前回の続き・・・。
“ MDGs (ミレニアム開発目標)”から“ SDGs (持続可能な開発目標)”へと受け継がれた、国連の目標。
前述したように、“ SDGs ”は 17 の大きなゴールと、それらを達成するための具体的な 169 のターゲットで構成され、更に、 232 の指標が挙げられている。
ます、“ SDGs ”の 5 つの特徴を知っておこう。
■普遍性・・・先進国を含め、全ての国が行動
■包摂性人間の安全保障の理念を反映し、「誰一人取り残さない」
■参画型・・・全てのステークホルダー(※注 1 )が役割を
■統合性・・・社会・経済・環境に統合的に取り組む
■透明性・・・定期的にフォローアップ
(※注 1 ) 企業・行政・NPO等の利害と行動に直接・間接的な利害関係を有する者を指す。日本語では利害関係者(りがいかんけいしゃ)。具体的には、消費者(顧客)、従業員、株主、債権者、仕入先、得意先、地域社会、行政機関など。
次に、 17 の大きな目標を見てみよう!
ゴール 1.貧困をなくそう
あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困を終わらせる。
ゴール 2. 飢餓をゼロに
飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。
ゴール 3. 全ての人に健康と福祉を
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。
ゴール 4. 質の高い教育をみんなに
すべての人々への、包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する。
ゴール 5. ジェンダー平等を実現しよう
ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う。
ゴール 6. 安全な水とトイレを世界中に
すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。
ゴール 7. エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する。
ゴール 8. 働きがいも、経済成長も
包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する。
ゴール 9. 産業と秘術革新の基盤を作ろう
強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
ゴール 10. 人や国の不平等をなくそう
各国内及び各国間の不平等を是正する。
ゴール 11. 住み続けられる街づくりを
包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する。
ゴール 12. つくる責任、つかう責任
持続可能な生産消費形態を確保する。
ゴール 13. 気候変動に具体的な対策を
気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる(※注 2 )。
(※注 2 ) 国連気候変動枠組条約( UNFCCC )が、気候変動への世界的対応について交渉を行う基本的な国際的、政府間対話の場であると認識している。
ゴール 14. 海の豊かさを守ろう
持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。
ゴール 15. 陸の豊かさも守ろう
陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する。
ゴール 16. 平和と公正を全ての人に
持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する。
ゴール 17. パートナーシップで目標を達成しよう
持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する。
如何だろうか?
これらが実現できたとしたら・・・??
これらのゴールに向けての詳細なターゲットを記すのは辞めようと思ったのだが、自分の会社なら、あるいは自分なら何に取り組めるのだろうという参考になると思うので、ターゲット 169 も取り上げてみることにする。
以下のターゲットの文中で、「2.1、2.2」のような数字のものと、「2.a、2.b」のようなアルファベットのものが付いているものがあるが、数字は特にゴールの中身に関するターゲット、アルファベットは実現方法に関するターゲットというふうに使い分けられている。
ゴール 1.貧困をなくそう
» あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困を終わらせる。
⇒ターゲット 1.1 : 2030 年までに、現在 1 日 1.25 ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。
⇒ターゲット 1.2 : 2030 年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。
⇒ターゲット 1.3 : 各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度及び対策を実施し、 2030 年までに貧困層及び脆弱層に対し十分な保護を達成する。
⇒ターゲット 1.4 : 2030 年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、すべての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。
⇒ターゲット 1.5 : 2030 年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的ショックや災害に暴露や脆弱性を軽減する。
⇒ターゲット 1.a : あらゆる次元での貧困を終わらせるための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、さまざまな供給源からの相当量の資源の動員を確保する。
⇒ターゲット 1.b : 貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援するため、国、地域及び国際レベルで、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを構築する。
ゴール 2. 飢餓をゼロに
» 飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。
⇒ターゲット 2.1 : 2030 年までに、飢餓を撲滅し、すべての人々、特に貧困層及び幼児を含む脆弱な立場にある人々が一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにする。
⇒ターゲット 2.2 : 5 歳未満の子どもの発育阻害や消耗性疾患について国際的に合意されたターゲットを 2025 年までに達成するなど、 2030 年までにあらゆる形態の栄養不良を解消し、若年女子、妊婦・授乳婦及び高齢者の栄養ニーズへの対処を行う。
⇒ターゲット 2.3 : 2030 年までに、土地、その他の生産資源や、投入財、知識、金融サービス、市場及び高付加価値化や非農業雇用の機会への確実かつ平等なアクセスの確保などを通じて、女性、先住民、家族農家、牧畜民及び漁業者をはじめとする小規模食料生産者の農業生産性及び所得を倍増させる。
⇒ターゲット 2.4 : 2030 年までに、生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。
⇒ターゲット 2.5 : 2020 年までに、国、地域及び国際レベルで適正に管理及び多様化された種子・植物バンクなども通じて、種子、栽培植物、飼育・家畜化された動物及びこれらの近縁野生種の遺伝的多様性を維持し、国際的合意に基づき、遺伝資源及びこれに関連する伝統的な知識へのアクセス及びその利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分を促進する。
⇒ターゲット 2.a : 開発途上国、特に後発開発途上国における農業生産能力向上のために、国際協力の強化などを通じて、農村インフラ、農業研究・普及サービス、技術開発及び植物・家畜のジーン・バンクへの投資の拡大を図る。
⇒ターゲット 2.b : ドーハ開発ラウンドの決議に従い、すべての形態の農産物輸出補助金及び同等の効果を持つすべての輸出措置の並行的撤廃などを通じて、世界の農産物市場における貿易制限や歪みを是正及び防止する。
⇒ターゲット 2.c : 食料価格の極端な変動に歯止めをかけるため、食料市場及びデリバティブ市場の適正な機能を確保するための措置を講じ、食料備蓄などの市場情報への適時のアクセスを容易にする。
次回へ・・・。