前回の続き・・・。
3月26日、4日目。
前日、仙台市内のホテルに宿泊した私は、朝9時頃、チェックアウトした。
この日は、仙台市内から南下して行く予定にしていた。
最初に訪れたのは、仙台市若林区亘理町荒浜地区にある“祈りの塔”である。
車を走らせること約30分で目的地に着いた。
この地区は、仙台市唯一の海水浴場として多くの人に親しまれてきた深沼海水浴場からすぐと言うことあり、砂を大量に含んだ津波が住宅地を襲い、かなりの内陸部まで、海岸にあった砂が今でも残されている。
砂と大津波・・・。
犠牲になられた方のその苦しさはいかばかりか図り知ることが出来ない・・・。
荒浜慈聖観音の横には、犠牲になられた方189人の慰霊碑と、これまで海岸入り口にあった木製の慰霊塔が移設されていた。
荒浜慈聖観音は白御影で作られており、高さは9m・・・。
この地区を襲ったとされる津波の高さと同じらしい・・・。
読経・・・。
祈りの塔を後にして、しばらく車を走らせると、お寺の案内があった・・・。
車を回してみると、このような状況だった・・・。
中には慰霊碑があったので、改めて、読経・・・。
浄土寺を後にして、しばらく車を走らせると、このような看板がアチコチに・・・。
そして、それに抗議するかのごとく、近くにはひときわ目を引く黄色い看板が立っていた。
とりあえず紹介する。
少し読みづらいと思うので文字に起こす。
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一、奥山恵美子市長、即刻辞任しろ!仙台から出て行け
一、出鱈目な仙台市行政 被災者を騙すな!
一、残った我々は新しい“深沼”町作りする!
一、陰湿な策略は止めろ!! 我々の命は自分で守る!!
一、復旧復興は仙台市に任せられない!
一、一日も早く危険区域を外せ!!
一、若者も集う処「愛に溢れた満ちる人情」仙台深沼!
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仙台市若林区荒浜地区は、災害危険区域に指定されており、家を建てることができないということを多くの人は知らないと思う・・・。
このことを知った上で、立て看板の心情を考えて欲しい。
先ほど、紹介した浄土寺も同じく、移転の計画中らしい・・・。
また、後ろにたなびく黄色いハンカチが物悲しさを誘う・・・。
映画『幸せの黄色いハンカチ』を意識した、地区への帰還を願う「黄色いハンカチ運動」と言われているものである。
集団移転の協議が進む一方で、このような運動も根強く行われ、未だ生活の再建は難しい状況を物語っている・・・。
荒浜地区を後にした私は、同じく若林区内にある東六郷小学校へと車を走らせた。
車を走らせること約15分・・・。
ここも津波の被害を受けたのだが、幸いにも、児童、教職員は全員無事だったそうである。
現在も、児童達は六郷中学校を間借りして、学校生活を送っているという・・・。
そして、東六郷小学校は廃校が決まっている・・・。
小学校の敷地に入る。
津波に襲われた時間なのだろうか・・・?
敷地内をグルリと回ったのだが、慰霊碑らしき物が見あたらない・・・??
車に戻り、学校の周りを周回してみて、門前にあるコミュニティセンターの前に、慰霊碑があることに気付いた。
この慰霊碑を見ながら、前に進めているのか進めていないのか、如何ともし難い現実を感じずにはいられなかった・・・。
読経・・・。
次回へ・・・。