「真実の口」2,230 レプリコンワクチン ①

65 歳以上の高齢者などを対象にした新型コロナワクチンの定期接種が 10 月 1 日始まった。

ワクチンは、今年 3 月までは無料接種が行われてきが、今回始まる定期接種では、原則、費用の一部が自己負担となる。

定期接種の対象者は 65 歳以上の高齢者と、 60 歳から 64 歳までの重症化リスクの高い人で、 2025 年 3 月末までの期間に、接種を 1 回行う。

ワクチン接種の費用はおおむね 15,000 円ほどで、国は自己負担が最大でもおよそ 7,000 円に収まるよう、 1 回あたり 8,300 円を助成するらしい。

また、自治体の中にはさらに上乗せで補助を行うところもあり、接種の自己負担額は地域によって差が出る見通しだ。

一方、若い世代など定期接種の対象にならない人は、「任意接種」で行われるため、原則、全額が自己負担となる。

新型コロナワクチンの定期接種の開始で、接種後の健康被害に対する救済制度も一部が変更される。

ワクチンの接種後に病気になったり障害が残ったりした場合、国が接種との因果関係を否定できないと認定すれば、法律に基づいた救済制度で給付が受けられる。

この給付について、これまでは入院が必要ないような比較的軽い症状であっても医療費の自己負担分が支給されていたが、今回の「定期接種」では、入院が必要な程度の症状に対する医療費に限られる。

また、万が一、接種後に死亡した場合、これまでは因果関係が否定できないと認定された時は、死亡一時金としておよそ 4,500 万円が支給されていたが、今回の「定期接種」では、亡くなった人が世帯の生計を支えていると認められる場合は、遺族年金として 1 年におよそ 260 万円が最長で 10 年間支給され、それ以外の場合は遺族一時金としておよそ 780 万円が支払われることとなっている。

今回の「定期接種」に使われる新型コロナワクチンは・・・。

▽ ファイザー社製「コミナティ」
▽ モデルナ社製「スパイクバックス」
▽ 第一三共社製「ダイチロナ」
▽ ノババックス/武田薬品工業「ヌバキソビッド」
▽ Meiji Seikaファルマ社製「レプリコン」

ファイザー、モデルナ、第一三共のワクチンは mRNA ワクチン。

ノババックス/武田薬品工業は組み替えたんぱく質ワクチン。

そして、今回から承認されたMeiji Seikaファルマは、次世代型 mRNA ワクチンと言われている。

Meiji Seikaファルマ社製「レプリコン」がかなり話題を集めている。

同社は、 2023 年 11 月、次世代 mRNA ワクチン「レプリコン」の製造販売承認を世界で初めて取得した。

承認を受けたのは、新型コロナウィルス感染症に対する次世代 mRNA ワクチンの日本国内における製造販売についてである。

このワクチンには、免疫反応を起こす遺伝情報を含む mRNA という物質に加え、 mRNA 自体を体内で複製する酵素も組み込まれているという。

mRNA が体内で複製されて増えるため、従来の mRNA ワクチンよりも強い免疫反応を得ることができるとされている。

国内で行われた臨床試験では、接種から半年の時点でのウィルスの中和抗体の値が、従来型の mRNA ワクチンの 2 倍余りとなっていたという。

メーカーによると、 mRNA は接種直後に多く複製されるが、一定の期間がたつと複製されなくなるという。

ワクチンの有効性については、ベトナムで行われた臨床試験の結果、発症を防ぐ効果は 56.6% 、重症化を防ぐ効果は 95.3% だったという。

一方、国内で行われた臨床試験の結果、接種の副反応に以下のような報告がされている。

▽ 92.4% の人で接種部位の痛み
▽ 44.8% の人でけん怠感
▽ 39% の人で頭痛
▽ 20% の人で 37.5℃ 以上の発熱

レプリコンワクチンは、今回初めて接種に使われる新しいタイプのワクチンであることから、 9 月に開かれた厚生労働省のワクチンに関する分科会では、専門家から「客観的な事実をまとめて提示し、接種にあたる医師が科学的なデータに基づいて接種を受ける人に説明できるようにしてほしい」といった意見や、「国民に対して分かりやすい情報提供をしてほしい」といった意見が出された。

厚生労働省は、定期接種の開始後も、ほかの種類のワクチンと同じように、副反応などについて調査を続けていくとしている。

専門家の意見は・・・。

川崎医科大学・中野貴司特任教授:

「レプリコンワクチンが新しいタイプのワクチンであることから安全性に不安を抱く人がいるかもしれないが、試験のデータでは mRNA は徐々に消えて複製を続けるわけではなく、これまでの mRNA ワクチンと同じように考えていいと理解している。

他の mRNA ワクチンや組み換えたんぱく質ワクチンもあるので、国が示した客観的な資料を参考にしたり、かかりつけ医や接種を行う医師と相談したりしてどのワクチンを接種するか決めてほしい。

さまざまなデータを見てもインフルエンザよりも多くの人が新型コロナウィルスに感染して入院し、命に関わる合併症を起こしている。

ワクチンの有効性と安全性を総合すると、接種することによるメリットは大きい。

高齢者や基礎疾患のある人は、重症化するリスクが高く、命に関わる可能性があるので、ワクチンを接種して、新型コロナウィルスに対する免疫を獲得することが重要だ。

(定期接種の対象となっていない年代の人については)高齢者ほどではないが、元気な人でも重症化することは起こりえる。

子どもの場合はインフルエンザと同じように脳症を起こすリスクもあるのでワクチンで予防するにこしたことはない。

また、例年冬に流行するインフルエンザのワクチンの接種を予定している人は、いまでは新型コロナウィルスのワクチンとの同時接種も可能になっている。

かかりつけの医師と相談し、過去の流行パターンを参考にしながら同時に接種するか別々に接種するかという選択肢を検討してほしい。」

「レプリコン」に対しての、市中の反応はどうだろう?

「レプリコン」に対して SNS で多く投稿されていて、「レプリコン」に関する日本語の X の投稿は去年 5 月ごろから増え始め、リポストも含めて 9 月 30 日午後 5 時までで 180 万件を超えていて、新しいワクチンに不安を感じるとする投稿が多くみられるようだ

そんな中、「シェディング」という言葉を用いて、接種した人からワクチンの成分などが排出されると主張するような投稿があり、関連する投稿は約 71,000 件以上に上っているようだ。

「シェディング」とは、接種者から「何か」が排出(shed)されていて、新型コロナワクチン接種者と接した時に限って、未接種者の身体に様々な悪影響・症状が出ることから疑念が持ち上がり、一部の人の間で、“シェディング=伝播”と呼ばれる現象(暴露とも呼ばれている)で、接種者の呼気や汗腺から放出された何らかの毒素(スパイクタンパク質・酸化グラフェン・有機溶媒など)を吸い込むことで、未接種者にも影響が及ぶとされている。

これについて専門家の意見は・・・。

北里大学・中山哲夫名誉教授:

「レプリコンワクチンを接種したとしても、細胞の中でメッセンジャーRNAを複製しているだけでそれもずっと続くわけではない。

体内でできるのはスパイクたんぱく質だけで、感染性を持った完全なウィルス粒子ができることはない。

周りの人にばらまくことはまずない。

レプリコンワクチンもこれまでに使われてきたファイザーやモデルナのワクチンと同じように有効性と安全性が確認されて承認されている。

ただ、新しいワクチンであるため、今後、副反応がどう出るのかをしっかりとモニターしていく必要がある。」

しかし、これだけで騒動は終わりではない。

次回へ・・・。