなどの症状が出た。」などの危害情報が 113 件と半数以上を占めているという。
その他、 2008 年 1 月 11 日には、組立て式ベッドの使用によって、アレルギー性の気道炎及び蕁麻疹等を引き起こしたという事例が厚生労働省より報告されてもいる。
また、加工用木材やカラーボックス、電気ストーブのガードの塗装からも高濃度の検出例がある。
●家庭用品によるシックハウスの裁判例
・電気ストーブからの有害物質、健康被害認め賠償命令:東京高裁平成 18 年 8 月 31 日判決
電気ストーブから発生した科学物質で神経障害を受けたとして、東京都内の大学生の男性がストーブを販売したイトーヨーカドーに 1 億円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決。
裁判長は請求を棄却した一審・東京地裁判決を取り消し、「人体への有害性を確認し発生を回避すべき義務があった」とイトーヨーカ堂の責任を認め、 554 万円の支払いを命じた。
家電から発生した化学物質による健康被害について賠償を命じた判決は異例。
販売店側に安全確認を怠った過失を認めた点も注目される。
電気ストーブは台湾の家電メーカー「サンクン」グループが製造した「ユーパ TSK-5302LG 」。
男性は高校生だった 01 年 1 月の購入後、一ヶ月ほどで歩行と呼吸が困難になるなどの症状が現れ、中枢神経機能障害などと診断された。
ストーブ使用をやめた後も、後遺症として化学物質過敏症の症状があると主張している。
メーカー側を相手取った訴訟は一審で係争中。
判決は、ストーブのガード部分に塗られた合成樹脂を含む有機塗料が加熱され、ホルムアルデヒドなど人体に有害な化学物質が発生したと指摘。
男性は、長いときには一日 5 時間以上も換気のない自室でストーブを使用しており、化学物質の発生と症状の間に「高度の蓋然性を認めることができる」と述べて因果関係を認めた。
販売したヨーカ堂の過失については、化学物質過敏症の診断基準が示されるなど危険性が一般に知られ、ヨーカ堂も 98 年に環境ホルモンを含む製品の販売を中止していたことから、 01 年 1 月当時、人体への影響は予見できたと判断。
臭いについての苦情がメーカーに寄せられていた点を考慮して、「安全性が確認されるまで販売中止などの措置を取るべきだった」と指摘した。
同型の電気ストーブは 2000 年 9 月~ 03 年 3 月末までに約 30 万台がメーカーから出荷され、このうち 2000 年 9 月~ 01 年 4 月までにヨーカ堂で 5,341 台販売された。
ヨーカ堂側は訴訟で、「そもそもストーブから化学物質が発生したことは認められない」などと全面的に争っていた。
・化学物質含む家具で体調不良、販売元に賠償命令:高松地裁平成 30 年 4 月 27 日判決
化学物質ホルムアルデヒドを含む家具で体調不良になったとして、香川県丸亀市の女性( 62 )が販売元のホームセンターに約 7,000 万円の損害賠償を求めた訴訟の判決言渡しがあり、森実将人裁判長は、被害との因果関係を認め、同社に約 470 万円の支払いを命じた。
判決では,女性は 2011 年 5 月、同ホームセンターの支店でカラーボックス(収納箱)を 6 個購入し、使用中に体調を崩した。
同社が 1 個を調べたところ、板の接着剤から国の指針値を上回るホルムアルデヒドを検出。
女性は 2012年 2 月、気分不良などの症状を引き起こす化学物質過敏症と診断された。
同社は訴訟で、同種の板を使った家具類は約 192 万台仕入れ、異変を訴えた顧客は他にいないとして因果関係を争った。
同裁判官は、女性がカラーボックスを使い始めてから健康被害が出たとし、同家具が原因と認定。
「漫然と商品を販売した過失がある」と指摘した。
2018 年、カラーボックスから揮発したホルムアルデヒドで化学物質過敏症になったとして、販売したホームセンター・コメリに高松地裁が賠償命令。
これらの事例は、たまたま、化学物質過敏症ではという疑いを持って、行動したから裁判での勝訴を勝ち取ったもので、多くは、その原因が分からず悩んでいたり、メーカーに訴えてもメーカーに丸め込まれて終わりというのが多いのではないだろうか?
新生活が始まる 4 月。
自身の健康は自身で守る手段がココにはある!
新居への引っ越し後、家具購入後に体調不良で悩んでいる人がいたら、是非、教えてあげてほしい!!