前回の続き・・・。
Ⅲ. 個体間伝播の可能性について
1. 細胞間伝播の可能性とそのリスクについての認識について
細胞間伝播のリスクが 30 年も前に論文化(※ 3 )されているのにもかかわらず、そのリスクを検証することなく市中の一般人を対象に隔離もせずに大規模 3 相試験を行うのはなぜか、その理由をご回答ください。
(※ 3 ) M M Rolls et al: Novel infectious particles generated by expression of the vesicular stomatitis virus glycoprotein from a self-replicating RNA,Cell,1994 ,Nov 4;79(3):497-506. doi: 10.1016/00928674(94)90258-5.( https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/7954815/ )
2. 個体間伝播の可能性とそのリスクの周知徹底について レプリコンワクチンには個体間伝播の可能性がある以上、接種対象となる被治験者、治験を実施する施設、そして被治験者に接触する可能性のある全ての人に、個体間伝播の可能性とそのリスクを直ちに周知徹底すべきと考える。
しかしながら、日本国内において大規模臨床試験が進行中にも関わらず、御社のプレスリリースにも、厚労省や PMDA からも個体間伝播の可能性とそのリスクについての周知徹底は一切ない。
なぜ御社は個体間伝播の可能性とそのリスクについて周知徹底しないのか、その理由をご回答ください。
3. 個体間伝播の可能性とそのリスクによる開発会社の株価下落について
レプリコンワクチンの個体間伝播の可能性とそのリスクを海外に発信した結果、コスタイベ筋注の開発会社であるアークトゥルス( Arcturus )の株価が、 6 月 7 日あたりから下がり始めて 7 月 3 日あたりを底辺としてその後も低迷を続けている。
これは、投資家がレプリコンワクチンによる個体間伝播の可能性とそのリスクを懸念しての反応と思われるが、この投資家の反応についての御社のお考えをご回答ください。
4. 蚊による媒介について
ベネズエラウマ脳炎ウイルスをはじめとするアルファウイルスによる感染症は、蚊を媒介して感染することが知られている。御社のレプリコンワクチンにはベネズエラウマ脳炎ウイルスの一部を使用していることから、レプリコンワクチン接種者と非接種者間の蚊を媒介とした個体間伝播の可能性が危惧される。この点について、以下の質問へのご回答をお願いします。
① この蚊を媒介とした個体間伝播について、どの程度検証したのか。
② その結果、「蚊を媒介とした個体間伝播はない」とするのであれば、それを示す検証結果を教えてください。
Ⅳ. IgG4の誘導について
これまでの mRNA ワクチン接種で明らかになったことは、接種を複数回繰り返すことで、通常は低濃度であるはずの IgG4 の増加が誘導される(※ 4 )ことである。
(※ 4 ) Irrgang et al.Sci. Immunol.8, eade2798(2023). ( https://www.science.org/doi/10.1126/sciimmunol.ade2798 )
IgG4 は、他の IgG や IgE などによる免疫作用を阻害(※ 5 )し、当感染症のみならず、あらゆる病気への免疫力の低下や、 IgG4 関連疾患をもたらすことも明らかとなってきており、感染症予防の観点から見ても本末転倒な結果を生み出すことが懸念されている。
(※ 5 ) Uversky et al. Vaccunes 11:991, 2023. ( https://doi.org/10.3390/vaccines11050991 )
御社が報告している(※ 6 )の Fig.S7 ( supplemental Figure 7 )によると、レプリコン接種によって明らかに IgG4 の増加が誘導されている。
(※ 6 ) Akahata et al. Cell Reports Medicine 4, 101134, August 15, 2023. ( https://doi.org/10.1016/j.xcrm.2023.101134 )
これによって上記のような IgG4 関連疾患になるリスクがあり、ワクチンとしての利用は中止すべきと考えるが、「ワクチンとして利用しても問題ない」とする御社の研究結果を教えてください。
Ⅴ. 治験について
1. 抗体価の評価について コミナティ筋注やスパイクバックス筋注などのこれまでに接種された mRNA コロナワクチンでは、前述した IgG4 関連疾患のように、 mRNA ワクチン接種によって引き起こされている可能性のある病態の報告がある。
しかしながら、レプリコンワクチンの治験においては最長でも 52 週と短い期間でしか検証されていない現状であるため、下記の質問へのご回答をお願いします。
① 評価項目の抗体価の上昇とその持続期間について、ファイザー社のコミナティ筋注群との比較でしか検証していない理由。
② 長期にわたり抗体価を上げ続けることの健康被害についての御社の認識と、それに対してどのように長期的な検証をして接種者の安全を確保していくつもりなのか。
2. アルファウィルスの変異率 御社のレプリコンワクチンは、アルファウィルスという変異率も組み換え率も高いウィルスのレプリカ−ゼを使用している核酸医薬品である。
よって、東京理科大学の分子生物学者である村上康文名誉教授や分子腫瘍学研究所の分子生物学者及び免疫学者である荒川央博士は、接種者の体内でどのような変異が起こるのか不明であることから、遺伝的な悪影響について大きな懸念を示している。
また、アルファウィルスの変異について、今後接種者を増やしたときに治験の時点では発見されなかった変異が生じる可能性が高くなることから、以下の質問へのご回答をお願いします。
① 体内での変異や遺伝的影響について、何をもって「安全である」としたのか。
② 体内での変異や遺伝的影響についての具体的な評価項目や治験時の資料を提示してください。
③ 御社は、大規模接種を行った場合の、アルファウィルスの変異の可能性についてどのように認識しているのか。
④ 変異が生じた場合の弊害について、どのように考えて準備しているのか。
3. 安全性を評価する第 3 相試験がプラセボ比較ではなく単一群であることについて
2024 年から実施している治験デザインでは、プラセボ群との比較ではなく、治験者 2,000 人全てにレプリコンワクチンを接種するという単一群となっている。
新機序のワクチンではどのような副反応が出るのかは慎重に検討されるべきであり、プラセボ群と比較すべきであると考える。
このことから、以下の質問へのご回答をお願いします。
① プラセボあるいは従来のコロナワクチンを使用することなく単一群での比較をした理由。
② 単一群の比較では、レプリコンワクチンの安全性が評価されないと考えられるが、誰がこのような治験デザインを提案し、許可したのか。
③ 本来は、ランダム化したダブルブラインド試験であるべきであるが、オープンラベルで治験を行った理由。
4. 治験デザインについて
( 1 ) 開発コードが異なっているにも関わらず、開発コードごとに全てのフェーズで治験を実施しないことについて レプリコンワクチンにはいくつかの開発コードがあることが治験情報から判明している。
レプリコンワクチンは遺伝子を組み替えて作製されるワクチンであるため、開発コードが違えばそれは一つ一つすべて別製品であると認識するのが通例である。
しかしながら、開発コードによっては、第 1 相試験、第 2 相試験にとどまるものや、第 1 相試験や第 2 相試験を省略して第 3 相試験を実施しているものなど、開発コードごとに全て第 1 ~ 3 相試験までを実施しているわけではないように見受けられる。
コロナワクチンの治験に関する規定(※ 7 )において、親フレームの治験が済めば子フレームは治験の一部を省いて良いと解釈できる記載はあるものの、これが新機序を有するレプリコンワクチンにも該当すると判断することは妥当とは思えない。
(※ 7 ) 厚生労働省:ワクチン開発に関する説明会,ICMRA活動と今後の開発・評価について,2021. ( https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000808778.pdf )
このことから以下の質問へのご回答をお願いします。
① この治験デザインが妥当であると判断した根拠は何か。
② この治験デザインを妥当であると判断したのは誰か。
( 2) 治験実施施設について レプリコンワクチンは、個体間伝播の可能性が懸念されているにも関わらず、全国各地の治験施設では、その検証もないまま治験終了または実施中となっている。
このことから、以下の質問へのご回答をお願いします。
① 治験者に対して、レプリコンワクチン非接種者に伝播する可能性があることを伝えているのか。
② 伝えていないとしたらその理由。
③ 万が一、被治験者の同居人等の物理的に近い人や、家族や職場等にいる妊婦や小児、乳幼児などを含め、非接種者への悪影響があるか否かのモニター体制や、悪影響があった場合の御社の対応についての行動計画。
( 3 ) 治験実施施設、墨田病院の選定について 御社の治験実施施設の 1 つである墨田病院は、 2021 年に国内治験で初めての死者を出している(※ 8 )。
(※ 8 ) 薬害オンブズパースン会議 ( https://www.yakugai.gr.jp/topics/file/Eisai_Sumida_H_jiken_youbousho.pdf )
このような治験管理について問題のある病院を選定した理由をお答えください。
Ⅵ. コロナウイルス感染症に対するレプリコンワクチンの必要性
新型コロナウィルス感染症は、 2023 年 5 月 8 日より「 5 類感染症」となっており、また現在の症状はこれまでの「風邪」と同程度である。
それに対する御社のワクチンは、新機序かつリスクが不明瞭で様々な検証が不十分であると思わざるを得ない。
検証が不十分であると考える理由は、 mRNA 技術を用いた医薬品は核酸医療の分野であり、医薬品として承認を得る場合は、次世代への影響等も含めた治験が必要となるはずであるが、ワクチンの分野で承認申請するため、次世代への影響等の検証がなされていないためである。
このことをふまえ、以下の質問への回答をお願いします。
① 現在、新型コロナウィルス感染症に対して、ワクチンが必要と考える理由。
② 現在行っている治験のみで、レプリコンワクチンを実用化する理由。
Ⅶ 国際問題に発展する懸念について
個体間伝播の可能性についての検証をせずに人への治験を実施しているが、現段階においても、また承認を経て実用化された場合においても、この問題は国内でとどまるものではない。
海外から日本への入国を拒否される事態等に発展した場合、御社はどのような責任を取るつもりでいるのか、具体的にお答えください。
Ⅷ 御社のレプリコンワクチンに対する考えについて
これまでお伝えした通り、御社のワクチンは人体にとって安全なワクチンであるとは言い難い。これを製品化してワクチンとして人体に接種することについて、御社はどのように考えているのか、御社の企業理念に照らしてお答えください。
以上
全文である。
参考文献は分かりやすいようにリンクも貼っておいた。
聞きたいことを全部聞いてくれているどころか、知らない情報が盛りだくさんである。
開発コードの作為的な話とか、偽装に近いものを感じるのは私だけだろうか?
次回へ・・・。